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山小屋アルバイトのこと、山小屋主が教えます!

この記事は2018年2月28日に「ヤマクラブ」に掲載されたものを2019年11月にPORTALFIELDへ移設したものです。記事移設にあたり一部加筆修正を行っています。   こんにちは。穂高岳山荘代表取締役の今…

今田恵 Written by 今田恵
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この記事は2018年2月28日に「ヤマクラブ」に掲載されたものを2019年11月にPORTALFIELDへ移設したものです。記事移設にあたり一部加筆修正を行っています。

 

こんにちは。穂高岳山荘代表取締役の今田恵です。32歳、二児の母となり、現地にはほとんど行けていません(涙)が、このたびYamaClubに登録させていただきました。みなさん、どうぞよろしくお願いいたします(^o^)

さて、みなさんは山小屋でのアルバイトについて、どんなイメージをお持ちでしょうか?今年はこの時期に各登山雑誌でも特集されており、「行ってみようかな」と思う方もいるかもしれません。

私自身は5歳から山小屋で働いている(笑)ので、当たり前になってしまっていることもありますが、少しだけその実態をお伝えできればと思います。

 

​朝が早い

登山をされるみなさんならもちろんお分かりかと思いますが、山小屋の朝は早いです。朝食開始が5時ごろですからね。早番・遅番のシフトがあるのですが、早番は4時ごろの起床なので、気合いが必要です。うちの山小屋ではそれ以上早いことはほぼないと言えますが、お客さんが集中する時期のある山域では、3時起き…という話も聞いたことがありますよ。でも、朝食準備をしながら食堂の窓から眺めるご来光も、とても素敵なものです。天気の良い日は、窓から差し込む朝日で、小屋の中全体がどんどんオレンジ色に染まって行くんですよ。

映像:”Hodaka Image vol.1″より一部抜粋(※映像全編は記事の最後に掲載しています)
 

雄大な景色が楽しめる

真っ赤に燃えながら笠ヶ岳方面に沈む夕陽を、屋根から眺める。 後ろは奥穂高岳

真っ赤に燃えながら笠ヶ岳方面に沈む夕陽を、屋根から眺める。 後ろは奥穂高岳 (写真:今田恵)

説明不要ですね。登山者として山に来ると、どうしても天候次第で残念なこともあります(もちろん、雨の山行も良いところはある!んですがね…)。

しかし、山小屋で働くと、必ず最高の景色を見られる日に出会えるのです!!これは、何にも代え難い小屋番としての醍醐味です。朝が早い分、朝食後の朝休憩・昼食後の昼休憩・早番休憩・後述するおやつ休憩など、一日の中で休憩時間が何度かあります。みんな、絵を描いたり、ヨガをしたり、涸沢岳へ登りに行ったり、笛を吹いたり、お客さんが少ないときにはサッカー!?したり、屋根で昼寝をしたりと、それぞれ気ままに楽しんでいます。

 

荷下ろし用のヘリポート(通称「番台」)で、みんなでヨガ! (写真:今田恵)

 

10時と3時におやつ休憩がある

これは、多くの山小屋にある習慣かと思います。昔からこうだったようですが、その理由は、昔は山小屋の仕事は体力仕事(大工、ボッカ、石運び等)がほとんどで、きちんとエネルギー補給と休憩をとらないと次の仕事ができなかったから、ということのようです。今は外仕事は少なくなりましたが、逆に小屋の中での仕事になりがちなので、天気がよければお外で「お茶休憩」してリフレッシュです。

 

仕事もダイナミック(だったり、そうじゃなかったり)

屋根で布団干し (写真:今田恵)

いろいろなものや環境が整っている街の仕事と違って、すべてを自分たちで賄っているのが山小屋の生活。そこにあるもの(おひさま、風、雨、雪渓……etc)を十分に活用しながら、登山者の皆さんにもできる限り不便のないようにと、工夫しています。明かりや水の確保など、もしかしたらびっくりするようなこともあるかもしれませんが、街で電気や水が使える仕組みを、この小さな空間の中でまわしているのが、山小屋。街での暮らしに戻ったあとも、視点が変わってくるかもしれません。そんな環境の中での仕事は、ダイナミックなことも多いです。みんなで体を動かし、これぞ「働く!」という感じでしょうか。いい天気の日には屋根にお布団を干し、大雨でお客さんのいない日には食堂をみんなでワックスがけ。混雑している日にはたくさんのお客さんと接することになりますから、ダイナミックなばかりではいけない面も、もちろんありますよ。そういった際には、細やかな気を使える、両方楽しめる人だと、山小屋に向いているのかな?と思います。

 

さまざまな面白い人たちと共に働ける

山小屋へ働きにくる人は、面白い人が多いです。趣味も多彩で、芸術家肌の人も少なくありません。通年のお仕事ではないので、冬はスキーヤーの人、基本はバックパッカーで稼ぎにきた人、写真家、他の時期もリゾートバイトや農業バイトへ行く人、冬は海外へ行く人、医療系などの資格を持った人、などなど、本当にさまざまなバックグラウンドや他の才能がある人々が多くいると感じます。そんな面白い人たちが1ヶ月から半年も一緒に暮らしながら、山小屋という変わった場所の中で働いて、夜は語ったりたまにケンカしたりもしながら、そのいろいろな人たちのいろいろな「人生」が、シェアされていく感じが、私はとっても好きです。「山好きに悪い人はいない」というのも、私は今も信じています。そして、この山小屋での出会いが、人生における面白い素敵なケルンになったらいいなぁ、と、働いていただく側としては思っています。

いかがでしたでしょうか。もっと具体的な事も知りたい?よろしければコメントetcお待ちしております!

以上、今田恵でした。

最後に、ハチプロダクションの映像 “Hodaka Image vol.1” をどうぞご覧くださいませ。

“Hodaka Image vol.1” by HachiProduction

 

…あっ、忘れるところでした(汗)
そんなわけで(?)穂高岳山荘では、2018年度のスタッフを絶賛大募集してます。

フルシーズンは募集しない年も多いですので、是非ご検討くださいませ。
山小屋アルバイトをお考えの方がいましたら、
050-6870-8675
までどうぞお電話ください (私が出ます)
質問だけでもどうぞお気軽に〜

詳細は、穂高岳山荘公式Webサイトをご覧くださいね。


今田恵 – 穂高岳山荘代表取締役

 

山小屋アルバイト採用情報 | 穂高岳山荘

北アルプス穂高連峰、白出(しらだし)のコルに位置する穂高岳山荘の公式サイト。奥穂高岳(3,190m)まで登山道約50分。美しい石畳のテラスに迎えられ、雄大な穂高の峰々に出会う山小屋。約300名宿泊可。

Written by 今田恵
1985年、岐阜県高山市生まれ、31歳。穂高岳山荘三代目。2008年、早稲田大学を卒業後、(有)穂高岳山荘へ入社。現在、代表取締役。 厳しい環境下の山小屋を、正統派でありながら現代的で過ごしやすい場所に、というポリシーを父から受け継ぎ、今の時代の登山にあるべき山小屋の理想の姿を目指している。 2013年に第一子、今夏に第二子を出産し、姉妹の母となる。現在は山荘現地をスタッフと夫に任せ、飛騨神岡にある山荘事務所を拠点に、事務・広報渉外業務と育児に奮闘中。思い出に残っている登山は、北岳、6月の富士山、表銀座縦走、キナバル。 Profile