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🎭| 稲垣吾郎 中止となった舞台への熱き思い「再開まで止まらず歩み続けます」


写真 サンソンを演じる稲垣

稲垣吾郎 中止となった舞台への熱き思い「再開まで止まらず歩み続けます」

 
内容をざっくり書くと
自らは熱心なカトリック教徒でありながら「死刑制度はなくさなればならない」という葛藤の中で自らの職務をまっとうしていた。
 

政府の緊急事態宣言を受け、15公演を中止した俳優・稲垣吾郎(47)主演する舞台「サンソン―ルイ16世… →このまま続きを読む

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なく葛藤

死刑

死刑しけいは、対象者(死刑囚)を死なせる刑罰である。暴力的な表現を比較的控えられるよう、抽象的な表現として「極刑きょっけい」あるいは「処刑しょけい」とも表現される。刑罰の分類上は生命刑に分類される。

概要

死刑には、世界各国で様々な歴史と様式がある。日本では現在絞首刑で行われている。現在の多くの死刑存置国ではおおむね人命を奪った犯罪や国家反逆罪、およびその未遂罪に対しても死刑が適用される。一部犯罪に対する刑罰を厳罰化している国々では、生命・身体の脅威になる犯罪(麻薬覚醒剤などの使用、製造、人身売買など)や、生命を奪わない犯罪(汚職、通貨の偽造、密輸など)などにも死刑が適用される場合がある。その一方、死刑廃止を前進するため1989年12月15日自由権規約第2選択議定書(死刑廃止議定書)が国際連合総会で採択された。2020年時点で、ヨーロッパ、南米、カナダやオーストラリアなどの106カ国で全ての犯罪に対して死刑は廃止されている。また一般犯罪においては死刑を廃止しているが、戦時犯罪行為にのみ死刑を定めている国が8カ国あり、ブラジルやイスラエルがそれに当たる。
一方で、日本を含むアジア諸国(死刑を廃止している中央アジアブータンネパールカンボジアモンゴルは除く)や宗教的に応報が原則とされる中東およびアフリカ大陸諸国(54カ国中15カ国。但し、通常犯罪のみ廃止の国や事実上の廃止国は含まれていない。)、そして欧米文化圏では例外となるアメリカ合衆国の連邦政府及び軍隊と27州(州数は2021年4月時点)[1][2]。ネブラスカ州議会は2015年に死刑を廃止したが、2016年に死刑を復活させた[3]など83カ国で死刑制度が存置されている。それとは別に、事実上廃止している国(10年以上死刑執行がなされておらず、死刑執行をしない政策または確立した慣例を持っていると思われる国。死刑を適用しないという国際的な公約をしている国も含まれる)が28カ国あり、韓国ロシアミャンマーがそれらの国にあたる。アムネスティ・インターナショナルでは、事実上廃止国も含め死刑廃止国を144カ国としている[4][5]
そして、事実上廃止している国を除いた死刑存置国55カ国の内、2011年2020年の間に死刑執行された国は36カ国である。更にその中で、この期間中に死刑執行があった年が5年以上あった国は24カ国であり、死刑を存置し死刑廃止の政策や慣習が持っていないと思われる国であっても、死刑の頻度が異なったり、そもそもここ10年の間に執行がない国が特にラテンアメリカに存在する。そして、前述の24カ国の内、地域別では17カ国がアジア、5カ国はアフリカで、アジア・アフリカ以外は、アメリカ合衆国ベラルーシとなっている。また、国民の大多数が信仰している宗教の種類で見た場合、イスラム教が15カ国を占める。

死刑の歴史

死刑は文明の初期段階において刑罰の中心をなすものであり、世界各地で死刑の記録が残されている。石器時代の遺跡から処刑されたと思われる遺体が発見されることもある。

死刑は身体刑と並び、前近代(おおむね18世紀以前)には一般的な刑罰であった。人類刑罰史上最も古くからある刑罰であるといわれ、有史以前に人類社会が形成された頃からあったとされる[6]。また、「死刑」という刑罰でなくとも、多くの「死に至る(ことが多い)刑罰」も用いられていた。

威嚇効果が期待されていたものと考えられており、すなわち見せしめの手段であったため、公開処刑が古今東西で行われていた。火刑溺死刑、圧殺、生き埋め、(はりつけ)、十字架刑斬首(ざんしゅ)、毒殺、車裂(くるまざき)、鋸挽き釜茹石打ちなど執行方法も様々であった。近年では、死刑存置国の間でも絞首刑銃殺刑電気椅子、ガス殺、注射殺(毒殺)・服毒などに絞られつつあり、比較的肉体的な苦痛の少ないと考えられる方法を採用するのが主流となっている。刑罰の歴史上では文明化と共に死刑を制限することが顕著である[7]

刑罰として死が適用される犯罪行為も、必ずしも現代的な意味における重犯罪に限られていたわけではない。窃盗や偽証といった人命を奪わない罪状を含んだほか、社会規範・宗教的規範を破った事に対する制裁として適用される場合もあった。たとえば、中世ヨーロッパでは姦通を犯した既婚者女性は原則的に溺死刑に処せられていた[8]。叛乱の首謀者といった政治犯に対するものにも適用された。

死刑は、為政者による宗教弾圧の手段として用いられたこともあり、ローマ帝国時代のキリスト教徒迫害や、江戸時代長崎で行われたキリシタンの処刑のように、キリスト教徒の処刑が多数行われていた。一方魔女裁判のように、宗教者たちによって死に追いやられた人々も多かった。

その後、近代法制度の確立に伴い、罪刑法定主義によって処罰される犯罪行為が規定され、それに反した場合に限り刑罰を受けるというように限定された。近代法制度下では、どのような犯罪行為に死刑が適用されるかが、あらかじめ規定されている。また18世紀頃から身体を拘束・拘禁する自由刑が一般化し、死刑は「重犯罪向けの特殊な刑罰」という性格を帯びるようになった。死刑の方法もみせしめ効果を狙った残虐なものから絞首刑など単一化されるようになった。

20世紀中期以降は、死刑を存置する国家では、おおむね他人の生命を奪う犯罪のうち、特に凶悪な犯罪者に対し死刑が適用される傾向がある。ただし戦時犯罪については死刑を容認している国も残されており、上官の命令不服従、敵前逃亡、スパイ行為といった利敵行為などに対して適用される場合がある。また、21世紀になっても、国によっては重大な経済犯罪・麻薬密売・児童人身売買といった直接に他人の生命を侵害するわけではない犯罪にも死刑が適用されることがあるほか、一部国家[9]では、窃盗犯であっても裁判によらず即決で公開処刑される事例が存在する。

死刑の目的

死刑とはいかなる類の刑であるか

ドイツの哲学者イマヌエル・カントは「刑罰は悪に対する悪反動であるため、犯した犯罪に相当する刑罰によって犯罪を相殺しなければならない」として「絶対的応報刑論」を唱えた。これに対して「刑罰が応報であることを認めつつも、刑罰は同時に犯罪防止にとって必要かつ有効でなくてはならない」とする考え方は「相対的応報刑論」という。

日本で、死刑を合憲とした1948年(昭和23年)の最高裁判例では、「犯罪者に対する威嚇効果と無力化効果(隔離効果)による予防説に基づいて合憲」としており、応報刑的要素についての合憲性は排除されている。なお、予防説では「死刑は一種の必要悪であるとして、犯罪に対する反省もなく、改善不能で矯正も不可能な犯罪者は社会防衛のために死刑にするのもいたしかたない」との死刑存置派からの論拠がある[10]

死刑の法的根拠

刑罰は応報的な面があるのは事実であるが、死刑が社会的存在を消し去るものであるため、死刑が近代刑罰が忌諱する応報的な刑罰ではないとする法学的根拠が必要とされている。一般予防説に従えば、「死刑は、犯罪者のを奪うことにより、犯罪を予定する者に対して威嚇をなし、犯罪を予定する者に犯行を思い止まらせるようにするために存在する」ことになる。

特別予防説に従えば、「死刑は、矯正不能な犯罪者を一般社会に復して再び害悪が生じることがないようにするために、犯罪者の排除を行う」ということになる。しかし、より正確に「特別予防」の意味をとると、「特別予防」とは犯罪者を刑罰により矯正し、再犯を予防することを意味するため、犯人を殺してしまう「死刑」に特別予防の効果はない。仮釈放のない絶対的終身刑にも同様のことがいえる。

日本やアメリカなど、死刑対象が主に殺人以上の罪を犯した者の場合、死刑は他人の生命を奪った(他人の人権・生きる権利を剥奪した)罪に対して等しい責任(刑事責任)を取らせることになる。

一般的な死刑賛成論者は予防論と応報刑論をあげるが、応報論の延長として敵討つまり、殺人犯に対する報復という発想もある。近代の死刑制度は、被害者のあだ討ちによる社会秩序の弊害を国家が代替することでなくす側面も存在する。国家の捜査能力が低い近代以前は、むしろ仇討ちを是認あるいは義務としていた社会もあり、それは被害者家族に犯罪者の処罰の責任を負わせて、もって捜査、処罰などの刑事制度の一部を構成させていたという側面もある。

殺人などの凶悪犯罪では、裁判官が量刑を決める際に応報は考慮されている。基本的には近代刑法では応報刑を否認することを原則としているが、実際の懲役刑の刑期の長短などは被害者に与えた苦痛や、自己中心的な感情による犯行動機があるなど酌量すべきでないなど、応報に基づいて行われている。ただし、死刑の執行方法は被害者と同様(たとえば焼死させたからといって火あぶりに処すなど)の処刑方法でなく、「人道的」な方法が取られる。

日本では日本国憲法下で初めて死刑を合憲とした判決(死刑制度合憲判決事件最高裁判所昭和23年3月12日大法廷判決)において、応報論ではなく威嚇効果と無力化効果(隔離効果)による予防説に基づいて合憲とされた。

抑止効果

個別の刑罰の特別抑止(再犯抑止)効果を除いた一般抑止効果は、死刑や、終身刑およびほかの懲役刑も含めて、統計上効果が実証されていない。一般論として、死刑反対派は「死刑による犯罪の一般抑止効果の統計的証拠がないこと」、死刑賛成派は「死刑代替刑による威嚇効果が十分でないこと」を指摘する。抑止効果の分析方法には地域比較と歴史的比較がある。地域比較では国や州の制度の違いによって比較が行われる。

地域比較としては、アメリカ合衆国の1960年から2010年までの、「死刑制度がない州・地域」と「死刑制度がある州・地域」の殺人発生率を比較(死刑がない州地域とある州の数は時代の進展とともに変化している)すると、死刑制度がある3州の殺人率の平均値は死刑制度がない州や地域と、いずれの年度も近似値であり統計上有意な差異は確認されていない[11][12][13][14][15][16][17][18]

主要工業国(先進国・準先進国)で死刑を実施している国としては、日本、アメリカ合衆国、シンガポール、台湾などがあるが、アメリカ合衆国の殺人率は先進国の中では高く他国の殺人率は低い[19][20][21][22][23]ので、個々の国の殺人率は死刑制度の有無や刑罰制度の重軽により決定されるわけではなく、殺人に対する死刑の一般抑止効果としては、国や州や地域別の比較には意味がないとの指摘もある。

時代的比較では、死刑が廃止された国での廃止前・廃止後を比較する試みがされる。しかし様々な制度や文化、教育、経済など様々な社会環境の変化も伴うため、分析者によってさまざまな結論が導き出されており、それだけを取り出して検討するのは困難である。ただし現段階においては、廃止後に劇的に犯罪が増加・凶悪化した例はこれまでにはなく、また劇的に犯罪が減少した例もない。

精神科医作家加賀乙彦は著書『死刑囚と無期囚の心理』の中で、確定死刑囚44人を調査した結果、犯行前や犯行中に自分が犯している殺人行為によって死刑になるかどうかを考えた者はいなかったと報告している。この結果を見て、犯行後に死刑を回避するため目撃者さえ殺害したものまでいたため、無我夢中に殺人をしたものに対する犯罪抑止力はほとんど期待できないと結論付けた。ただし、死刑の可能性を考慮して殺人行為を思い止まった者は、当然、死刑囚にはならないので、死刑の抑止力が働かなかった者だけを例にあげて死刑の抑止力がないと主張するのは無理がある。

自分自身の生命すら省みない自暴自棄な者や、行政機構による自身の殺害を望む自殺志願者、殺人による快楽のみを追い求める自己中心的な、いわゆる「シリアルキラー」には抑止力が働かない例がある。アメリカでは、死刑制度のある州でわざわざ無差別に殺人を犯す者、死刑廃止州で終身刑で服役している囚人が死刑存置州で引き起こした殺人事件を告白し自ら望んで死刑になる者が存在する。例えば、死刑制度のないミシガン州から死刑存置州のイリノイ州に転居して8人を殺害したリチャード・スペックや、死刑廃止州のミネソタ州と死刑存置州のアイオワ州の双方で殺人を犯したチャールズ・ケリーやチャールズ・ブラウンはいずれもアイオワ州で裁判を希望して死刑を受け入れたという。また、死刑執行直前になってもアルバート・フィッシュは「最高のスリル」と待望していたとの説があるが、彼のようなシリアルキラーは他人の生命ばかりか自身の生命の保持すら関心がないので、死刑になることを恐れないなど、自己保身のために犯行を躊躇することはない。アメリカのシリアルキラーのみについていえば死刑の威嚇効果は期待できない[24]

作家石川達三は、著書『青春の蹉跌』の中で死刑存続論の論拠として

  • 「人を殺した者は、彼も亦生命を奪われねばならない」という応報的法的確信
  • 威嚇的効果の期待
  • 犯罪者の完全隔離

を揚げ、「(死刑は)当然廃止せられるべき」であるが「直ちにこれを廃止するためには、社会の実情がなお整っていない」と主人公に言わせている。

死刑の方法

2020年時点で、事実上廃止国を除いた55カ国の死刑存置国で行われている、処刑方法は以下の通り。

一覧

絞首

日本韓国北朝鮮マレーシアエジプトイランヨルダンイラクパキスタンバングラデシュシンガポール

韓国は、に23人を死刑執行してから行われておらず、事実上死刑廃止国として扱われている。

電気椅子

米国アラバマ州フロリダ州サウスカロライナ州アーカンソー州ケンタッキー州テネシー州オクラホマ州

ただし、州によって条件が異なり、アラバマ州、フロリダ州、サウスカロライナ州、バージニア州は処刑対象者が薬殺刑を選択できるが、アーカンソー州1983年7月3日)、ケンタッキー州1998年3月30日)、テネシー州1999年[25])の場合は、死刑判決がカッコ内の年月日以前に受けた場合でないと、選択できない。

更にオクラホマ州は、薬殺刑の執行が不可能な場合にのみ銃殺か電気処刑の選択が出来るように運用されている。

そして、ネブラスカ州は、かつて電気処刑による死刑執行が行われたが、2008年2月に同州最高裁判所が憲法違反判決を出したため、翌年に、薬物注射による死刑に切り替えている[26]

ガス室

米国アリゾナ州カリフォルニア州ミズーリ州ノースカロライナ州。ただし処刑対象者が薬殺刑を選択できる。

コロラド州メリーランド州は、かつてガス殺刑も選択すれば執行できたが、前者は2013年に、後者は2020年に死刑が廃止された。

またミシシッピー州もガス殺刑を選択できたが、1998年に選択から削除されている[26]

そしてアメリカ国内で、1977年の死刑再開以降、ガス殺刑で執行されたのは11件であり、1999年3月3日のアリゾナ州でのドイツ国籍を有するウォルター・ラグランドの執行を最後にアメリカ国内で行われていない。

薬殺

中華人民共和国(主に経済犯罪に対して)、タイ王国ベトナム、米国の連邦・軍・死刑制度存置

銃殺

ベラルーシ、中華人民共和国(主に一般犯罪に対して)、キューバ北朝鮮ソマリアインドネシアイランイエメン、アメリカ合衆国ユタ州・オクラホマ州・、サウスカロライナ州、死刑を実施するすべての国で死刑囚の身分が現役軍人の場合。

日本でも戦前には陸軍海軍軍法会議[27]で適用される場合があった。

また、アメリカでは2021年5月時点で前述の3州のみあるが、あくまでも薬殺刑が執行不可能である場合にのみ執行される。

1977年の死刑執行再開以降、アメリカ国内で銃殺刑に処されたのが3件のみであり、全てユタ州で行われていた。

死刑囚ロニー・リー・ガードナーの希望により銃殺刑が、2010年6月18日に行われ、この執行を最後にアメリカ国内では行われていない[28]

また、ユタ州では、2004年5月4日以降、銃殺刑を選択することを禁じられたが、2015年3月23日に薬殺刑の執行が不可能である場合に限って認められることとなった[29]。そして、2021年5月14日のサウスカロライナ州で、死刑執行用の薬物が入手できず執行出来ない状況を打破する為、電気椅子だけでなく、銃殺刑も薬殺刑が執行不可能である場合に選択できるような法律が成立した[30]

イエメンのフーシ派勢力支配地域では、治安要員による銃殺刑後に、クレーンにより銃殺刑後の死体が吊るされる[31]

斬首

サウジアラビアナイジェリア北部(特定の種類の犯罪でシャリーア裁判所で死刑判決を下された場合)[32]

イランも斬首刑が行われていたが、2001年を最後に執行されていない。また、ナイジェリアのシャリーア裁判所では不倫殺人同性愛行為に対し死刑判決を下してきたが、現在までに死刑が執行されたことはない[33]

石打ち

アフガニスタンアラブ首長国連邦イエメンイランサウジアラビアスーダンブルネイナイジェリア北部、モーリタニア[32]

シャリーア刑罰として、主に不倫同性愛行為をした場合に行われる。
但し、アラブ首長国連邦、ナイジェリア北部は執行された例がなく[33]、イエメンも滅多に執行されることはない。また、ブルネイは国際批判により、死刑執行自体を2019年5月5日より一時停止している。そして、モーリタニアも1987年の執行を最後に、死刑の執行は行われていない。更に、アフガニスタンは2001年のタリバーン政権崩壊以降、同性愛を理由とした死刑執行はされていない[34]

その他にも、北朝鮮にてハンマーによる撲殺刑が行われたケースもある[35]

公開処刑

イラン、北朝鮮、サウジアラビア、ソマリア、イエメン(フーシ派勢力支配地域[31][36])などで行われる。

また、中国では以前は公開処刑がテレビで放送されていたほか、バスに死刑執行(薬殺刑)設備を積んだ移動死刑設備がある。

ギャラリー

死刑執行人

死刑の執行は罪人を殺すという行為を実際に行う者を死刑執行人と呼ぶ。

ヨーロッパ諸国や明治時代以前の日本では、中世時代から死刑執行を業務とする死刑執行人が存在していた。

アメリカや明治以降の日本などでは刑務官が行っている(なお、ヨーロッパ諸国では死刑は廃止されているため、死刑執行人も現存しない)。

各国の死刑

死刑執行数順位

2020年の執行数[4]
1位中華人民共和国の旗 中華人民共和国1000人以上。少なくとも2000人(2018年推定)[37]
2位イランの旗 イラン少なくとも246人(推定)
3位エジプトの旗少なくとも107人(推定)
4位イラクの旗 英語版少なくとも45人(推定)
5位サウジアラビアの旗 サウジアラビア21人
6位アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国17人
7位ソマリアの旗少なくとも11人(推定)
8位イエメンの旗少なくとも5人(推定)
9位インドの旗 インド4人
10位オマーンの旗少なくとも4人(推定)
11位ボツワナの旗3人
12位南スーダンの旗少なくとも2人(推定)
12位バングラデシュの旗2人
14位台湾の旗 台湾1人
14位カタールの旗1人
-位朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮未発表。2013年は少なくとも推定82人が公開死刑執行されている。

また、2008年には少なくとも推定161人が公開死刑執行されている[38]

-位シリアの旗未発表
-位ベトナムの旗未発表。2018年の執行数は少なくとも推定85人であった。

新型コロナ感染症流行の影響により、裁判の遅れや司法手続きの停滞が生じている。また、その影響によりシンガポールの旗 シンガポール日本の旗 日本は無しであった。ヨーロッパ唯一の死刑存置国であるベラルーシの旗 は、2020年8月に行われたベラルーシ大統領選挙の不正に対する抗議活動等の混乱により執行は無かった。

(参考)19世紀のヨーロッパ諸国(イギリスは別途、18世紀後半も含めた期間のデータ)及び日米の死刑宣告数(日米除く)及び死刑執行数

国名期間全体1年平均執行率
(%)
死刑廃止年最後の
死刑執行年
死刑宣告数(人)死刑執行数(人)死刑宣告数(人)死刑執行数(人)
イギリスの旗 イギリス1847年1860年78714156.210.117.91998年1964年
イングランド
1865年1867年732924.39.739.7
フランスの旗 フランス1861年1865年1087221.614.466.71981年1977年
ベルギーの旗 ベルギー1832年1855年6134718.01.47.71996年1950年
ポーランドの旗 ポーランド1849年1862年3276523.44.619.91997年1988年
オーストリアの旗 オーストリア1860年1863年1031225.83.011.71968年1950年
スウェーデンの旗 スウェーデン1857年~1860年3252981.37.38.91972年1910年
プロセイン1818年~1865年137244928.69.432.71987年1981年
(参考)
日本の旗 日本1872年---1,126---
1897年---21---
1890年1899年-468-50.7---
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国1825年1849年-894-35.8---
1850年1874年-1,364-54.6---
1875年~1899年-2,521-100.8---
イギリスの旗 イギリス
1770年1830年35,0007,000573.8114.820.01998年1964年
イングランド
  • ヨーロッパ諸国の死刑宣告数及び死刑執行数は、1876年(明治9年)10月13日に行われた元老院会議の改定律例249條1項改正ノ件(號外第16號意見書)第3議会における細川潤次郎の発言による[39]
  • プロセインの死刑廃止年と最後の死刑執行年は、どちらも東ドイツである。
  • 1770年~1830年に行われたイギリスの死刑宣告数及び死刑執行数は、「死刑の在り方についての勉強会」 の添付資料による[40]
  • 日本の死刑執行数は、昭和43年版白書[41]で記録の有る1872年(明治5年)~1900年(明治33年)の中で、最多年(1872年[明治5年])と最少年(1897年[明治30年])及び1890年代の累計死刑執行数と1年平均死刑執行数を掲載している。
    但し最多年の死刑執行数は、鞠山騒動によりこの年の4月3日敦賀県の裁判で自裁が下され自裁した4人[42]加賀本多家旧臣の敵討ち(明治の忠臣蔵と言われている。本多政均暗殺事件に関わった人物らを加賀本多家旧臣ら15人により殺される。また、1873年(明治6年)2月7日布達の太政官第37号「復讐禁止令」が出される以前の最後の仇討ちである。)により、この年の11月4日石川県刑獄寮の裁判で自裁が下され自裁した旧臣12人がいるが、それら16人の切腹は含まれていない[43]
  • アメリカはNPO団体『死刑情報センター(Death Penalty Information Center)』の「EXECUTIONS OVERVIEW Executions in the U.S. 1608-2002: The Espy File」[44]の1825年~1899年の間のデータである。

アジア

アジア(日本を除く)では中華人民共和国やサウジアラビア、イランなどの死刑執行数が多い。またシンガポールは厳罰主義であり、軽微な触法行為に対しても刑罰を加えていることで有名である。また北朝鮮では裁判によらない即決による公開処刑が行われているとの報道もある。なお、アジア諸国で死刑存置国はイスラム教国や東アジアに多い。

2011年~2020年の間にアジア諸国で死刑執行のあった国は下表より、推定も含めて25カ国あった。その内8カ国は執行執行のあった年は5年未満であった(インドネシアは2013年・2015年・2016年の3年[45][46]バーレーンは2016年と2019年[47][48]ヨルダンは2014年・2015年[49]・2017年、クウェートは2013年と2017年、オマーンは2015年のみ、カタールは殺人の罪でネパール人出稼ぎ労働者の死刑執行があった2020年のみ[50]インドは2012年・2013年・2015年・2020年の4年、タイは強盗殺人の罪で執行された2018年の1年のみ[51]であった。)。また、5年以上執行のあった18カ国の内、12カ国は国民の大多数がイスラム教を占める国・地域であり、5カ国は漢字文化圏儒教)であった。

前者に属する諸国の中で、イランイラクサウジアラビアが数十~数百の執行を行っている。一方で、これら3カ国と同じアジアの中東諸国でもバーレーンヨルダンクウェートオマーンカタールは、死刑執行の頻度が少なく、ヨルダンを除き1桁の執行である。また、パレスチナアラブ首長国連邦は死刑執行の頻度が多いが、基本1桁の執行であり、2018年以降死刑執行されていない。また、他のイスラーム教が多くを占めるマレーシアインドネシアも基本1桁の死刑執行である。マレーシアは2018年10月に死刑廃止の検討を表明し、一時停止しため2018年以降執行されておらず[52]インドネシアも2017年以降執行されておらず、2009年~2012年の間は一時停止していた。そして、パキスタン2015年に推定341人という3桁の死刑執行が行われていたが、2016年~2019年は2桁の執行であり、2008年12月~2014年11月の間は、テロ行為を含めた一般刑法犯に対する死刑執行を一時凍結していた(但しによる執行であることを理由に、2012年10月26日に上官含め3人を殺害した兵士が絞首刑により執行されている[53]。)[54][55]

漢字文化圏の場合、世界で最も多いと推定される中国のみならず、推定であるが北朝鮮ベトナムで3桁の執行が行われていた。そして、3カ国とも共産主義政党が事実上の一党独裁を行っている。但し、共産主義政党が事実上の一党独裁を行っている国でも、ラオス1989年以降死刑執行を行っておらず[56]キューバ2003年を最後に執行されていない。

なお、2021年4月のアムネスティ報告書の調査によれば2020年に世界18カ国で少なくとも483人の死刑(但し、中国や北朝鮮、ベトナムやシリアでは未発表の為、含まれていない)が執行された。最多の中国は、執行数を公表していないが、少なくとも2000人(2018年推定)は執行されていると推定されるため、年は違うが2020年のアムネスティ・インターナショナルの死刑執行推定数に含めた場合、世界の死刑執行数の約81%を占めることとなる[37]。世界人口の5分の1が中国に集中していることを考慮しても、世界の主要国の中では、死刑執行率も格段に高い。そして中華人民共和国では、殺人だけでなく麻薬犯罪や汚職事件で有罪になった場合も死刑になる。但し、死刑になる最も多い犯罪は、殺人と薬物関連による犯罪である[4]。また、2006年までは公開処刑が行われていた。中国政府は「犯罪抑止力のために必要だ」と主張しているが、中国の人権問題として国際社会の批判を受けている。

2011~2020年の10年間に死刑執行が行われたアジア諸国の執行数[32]
国名2011201220132014201520162017201820192020
漢字文化圏
漢字文化圏の内、共産主義政党が事実上含めて一党独裁を行っている国
中国4,0003,0002,4002,4002,4002,0002,2002,000--
北朝鮮131+21+82+2+3+64+5+(?)2+8+18+
ベトナム5+0429+-85+--
漢字文化圏の内、共産主義政党が事実上含めて一党独裁を行っていない国
日本07833341530
台湾5665610101
イスラーム諸国
 バングラデシュ51203106012
インドネシア00501440000
マレーシア1+02+2+-94000
イスラーム諸国の内中東に属する国
バーレーン0000030030
イラン676+580+727+801+1,052+545+524+285+273+246+
イラク68+129169+61+26+101+125+52+100+45+
ヨルダン000112015000
クウェート0050007000
オマーン0000200000
パレスチナ36327+036000
カタール0000000001
サウジアラビア82+79+79+90+158+154+146+149+184+13+
シリア1+-27+------
アラブ首長国連邦1101101000
イエメン41+28+13+22+8+02+4+2+-
イスラーム諸国の内、伝統的中東諸国では含まれないが、拡大中東の定義により中東に属する国
アフガニスタン21426+1653+0?0
パキスタン0107341876014140
その他
シンガポール40024481340
インド0110100004
タイ0000000100
  • 死刑執行数は、一部の例外を除きコーネル大法科大学院の死刑問題研究グループが出しているデータを用いている。
  • 北朝鮮の2011年~2013年は韓国統一研究院で行われた脱北者の面接調査によって推定した公開死刑執行人数である[57]
  • イランは、いくつかの団体が出した推定数の中で、最も多い推定数のデータを用いている。
  • 表の「+」は、死刑執行数が、あくまでメディア等で確認された執行数である為、データよりも多く行われた可能性があることを示している。
  • 表の「?」は、北朝鮮の場合は、司法手続きをした上での執行であるか不明である為、?としており、アフガニスタンは2019年に執行が無かったか確証が無いため?としている。
  • 表の「-」は、執行数は不明である。

日本

日本において死刑判決を宣告する際には、永山則夫連続射殺事件で最高裁(昭和58年7月8日判決)が示した死刑適用基準の判例を参考にしている場合が多い。そのため永山基準と呼ばれ、第1次上告審判決では基準として以下の9項目が提示されている。

  1. 犯罪の性質
  2. 犯行の動機
  3. 犯行態様、特に殺害方法の執拗性、残虐性
  4. 結果の重大性、特に殺害された被害者の数
  5. 遺族の被害感情
  6. 社会的影響
  7. 犯人の年齢
  8. 前科
  9. 犯行後の情状

以上の条件のうち、たとえば4項では「被害者2人までは有期、3人は無期、4人以上は死刑」といった基準があるようにいわれるが、実際の判例では事件の重要性などに鑑みながら決定しており、被害者が1人のみの場合でも死刑の可能性は十分にありえる(詳細は日本における死刑#死刑の量刑基準を参照)。

中華人民共和国

執行方法は銃殺刑が基本であるが、賄賂の授受等の経済犯罪は薬殺刑で執行される[58]。なお、死刑が適用される犯罪行為としては、賄賂の授受や、麻薬の密売や、売春及び性犯罪などが挙げられる。しかも、致死の結果が生じない刑事事件でも死刑(または終身刑)が下されることがある。また、「死刑は犯罪を撲滅するための最大の切り札である」と司法当局が確信しているため、死刑の執行が大量に行われている。そのため、暴力による刑事事件だけでなく、「株式相場の混乱」といった経済事件にまで死刑判決が下されたことが実際にある。また、19世紀のアヘン戦争の教訓から、麻薬の密輸や密売といった薬物犯罪にも死刑が数多く適用されている。実際に、覚醒剤を中国から持ち出そうとした日本人4人にも死刑判決が出され、2010年4月6日に1人、同年4月9日に3人の死刑が執行されたことがある。

汚職は近年では、死刑になることは稀であるが、汚職によって得られた金額の大きさや社会的影響、2012年の第18回共産党大会以降に行われたものも含まれているか(この大会の一中全会で習近平中国共産党中央委員会総書記に選出された。更に、習近平は「大トラもハエも一緒にたたけ」とのスローガンを掲げ、権力闘争の一面があると指摘を受けながらも反腐敗運動を展開している)によって、死刑判決が下されることがある[59]

中華人民共和国の刑罰体系では、一部の犯罪に関して下された死刑に執行猶予が付せられる規定(中華人民共和国刑法43条[60])がある(とはいえ、この執行猶予はいわゆる再教育を目指すものである。実際に反革命行為に対する死刑宣告を受けたものを死刑の重圧をかけて『労働改造』する目的があると言われている。著名な執行猶予付き死刑を宣告されたものに江青がいる)。

中国における死刑制度の問題点としては、三権分立が成り立っておらず、量刑の判断基準が政治的な意向に左右されやすいことが挙げられる。しかも、法治主義ではなく役人らの意向が強く反映されている人治主義であるため、近代的刑事訴訟手続が充分に行われていないとの指摘がある。これらの死刑制度の問題点は中国の人権問題として国際的批判の対象となっている。

実際、2020年において新型コロナウイルス感染症感染拡大防止対策の為に、最高刑が死刑である「公共安全危害罪」を過大解釈し、感染者が隔離治療を拒否して公共の場所に行ったり、公共交通機関を利用した場合も適用されるとし、地方政府によっては病歴や旅行・居住歴などを隠蔽し嘘をついた場合でも適用された。そのため、この罪により逮捕されるケースが生じた。また、この適用を決める過程で議会も通しておらず、三権分立を無視する形で行われている[61]

更に、新型コロナウイルス感染対策として実施が予定されていた移動制限の実務担当者2人を殺害した男性を事件発生から半年足らずで、死刑執行させた[4]

なお、過去にイギリスやポルトガルの植民地であった特別行政区の香港マカオでは、中国への主権返還前に死刑制度が廃止されている。

シンガポール

死刑執行数を公開している国の中で一人当たり死刑執行率が高い国のひとつとして知られ、薬物取引や殺人・強姦などの犯罪に主に適用される。同時に犯罪率が低く治安の良さは世界トップクラスを維持している[62]2016年シンガポール国立大学が実施した同国での意識調査によると、国民の92%が殺人に対する最高刑を死刑とすることを支持している[63]

また、2020年に関しては、6年振りに死刑執行が無かった。これは、訴訟を受けて死刑執行が保留になった背景があるが、新型コロナ感染症流行の影響に対する規制も原因の1つと言われている[4]

朝鮮民主主義人民共和国

北朝鮮では主に1990年代から続く食糧不足や経済的困窮を背景に起きた事件の殺人犯、刑事犯、経済犯や、北朝鮮を脱出しようとして第三国で逮捕され北朝鮮へと送還されたいわゆる脱北者、及び国内で反体制活動などを行ったとされる政治犯に対して死刑を行っている。これらは祖国反逆罪、反国家目的破壊・陰害罪などの刑法によって行われる。

第三国に出国した多くの脱北者の目撃証言や、過去日本のメディアが入手した隠し撮り映像によれば執行方法は銃殺であり、都市の一部地域を使いと呼ばれる公開裁判の一部で行われている。公開群集裁判には開かれる都市の、青少年を含んだ住民が呼び出され見学を強要される。裁判官によって死刑判決文が読まれた後は即処刑が行われる。

執行の形態としては、死刑囚1人に対し4人の執行官が自動小銃を用いて銃殺する。高射砲や犬を使用する場合もあり、その残虐性から国際社会より人権侵害との批判の声がある[64]。死刑囚はこの時のようにされる事が多い。さらに死刑執行後は周囲の見学者たちに対し死刑囚(の遺体)に石などを投げつけ死刑囚の遺体を更に傷つける事を命令されるという事もあると言われている。処刑は都市部だけでなく強制収容所内においても行われている。正確なデータは存在しないが、かなり多い頻度でこうした死刑は行われていると言われている。

インド

1980年、インドの最高裁は死刑の判断例を「極めて稀な例」のみと制限したほか、2004年~2007年の間は死刑の執行をしなかった。このまま実質的に廃止されるかに思われたが、2008年、160人以上が死亡したムンバイ同時多発テロが発生。2012年、実行犯の死刑を執行したことから、死刑に対する議論は活発になった。最近では、強姦罪にも死刑を適用している[65]。そして、2020年3月20日午前5時半に2012年に起きた集団レイプ事件の加害者4人が絞首刑により執行され、インドにとって1993年に起きたボンベイ爆破事件加害者の死刑執行から5年振りの執行となった[66]。2020年現在の死刑囚は、404人存在するという[4]

中東諸国

人口の大部分がムスリムである中東諸国では、死刑執行数が多い。インドネシアでは銃殺刑が法定刑であるが、イランサウジアラビアではコーランの教えにある斬首刑(サウジアラビアのみ)や石打刑が行われている。

イランにおける実態については明らかではないが、人口当たりの死刑執行数は世界最多であると推測される。公開処刑が少なくとも2020年で1件行われており、18歳未満の死刑執行が3人行われている。更に、反政府的傾向を持つ者や政府に抗議する者や少数民族を政治的に弾圧する為に死刑を利用する傾向を強めている[67]。また名誉の殺人に対する刑罰が軽く、「制度化された暴力」と非難されている[68]。また、背教罪があり国教であるイスラム教シーア派とその下位に位置するとされるゾロアスター教キリスト教ユダヤ教の存在が認められている宗教以外の信者であるという理由だけで死刑になる可能性があり、実際に執行された例がある。コーランには、殺人であっても被害者遺族が許した場合には死刑の執行が免除されるとあるため、ムスリム同士の場合は金銭による示談(いわゆる)で死刑が免除される場合がある[69]

またサウジアラビアでは、出稼ぎ労働者については窃盗などの罪で死刑になる場合もあり、ムスリムと異教徒で刑の軽重に差があるとも言われている。更に、強姦の被害者が逆に犯罪者として死刑になる事例も存在する。

2020年に関しては、サウジアラビアは薬物関連の犯罪での死刑執行が一時停止された影響により、前年の184人から21人と9割近く減少した。一方で、エジプトは推定で32人から107人と前年に比べ3倍以上に増加しており、死刑執行された23件は政治的暴力に関連した事件で有罪とされた人々に対するものであり、拷問や自白の強要がされていると指摘されている[67]

ヨーロッパ

過去、イギリスでは、1969年の廃止以降、IRAのテロが多発したため、保守党などから数度死刑復活案が唱えられたことがある。またノルウェーは、1945年にヴィドクン・クヴィスリングを死刑にするために特別に銃殺刑が復活している。1945年5月9日に死刑判決を受け、1945年10月24日に銃殺刑が執行された。

現在、欧州連合 (EU) 各国は、不必要かつ非人道的であることを理由として死刑廃止を決定し、死刑廃止をEUへの加盟条件の1つとしている。また欧州人権条約第3条で死刑を禁止するとともに、欧州評議会においても同様の基準を置いている。このため、現EU加盟国の中で死刑制度を存続している国は、1ヵ国も存在しない[70]

EU加盟を目指しているトルコ共和国イスラム教国であるが、人権と基本的自由の保護のための条約の第13議定書に従い死刑制度を廃止した。

ベラルーシはヨーロッパで唯一の死刑存置国である。そのため、EU非加盟国であり、人権と基本的自由の保護のための条約第13議定書によって死刑を全廃した欧州評議会から排除されている。

ロシアは、ソ連時代末期の1988年に当時の民主化と人道主義の観点から、死刑の適用対象から60歳以上の高齢者と経済犯罪を除外した。その後は非常に悪質な故意殺人に対してのみ死刑制度が存置されていた[71]1996年の欧州議会加盟時に死刑執行を停止(99年まで執行があったチェチェン共和国を除く)。1999年に憲法裁判所が、陪審制をすべての地方で導入されるまでの暫定措置として、死刑執行を停止していた。しかし、一部の下級裁判所は死刑判決を継続している。停止は2007年初めに期限切れとなりロシアが2006年5月に欧州評議会議長国に就任したことをきっかけに、ヨーロッパ諸国から欧州人権条約の死刑廃止議定書(第13議定書)批准を求める声があがっていた[72]。なお、ロシアの憲法裁判所は2009年11月19日に死刑廃止を定めた欧州人権条約第13議定書を批准するまで、死刑執行を禁止する決定を出した。これは、メドベージェフ大統領は死刑の廃止を支持していた背景がある[73]

2001年6月、欧州評議会は、死刑を存続している日米両国に対し2003年1月までに死刑廃止に向けた実効的措置の遂行を求め、それが成されない場合、両国の欧州評議会全体におけるオブザーバー資格の剥奪をも検討する決議を採択した。

アフリカ

アフリカ54カ国のうち2021年4月28日時点で22カ国が死刑廃止している。また、ブルキナファソは通常犯罪のみ廃止している。法的に廃止された国とは別に16カ国が事実上の廃止国(過去10年以上執行がなされておらず、死刑執行をしない政策または確立した慣例を持っていると思われる国。死刑を適用しないという国際的な公約をしている国も含まれる)である。合計すると54カ国のうち死刑を行っていない国は39カ国である。政情が安定している南部諸国における廃止が目立つ。ただし、政情が安定している地域でも、アラブ圏ではイスラム法の影響もあり死刑存続している国が多い。フランスの文化的影響の強い西部アフリカ諸国は、死刑執行を一時停止しているか、国事犯を除く通常犯罪への適用を行っていない国が多い。

2011年~2020年の間で死刑執行された国はアフリカ諸国では9カ国しかなく、その内の赤道ギニアチャドガンビアナイジェリアは執行された年が単年ないし2年のみであり(赤道ギニアは2014年1月に殺人罪で9人執行[74]、チャドは2015年8月29日の首都ヌジャメナで38人が死亡した自爆攻撃を行ったボコハラム戦闘員10人の銃殺刑執行[75]。後の2020年に死刑廃止、ガンビアは2012年8月23日夜から24日朝にかけて行われた国家反逆罪3人を含めた9人の執行[76]、ナイジェリアは2013年の4人と2016年の3人の執行[77])、実質5カ国(ボツワナエジプトソマリア南スーダンスーダン)のみである[78]。更に、2016年以降の傾向としては、エジプトが最も多く、次いでソマリアであり、エジプトだけで少なくともアフリカ諸国全体の約5割を占め、ソマリアを含めた場合は少なくとも8割を占めており、どちらもイスラム教徒が9割以上を占めている国である。そして2020年においては、サハラ以南で執行した国はソマリア、ボツワナ、南スーダンの3カ国である。またアフリカ大陸全体では、エジプトが最も多く死刑執行されていると推測されており、推定ながらアフリカ大陸諸国全体の約87%に当たり、ソマリアを含めた場合約98%となる[4]

2011~2020年の10年間に死刑執行が行われたアフリカ諸国の執行数[32]
国名多くの国民が信仰している宗教2011201220132014201520162017201820192020
北アフリカ諸国
エジプトイスラム教10015+22+44+35+43+26107+
スーダンイスラム教719+21+23+32020?-
東アフリカ諸国
ソマリアイスラム教66+34+14+28+72413+13+20
南スーダンキリスト教55+4+05+2+47+72+
その他
ボツワナキリスト教0210010213
チャドイスラム教及びキリスト教0000100000廃止
赤道ギニアキリスト教0009000000
ガンビアイスラム教0900000000
ナイジェリア北部はイスラム教、南部はキリスト教0040030000
  • 死刑執行数は、コーネル大法科大学院の死刑問題研究グループが出しているデータを用いている。但し2020年の南スーダンは、アムネスティ・インターナショナルの報告によるデータである[4]
  • 表の「+」は、死刑執行数が、あくまでメディア等で確認された執行数である為、データよりも多く行われた可能性があることを示している。
  • 表の「?」は、執行が無かったか確証が無いため?としている。
  • 表の「-」は、執行数は不明である。
  • 表の赤色はアフリカ諸国の中でその年に推定であるが最も多く執行された国である。「+」が付いている場合は、その数値で比較していることに注意する。
  • 表の黄色はアフリカ諸国の中でその年に推定であるが2番目に多く執行された国である。「+」が付いている場合は、その数値で比較していることに注意する。

ジンバブエでは2005年に死刑執行人が引退してから後任が決まらない状態が続き死刑が執行されておらず、2020年時点で収監中の死刑囚は88人に及ぶ[4]。2012年には候補者が選定されたものの承認を得られなかった。バージニア・マブヒザ (Virginia Mabhiza) 司法相によると、2017年の死刑執行人の求人では数ヶ月で50人以上の応募が集まったという。AFPの報道ではこの背景としてジンバブエの失業率の高さを挙げており、ある調査ではジンバブエの失業率は90%以上であったと報道した[79]。また、2020年時点でも死刑執行されていない。

南北アメリカ

死刑制度があるのは、アメリカ合衆国(連邦法と軍法と27州法)と中米のグアテマラ、キューバなど少数である。そのうちアメリカは先進国で最大の死刑執行数を記録しているが、多くの死刑執行はテキサス州で行われており、そのためアメリカのメディアが「死刑の格差」と報道しており、同州でこのような姿勢をニューヨーク・タイムズは「執行に対する住民の積極的な支持」、ロイター通信は「犯罪者に厳罰を科すことをいとわない『カウボーイ気質』のほか、一部で根強く残る人種差別意識がある」と報道した[80]。但し、2020年はコロナウイルス感染症流行の影響により、執行停止や執行の延期が相次いだことことによる執行の減少と、トランプ大統領の凶悪犯罪者に対する厳罰志向による連邦政府による死刑執行を17年振りに再会したことにより、連邦政府が最も多く執行した立法行政司法単位となった[4]

ラテンアメリカ(南米)諸国の傾向として、2019年末時点で61%の国(33カ国中20カ国)が一般犯罪に対する死刑を廃止し、45%の国(33カ国中15カ国)が完全な死刑を廃止している[5]。死刑制度存続国も、2008年12月19日セントクリストファー・ネイビスで妻を殺害した罪でチャールズ・エルロイ・ラプラスが絞首刑により執行されたのを最後に10年以上死刑を執行していない。

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国において最初にミシガン州で死刑が廃止されたのが1847年と、ヨーロッパの死刑廃止の歴史よりも古い。アメリカ合衆国において、死刑を廃止した州や地域は時代の進行とともに増加している。アメリカ合衆国は2021年4月時点で、50州、ワシントンD.C.、5自治領、連邦法、軍法、合計58の立法行政司法単位があり、そのうち2021年4月時点で、23州、ワシントンD.C.、5自治領、合計29の立法行政司法単位で法律上死刑が廃止され、27州、連邦、軍隊の合計29の立法行政司法単位で法律上死刑が定められている。

凶悪犯罪の少ない裕福なニューイングランド諸州や、裕福でこそないが治安が安定している北部内陸州において死刑が行われず、貧しい南部諸州では死刑執行数が多い傾向にある。全米では被告人に対する死刑の宣告ならびに死刑執行は減少傾向にあるが、テキサス州など死刑執行の盛んな地域もある。また、未成年に対する殺害を伴わない性犯罪の再犯者への死刑が適用される州法がサウスカロライナ州フロリダ州ルイジアナ州モンタナ州オクラホマ州の5州で成立したが、殺人を犯していない性犯罪者に対する死刑適用は過酷であり、憲法違反であると法学者から強く批判されていた。連邦最高裁は2008年6月25日にケネディ対ルイジアナ州事件で「非道な犯罪であっても、被害者が死んでいない事件で死刑を適用する法律は、残酷な刑罰であり合衆国憲法に違反し無効」という憲法違反判断を下している。そのため、この法律は見直された。

1990年以降の犯罪捜査でDNA鑑定が導入され、過去に有罪で死刑判決を受けた死刑囚の冤罪が明らかになり、特に2000年代後半以降では再審無罪になる例が多発している。1973年から2001年までにアメリカ国内では96名の死刑囚が釈放されており、特にフロリダ州では21人も釈放されている。同州では、5人の死刑執行が行われる間に2人が無罪放免になったという。

死刑の適用に際して経済的・人種的差別が存在しているとの指摘もある。これは、優秀で報酬の高い弁護士を雇用できるほどの経済力を持つ者が司法取引で減刑される一方で、比較的貧困層の多いアフリカ系アメリカ人に対する死刑の適用が人口比と比べて多いとの指摘がある。

オセアニア

オーストラリアニュージーランド共にいかなる場合も死刑を廃止している。ニュージーランドには死刑廃止後、復活させた事があったが、今日は死刑を非人道的として完全に廃止している。島嶼諸国も死刑廃止している。パプアニューギニアは10年以上死刑停止状態である。そのため、事実上死刑制度が存在しない。

各国別の死刑制度の現状については下記ボックスを参照。

死刑制度に関する議論

死刑および死刑制度については、人権冤罪の可能性、倫理的問題、またその有効性、妥当性、人類の尊厳など多くの観点から、全世界的な議論がなされている(詳細は死刑存廃問題を参照のこと)。議論には死刑廃止論死刑賛成論の両論が存在する。死刑制度を維持している国では在置論と呼ぶ、廃止している国では復活論と呼ぶ。もちろん死刑の廃止と復活は、世界中で史上何度も行われてきている。

近年では死刑は、前述のように「凶悪事件に対して威嚇力行使による犯罪抑止」、または「犯罪被害者遺族の権利として存置は必要である」と主張される場合がある。ただし前者の「犯罪抑止」としては、統計学および犯罪心理学的に死刑の有用性が証明されたものではなく、存在意義はむしろ社会規範維持のために必要とする法哲学的色彩が強い。後者の「被害者遺族の権利」としては家族が殺人にあったとしても、実際に死刑になる実行犯は情状酌量すべき事情のない動機かつ残虐な殺害方法で人を殺めた極少数[81]であることから、菊田幸一など死刑廃止論者から極限られた被害者遺族の権利を認めることに疑問があるとしている。また、いくら凶悪なる殺人行為であっても、その報復が生命を奪うことが果たして倫理的に許されるかという疑問も指摘されている。

また、死刑執行を停止しているロシア当局によるチェチェン独立派指導者の「殺害」などがあり、死刑制度の有無や執行の有無が、その国家の人権意識の高さと直接の関係はないとの主張も存在するが、死刑制度は民主国家では廃止され非民主国家で維持される傾向にある。地理的には、ヨーロッパ、そして南米の6カ国を除いた国々が、廃止している。ヨーロッパ諸国においてはベラルーシ以外死刑を行っている国はない(ロシアにおいては制度は存在するが執行は十年以上停止状態であるといわれる。チェチェンを参考のこと)。これは死刑制度がヨーロッパ連合が定めた欧州人権条約第3条に違反するとしているためである。リヒテンシュタインでは1987年に死刑が廃止されたが、最後の処刑が行われたのが1785年のことであり、事実上2世紀も前に廃止されていた。また、ベルギー1996年に死刑が廃止されたが最後に執行されたのは1950年であった。このように、死刑執行が事実上行われなくなって、長年経過した後に死刑制度も正式に廃止される場合が多い。

欧州議会の欧州審議会議員会議は2001年6月25日日本およびアメリカ合衆国に対して死刑囚の待遇改善および適用改善を要求する1253決議を可決した。この決議によれば日本は死刑の密行主義と過酷な拘禁状態が指摘され、アメリカは死刑適用に対する人種的経済的差別と、少年犯罪者および精神障害者に対する死刑執行が行われているとして、両国の行刑制度を非難するものであった。

通常犯罪における死刑が廃止されても、国家反逆罪ないし戦争犯罪によって死刑が行われる場合がある。例えばノルウェーのヴィドクン・クヴィスリングは1945年5月9日、連合国軍に逮捕され国民連合の指導者と共に大逆罪で裁判にかけられ、銃殺刑に処せられた。ノルウェーでは、この裁判のためだけに特別に銃殺刑を復活(通常犯罪の死刑は1905年に廃止されている)した。また同様にイスラエルナチスによるホロコーストに関与したアドルフ・アイヒマンを処刑するため、死刑制度がないにもかかわらず(戦争犯罪として適用除外されたともいえる)死刑を宣告し執行した。

中東とアフリカとアジアにおいては総じて死刑制度が維持されている。冷戦時代は総じて民主国家が廃止、独裁国家が維持していたが、現在では冷戦崩壊後の民主化と大量虐殺の反省により東欧と南米が廃止、アジアおよび中東とアフリカの一部が民主化後も維持している状態である。またイスラム教徒が多数を占める国では、イスラーム法を名目とした死刑制度が維持されているが、トルコのようにヨーロッパ連合への加盟を目指すために廃止した国や、ブルネイのように1957年以降死刑執行が行われていないため事実上廃止の状態の国もある。

残虐性の有無

死刑自体が究極の身体刑であると主張される一方、「火あぶり」、「磔」など苦痛を伴う残虐な方法による死刑のみが究極の身体刑であると主張されることもある。また、苦痛を与えることを目的としない死刑は拷問に当たらないとされる。実際に中国で行われている頭部への銃殺刑は、被執行者が「確実に」即死するため、苦痛がないといわれている。しかし、これは実証されておらず、無論既に死んでいる被執行者に確認を取ることもできないので実証は非常に困難であると思われる。

日本で行われている絞首刑では、実際に見学した人物の証言[82]では、死刑囚の遺体からが飛び出しており、から血液嘔吐物が流れ出しており、下半身から排泄物が垂れ流しになっていたという。この描写は、米国サンクェンティン刑務所長が自身が立ち会った絞首刑について「顔から、ロープのために肉がもぎ取られ、首が半ばちぎれ、眼が飛び出し、舌が垂れ下がった」とか、尿失禁、便失禁、出血もあったとする著者の記述に一致する[83]。一方で1994年12月に死刑執行された元死刑囚の遺体を引き取った遺族が法医学教室の協力で検証した実例[82] では、気道をロープで一気に塞がれたことにより、意識が消失して縊死した可能性が高いとされている。しかし、オーストリア法医学会会長ヴァルテル・ラブル博士は、絞首刑を執行された者が瞬時に意識を失うことはまれで、最低でも5〜8秒、長ければ2〜3分間意識が保たれると述べている[84]

なお死刑存置国であるアメリカ合衆国では、日本で行われている絞首刑を非人道的であるとして廃止している州がほとんどで、2018年末の時点で絞首刑が認可されているのは、3州を残すのみとなっている。しかも、この3州においても、薬殺刑が主流で、受刑者が望んだとき、あるいは、薬殺刑が執行できないときのみ絞首刑が選択される[85]。実際のアメリカの絞首刑執行数も、1977年以降2020年9月までの死刑執行数1526件のうちの3件のみであり、1996年1月25日デラウェア州ビリー・ベイリーの執行を最後に行われていない[86]。これは、絞首刑には失敗があるためである。絞首刑を執行された者は意識を保ったままで苦しんだり、首が切断されることもある。米国で1622年から2002年までに合法的に行われた絞首刑で少なくとも170件の失敗があったとされる[87]。たとえば1901年に死刑が執行されたトーマス・エドワード・ケッチャムはロープが長すぎたため、首がちぎれてしまい絞首刑の写真として販売された。この例以外でも、米国、英国、カナダ、オーストラリアなどで、絞首刑における首の切断が起こっている[88]。最近では、2007年1月15日にイラク・バグダッドで処刑されたサダム・フセインの異父弟バルザン・イブラヒム・アル=ティクリティ(バルザーン・イブラーヒーム・ハサン)の例がある[89]。また、日本でも、1883年明治16年)7月6日小野澤おとわという人物の絞首刑執行の際に、「刑台の踏板を外すと均(ひと)しくおとわの体は首を縊(くく)りて一(いちじょう)余(よ)の高き処(ところ)よりズドンと釣り下りし処、同人の肥満にて身体(からだ)の重かりし故か釣り下る機会(はずみ)に首が半分ほど引き切れたれば血潮が四方あたりへ迸(ほとばし)り、五分間ほどにて全く絶命した」[90]「絞縄(しめなわ)のくい入りてとれざる故、刃物を以て切断し直ににおさめ」[91]た事故が起こっていることが報道されている。

カナダでは、絞首刑において、1962年12月11日トロントのドン刑務所でほぼ首が切断されてしまったアーサー・ルーカスの執行を最後として絞首刑が廃止された。ただし、この事故は長らく秘密とされ、カナダの絞首刑はこの事故とは無関係に廃止された[92]。一方で、このような首の切断の危険性によって絞首刑が廃止された例もある。アリゾナ州はエヴァ・デュガンの首の切断で1933年に絞首刑をガス室に変更した[93]。また、アメリカの法律雑誌では死刑存置国ながら日本が行う絞首刑を「非人道的」と非難する論文が掲載されている。そのため絞首刑に代わる「人道的執行方法」としてガス室や電気椅子が導入されたが、現在では薬物投与による安楽死、すなわち薬殺刑が新たな処刑方法として採用されており、他の死刑存置国においても一部採用されている。

そのため日本でも絞首刑には短期間ながらもそれなりの苦痛が伴うとして、アメリカ合衆国で採用されている薬物などによる薬物注射による薬殺刑が適当な死刑執行方法であるとする主張[94]が存在する。ただし、その薬殺刑についても異常な刑罰との訴訟があったが、アメリカ連邦最高裁は2008年4月に憲法に反しないとの判断を下している。しかしその後、使用する薬物の提供を欧州などのメーカー側が拒否されたため、代替薬物としてミダゾラムなどによる混合薬物が使われるようになったものの、死刑執行の失敗とみられる事例が相次ぎ、オクラホマ州の死刑囚らで作る原告団により最高裁の判断を仰いだ。アメリカ連邦最高裁は、執行に使用される鎮静剤ミダゾラムに「激痛をもたらす大きな危険性」があることを原告団が示せなかったと判断し、「残酷で異常な刑罰」を禁じた憲法には違反していないとの見方を示し、2015年6月に再び合憲と判決した[95]

日本で絞首刑の残虐性が本格的に争われた裁判はいくつか存在するが[96][97][98][99]、いずれも「絞首刑は憲法36条にいう残虐な刑罰ではない」との最高裁判所の確定判決死刑制度合憲判決事件)が出ている。

宗教界

死刑をテーマにした作品

脚注

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参考文献

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  • ヴァルテル・ラブル、後藤貞人、前田裕司、渡邉良平『絞首刑は残虐な刑罰ではないのか』(現代人文社)
  • 向江璋悦『死刑廃止論の研究』(法学書院)

関連項目

外部リンク


 

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