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🌏|TSMC、6月末までに自動車用半導体の需要に対応可能=劉会長


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TSMC、6月末までに自動車用半導体の需要に対応可能=劉会長

 
内容をざっくり書くと
特に自動車向け半導体のサプライチェーンは長く、複雑だ。
 

[台北 3日 ロイター] – 半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、6月末までに… →このまま続きを読む

 ロイター


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サプライチェーン・マネジメント

サプライ・チェーン・マネジメント: supply chain management、SCM)、供給連鎖管理(きょうきゅうれんさかんり)とは、物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメント手法である。なお、この場合の「複数の企業間」とは旧来の親会社・子会社のような企業グループ内での関係に留まらず、対等な企業間で構築される物流システムもサプライ・チェーン・マネジメントと呼ばれる[1]。しかし、実際には企業間の取引は対等であると限らず、現実と理論との乖離があり、その隙間(gap)分析が重要になる。また、サプライチェーンが顧客に届くまでの複数企業間の流れであるのに対して、バリュー・チェーンは一企業内の業務の流れを指す。

米国の英語版による定義では

「価値提供活動の初めから終わりまで、つまり原材料の供給者から最終需要者に至る全過程の個々の業務プロセスを、一つのビジネスプロセスとしてとらえ直し、企業や組織の壁を越えてプロセスの全体最適化を継続的に行い、製品・サービスの顧客付加価値を高め、企業に高収益をもたらす戦略的な経営管理手法」

とされている[2]

概要

サプライチェーン・マネジメントを考える場合には、インバウンドとアウトバウンドのサプライチェーンを区別する場合が多い。 インバウンドとアウトバウンドの定義は経営主体となる特定の企業の立場にたって見たときに、その企業と客との間の物流管理と在庫管理をアウトバウンドSCMと呼び、その企業の社内における半製品・素材の加工およびサプライヤーとの生産・物流・在庫の管理をインバウンドSCMと呼ぶ。

サプライチェーンの管理方式は、客からの注文をどの業務プロセスに引当てるか(注文対応形態、CODP Customer Order Decoupling Point)の違いから、いくつかのパターンに分類される。

在庫販売

顧客が在庫を見て注文する(Ship to Stock)STS

見込生産

見込で生産した在庫に顧客が注文する(Make to Stock)MTS

受注組立

顧客注文により最終の組み立てをする(Assemble to Order)ATO 

受注仕様組立

顧客の注文した内容に従った仕様で構成管理(コンフュグレーション)をして納入する(Configure to Order)CTO

受注加工組立

顧客注文後に加工組み立てをして納入する(Build to Order)BTO

受注生産

顧客注文後に原材料調達をし生産納入する(Make to Order)MTO

受注設計生産

顧客の注文に従い設計し生産納入する(Engineer to Order)ETO

などがある。

サプライチェーン構築においては、加工工程などの製造装置の特性、需要特性などが大きく影響する。サプライチェーンがどのような産業上にあるか、例えば、素材産業、組立産業、流通小売業などの産業別で、サプライチェーンの一般的なモデルをパターン化することができる。

  • 素材産業では、原材料を投入すると、加工装置の末端からは数種類の製品が派生的に生成される形態を持つ。サプライチェーンを管理するための主要な管理ポイントは、利益率の高い製品の加工生成を優先する生産配分機能にある。
  • 組立産業では、材料の投入から最終組立まで、組立ラインやセル生産方式などが採用され同期一貫生産された生産形態を持つ。サプライチェーンを管理するための主要な管理ポイントは、完成品のライン・オフまたは梱包出荷の順序を、客の優先度、緊急度に合致させて生産活動を行う点にある。
  • 流通小売産業では、流通在庫の管理が検討対象となり、小売POSの消費情報と流通上の在庫量とのPSI管理[3]、つまり仕入・在庫・販売の物の管理、生産側との同期化、PSI情報の共有等が決め手となる。

以上はあくまで、一般論であり、企業間競争が激化する昨今では、特定の産業が持つサプライチェーンの常識にとらわれずに、短納期化を推進することで、競合他社との差別化をはかる動きが顕著になっている。

 1980年代頃から中間在庫をどのプロセスで持つかで、企業のビジネスモデルを分類したりする経営理論が流行した。デルは部品の段階で在庫を持ち、顧客の注文に応じた組立てを行うことで、不良在庫を減らし顧客満足度を向上して大成功した。デルのこのSCMを上述のように「build to order」(BTO)という。今ではBTOはほとんどのパソコンメーカーで行われている。 現在、製造業ではSCMによるビジネスモデルの構築は常識となっている。

 グローバルSCMでは、上記の素材~組立~流通~小売のサプライチェーンを同期化させて、グローバルレベルでのオペレーションの同期化を図る取り組みが進んでいる。古くは、自動車産業の部品サプライヤー間でのグローバルSCMにはじまり、2000年代に入ってからは自動車以外の製造業のグローバル・プレーヤーがSCM構築に取り組んでいる。例えば、東南アジアの部品サプライヤー=>中国の完成メーカー=>欧州小売店舗といったグローバルSCMを、Global Weekly PSI(週次の定期発注の在庫管理方式)で同期化する取組みが進み、サプライチェーン内の在庫(原材料間材、完成品)を高速回転させる仕組みが定着している。

 ここで、Global Weekly PSI構築の考慮点としては、原材料から最終消費までのリードタイムが比較的長いことがあげられる。例えば、東南アジアの部材が、中国で最終組立されて、欧州の店舗にとどくまでに、船便であれば10週間前後のリードタイムがかかるケースがある。このため、PSI計画の運用では、最終消費の需要の読み(=Sの値の置き方)と、在庫の高さ(=Iの在庫日数)の設定方法、リードタイムをずらした後の原材料や完成品の生産ポジション、供給量(=Pの値の算出)の決定をPSI計画上でシミュレーションすることで、実際のSCMオペレーションの最適化を図る取り組みが一般的である。

 SCMの構築は、経営者の観点からはROAの改善を目的として、インバウンドSCMにおける在庫削減に取り組むケースや、客向けの短納期対応を目的として、アウトバウンドSCMにおける即納体制の整備に取り組むケースなどがある。こうしたSCM構築の取組みの多くは、必ずしも特定のソリューション・パッケージの導入で問題が解決するものではない。むしろ、経営目標にあわせた仮説検証型の現状業務の分析を通して、将来にわたって企業活動の競争優位を確保するために、業務プロセスのあるべき姿を定義するところからスタートすることが一般的といえよう。

SCM構築を成功させる上では、企業活動における業務プロセス上のイノベーションを実現するための取組み課題を適切に抽出し、課題定義することができるか否かが重要なチェックポイントとなる。言い換えれば、SCMを中心テーマとして業務改革、意識改革、組織改革といった企業活動を取り巻く経営環境や企業文化に踏み込んで、業務遂行上の課題を的確に把握し、新たなビジネス・モデルの設計と新規業務プロセスへの移行を着実に実施することがSCM構築において重要である。 例えば、中国の企業においてもビジネス・モデルが競争優位の源泉になるという考え方が徐々に浸透しつつあり、デザイナーをイタリアから雇用し、デザイン重視の商品企画を行うとともに、短納期の受注生産システムで在庫ロスを最小限に抑えた業務プロセスを設計・運用するといったことがもはや常識となりつつある。

歴史

  • 1983年 ブーズ・アレン・ハミルトン(コンサルティング会社)が初めて「サプライチェーン・マネジメント」という言葉を用いる。
  • 1996年 米国において業種業態の違いを越えてサプライチェーンプロセスを記述、評価するための共通言語としてのサプライチェーン運用参照モデルSCORを開発、普及する目的で、サプライチェーンカウンシル(SCC)がNPO法人として設立された。その後、欧州、日本、豪州、中南米、中国、東南アジア、南アフリカに支部が開設され、2007年12月時点では800強の会員組織で構成されている。
  • 1998年 米国業界団体 Council of Logistics Management(CLM)が、前年にクーパー等が書いた論文に従い、「ロジスティクスをサプライチェーン・マネジメントの一部である」としロジスティクスの定義を見直す。

プロセス

サプライチェーンカウンシル (SCC) はSCORモデルを開発した際、SCMの行程をプラン[4]、ソース[5]、メイク[6]、デリバー[7]、リターン[8]に分類した。以下は各行程の目的である。

  1. プラン: シーシング、生産、配送を最適化するために諸活動を計画し、需要と供給をバランスさせること。
  2. ソース: 計画あるいは実需要に応えるためにモノやサービスを購買すること。
  3. メイク: 計画あるいは実需要に応えるために原材料、仕掛品を製品に変えること。
  4. デリバリー: 計画あるいは実需要に応えるために製品を提供すること。通常、受注マネジメント、配送[9]マネジメント、流通[10]マネジメントを含む。
  5. リターン: 諸事由により返却された製品を受領すること。配送後の顧客サポートをも含む。

またLambert等 (1997)[11] の研究者グループは、サプライチェーン・マネジメントのプロセスとして以下8項目を並べ、現場の課題でありリサーチの必要があるとしている。

  1. 顧客リレーションマネジメント[12]
  2. 顧客サービスマネジメント[13]
  3. デマンドマネジメント[14]
  4. オーダーフルフィルメント[15]
  5. 生産フローマネジメント[16]
  6. サプライヤーリレーションシップマネジメント[17]
  7. 製品開発とコマーシャリゼーション[18]
  8. リターンマネジメント[19]

SCMソフトウェア、SCMサービスを提供する企業

SCMという概念は購買調達の場におけるコンピュータシステム利用による単一企業を超えた情報管理により誕生した。軍事用途学術用途に限られていたインターネット技術が一般に利用がひろがり、企業がイントラネットとして社内用途に使用し、さらにエクストラネットとして企業間に用いるようになり、そして、購買調達業務がエクストラネットを足場として社内システム(イントラネット)と結び付きシステム化されこれがサプライチェーンマネジメントという概念で呼ばれるようになった。

こうしたコンピュータシステムは一から作成するので時間が掛かる。そのため、あるテンプレート(雛形)を元に構築するようになった。(これは購買調達業務に限られる話ではないが。)このようなテンプレートをベースに業務システムを構築できるようなソフトウェアをパッケージと呼んでいる。こうしたパッケージを、特に業務用途のパッケージにて業務課題解決(ソリューション)するものという意味でソリューションパッケージと呼ぶようになった。

脚注

  1. ^ 拓海広志『ビジュアルでわかる船と海運のはなし(改訂増補版)』、成山堂書店、2007年、181ページ
  2. ^ 石川和幸 『なぜ日本の製造業は儲からないのか』 東洋経済新報社、2009年、104頁。ISBN 978-4-492-76182-3 
  3. ^ : purchase-sales-inventory
  4. ^ : plan
  5. ^ : source
  6. ^ : make
  7. ^ : deliver
  8. ^ : return
  9. ^ : transportation
  10. ^ : distribution
  11. ^ Cooper, M.C., Lambert, D.M., & Pagh, J. (1997) Supply Chain Management: More Than a New Name for Logistics. The International Journal of Logistics Management Vol 8を出版
  12. ^ : customer relationship management
  13. ^ : customer service managemen
  14. ^ : Demand management
  15. ^ : Order fulfillment
  16. ^ : Manufacturing flow management
  17. ^ : Supplier relationship management
  18. ^ : Product development and commercialization
  19. ^ : Returns management

参考文献

  • 知念肇「新時代SCM論」白桃書房 2006年
  • ジーン ティンドール「市場をリードする「業務優位性」戦略―実践サプライチェーン」 入江 仁之訳、ダイヤモンド社、1999年。
  • 高橋邦芳「グローバル競争に勝つSCM」http://www.asprova.jp/scm/globalscm.html
  • 石川和幸「図解 なるほど!これでわかった よくわかるこれからのSCM」同文館 2010年 
  • 石川和幸「SCM経営を「見える化」で成功させる実務」中経出版 2008年
  • 石川和幸「図解SCMのすべてがわかる本」日本実業出版社 2008年
  • 石川和幸「だからあなたの会社のSCMは失敗する」 日刊工業新聞社 2008年
  • 『ビジュアルでわかる船と海運のはなし(改訂増補版)』、成山堂書店、2007年
  • 森田道也『サプライチェーンの原理と経営』、新世社、2004年6月
  • J・ガトーナ 『サプライチェーン戦略 Best solution』 前田 健蔵・田村 誠一訳、東洋経済新報社、1999年。
  • 近藤敬「成功するeサプライチェーンマネジメント」ISBN 4408104612
  • 近藤敬「サプライチェーン理論と戦略」 ISBN 4478372616

関連項目

外部リンク

半導体

半導体(はんどうたい、: semiconductor[1]とは、電気伝導性の良い金属などの導体(良導体)と電気抵抗率の大きい絶縁体(不導体)の中間的な抵抗率をもつ物質を言う[2]。代表的なものとしては元素半導体のケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、化合物半導体のヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)などがある。

半導体集積回路のような半導体素子は半導体の工学的な利用例である[3]

概要

金属などの導体とゴムなどの絶縁体の中間の抵抗率を持つ物質を半導体(semiconductor)と呼ぶ。半導体は不純物の導入や磁場電圧電流放射線などの影響でその導電性が顕著に変わるという特徴を持つ[4]が、これらの特徴は固体のバンド理論によって説明される。

なお、バンド理論を用いれば、半導体とは、価電子帯を埋める電子の状態は完全に詰まっている(充満帯である)ものの、禁制帯を挟んで、伝導帯を埋める電子の状態は存在しない(空帯である)物質として定義される[5]

非オーム性抵抗(non-ohmic effect)

一般的に、抵抗は電流と電圧に関して比例的な関係を満たす、すなわちオームの法則が成り立つことからオーム性抵抗(ohmic resistance)と呼ばれる[6]。一方、電気回路においては、非オーム性抵抗素子はオーム性抵抗素子に劣らず重要である。

半導体が重要視される性質の一つは、半導体と金属、または半導体同士を適当に接触させることでさまざまな非オーム性抵抗が得られることにある[7]

具体的には、p型半導体とn型半導体をpn接合したダイオードや、n型半導体をp型半導体で挟んだ、もしくはp型半導体をn型半導体で挟んだトランジスタなどがある。太陽電池もpn接合を用いている。

熱電効果(thermoelectric effect)

半導体では通常、温度が上がると電気伝導性が増す。

室温では、キャリアが不純物原子から受ける束縛を離れて結晶中を動ける状態にある。言い方を変えれば、ドナーとアクセプターの原子は多くがイオン化しているが、温度が低下すると熱励起も弱くなり、不純物原子のクーロン引力による束縛の影響が相対的に大きくなる。キャリアが束縛を離れている温度の領域を飽和領域、あるいは出払い領域といい、キャリアが束縛を受ける温度領域を不純物領域という。また、温度を上昇させると価電子までもが熱励起され、キャリアの供給源となり、この温度領域を真性領域と呼ぶ。半導体素子として利用する場合は飽和領域が利用される。

逆バイアスされたpn接合などにおいて温度が上がりすぎると、キャリアの増加で電流が増加し、その抵抗発熱でさらに温度が上がる熱暴走が発生する。

材料

半導体となる材料には以下のものがある。

半導体の型

不純物や格子欠陥を全く含まない半導体を真性半導体(intrinsic semiconductor)と呼ぶ。真性半導体は、そのフェルミ準位禁制帯の中央に位置し、全温度領域においてキャリアは価電子帯のエネルギーレベルにある電子の励起によってのみ供給されることから、電子回路に用いるような半導体素子としては使い難い。

半導体素子として用いることができるような半導体は、真性半導体にドーパントと呼ばれる微量の添加物を混ぜて不純物半導体とする(ドープする)ことで作成する。このドープによって、半導体のキャリアである電子または正孔の密度が変化することとなるが、伝導現象を支配するキャリアとして電子が優勢である半導体をn型半導体(negative semiconductor)、逆に正孔が優勢なものをp型半導体(positive semiconductor)と呼ぶ。このような優勢なキャリアを多数キャリア(majority carrier)、逆に劣勢なキャリアを少数キャリア(minority carrier)と呼ぶ。n型半導体での多数キャリアは電子、少数キャリアは正孔である。p型半導体での多数キャリアは正孔、少数キャリアは電子である。 なお、p型半導体やn型半導体はドーピングしなければ作れないというわけではない。カーボンナノチューブはP型半導体として知られている。

n 型半導体(negative semiconductor)

n型半導体(negative semiconductor)とは、電圧がかけられると伝導電子や自由電子、ほとんど自由な電子とも呼ばれる電子の移動によって電荷が運ばれる半導体である。価数の多い元素をドーピングすることで作られる。例えばシリコンゲルマニウム(4価の元素)の結晶に、ヒ素などの5価の原子を混ぜることでn型となる。

不純物の導入によって生成されたキャリアは、導入された不純物原子から受けるクーロン引力により束縛される。ただしその束縛は弱く、ゲルマニウムのn型半導体では、電子束縛エネルギー = -0.01 eV、ボーア半径 = 4.2 nm 程度であるため、結晶内の原子間距離 0.25 nm、室温での熱励起は約 0.025 eV 程度では単独原子の束縛を離れて結晶の原子同士間を自由に動き、これらの原子は互いの電子を共有する状態となる。 バンド構造で言えば通常、ドーパント原子は禁制帯の上端付近にドナー準位を形成し、そこから熱エネルギーにて伝導帯へ励起される。フェルミ準位は禁制帯中のドナー準位に近い位置になる。

p 型半導体(positive semiconductor)

電圧がかけられると正孔の移動によって電荷が運ばれる半導体である。価数の少ない元素をドーピングすることで作られる。例えばシリコン(4価)の結晶にホウ素などの3価の原子を混ぜることでp型となる。

電子が伝導帯側に遷移して価電子帯側の電子が不足することで生じる電子軌道上の空隙が正孔となる。結晶の原子同士間の自由電子が隣の正孔に移動することで正孔の位置は自由に移動でき、 電圧に応じて電子とは逆方向へ流れる。移動度は電子に比べて劣る。バンド構造で言えば、ドーパント原子は禁制帯の下端付近にアクセプター準位と呼ばれる空の準位を形成し、アクセプター準位へ価電子帯から熱エネルギーによって価電子が励起されることで、価電子帯に正孔が生じる。フェルミ準位は禁制帯中のアクセプター準位に近い位置になる。

歴史

1821年にトーマス・ゼーベックは半導体の特性の一つである熱電変換効果を発見した。

1839年にマイケル・ファラデー硫化銀を加熱すると導電性が増し、冷やすと伝導性が低下する現象を発見した[8]

1839年にアレクサンドル・エドモン・ベクレルは薄い塩化銀で覆われた白金の電極を電解液に浸したものに光を照射時に電流が生じる光電効果を発見した。

1873年にウィロビー・スミスは光を照射するとセレンの電気抵抗が低下する事を発見した[9]

1874年にフェルディナント・ブラウンは硫化金属の伝導性と整流作用を観測したが、この効果は1835年に既にM.A. RosenscholdがAnnalen der Physik und Chemieに記述しており[10][11]アーサー・シュスターは電線の表面の酸化銅の被膜に整流作用があることを発見していた。

1876年にAdamsとDayはセレンの光電効果を観測した[12]

これらの事象を説明するためには20世紀前半の固体物理学の理論の構築を必要とした。

1878年にエドウィン・ホールは磁場のない時には等電位の部分が、磁場を印加すると電位差(ホール電圧)を生じるホール効果を発見した。

半導体を使用した素子は当初は理論が確立する前だったので手探りで製造された。

1880年にアレクサンダー・グラハム・ベルセレンの感光特性を光線電話に使用した。

1883年に低効率で作動する太陽電池はCharles Frittsによってセレンを塗布して金メッキを施した金属板を使用して製造された。これは1930年代以降、露出計として1970年代まで市販された[13]

1897年にジョゼフ・ジョン・トムソンによって電子が発見された。

1904年に硫化鉛製の高周波の点接触検波器の整流素子はジャガディッシュ・チャンドラ・ボースによって天然の方鉛鉱を使用した鉱石検波器として製造された。これは初期の鉱石ラジオに使用されて普及した。しかし、当時は作動の原理が不明で改良の方法も不明だった。

1906年にH.J. Roundは炭化珪素の結晶に電流を印加すると発光する現象を観測した。これは発光ダイオードの原型だった。

1922年にオレク・ロシェフも類似の現象を観測したが、当時はこの効果を実用化することができなかった。酸化銅セレンを使用した電力整流器は1920年代に開発され、真空管整流器が普及するまで商業的に重要だった[12][13]

1922年にオレク・ロシェフは2接点式の負性抵抗増幅器を無線のために開発したが、彼はレニングラード包囲戦の犠牲になった。

第二次世界大戦前に赤外線の検出と光無線通信を目的とした素子が硫化鉛との材料で研究された。これらの素子は船舶航空機熱紋の捕捉と音声通話のために使用された。

およそ4000 MHz以上の周波数帯域では当時入手可能だった真空管では機能しなかったので点接触鉱石検波器マイクロ波帯域を使用するレーダーの受信装置で使用された。戦争中には検波器を開発するために適した高純度のシリコン材料を製造するための研究開発が進められた[13]

検波器と電力整流器には信号の増幅は不可能だった。半導体増幅器の開発に多くの労力が費やされたが半導体材料への理論的な限界により失敗した[13]

1926年にJulius Edgar Lilienfeldは近代的な電界効果トランジスタの特許を取得したが、当時は実現しなかった[14]

1930年代には理論的には半導体による増幅器の出現はある程度予想されていたものの、実験の結果は芳しくなかった。これは当時の半導体の純度が低かったためで、半導体増幅器を実現するためには1950年代のゾーンメルト法の開発を待たなければならなかった。

1935年にO.Heilは半導体抵抗を面電極によって制御するMOSFETに類似の素子の特許を出願した。半導体(Te2、I2、Co2O3、V2O5 等)の両端に電極を取付け、その半導体上面に制御用電極を半導体ときわめて接近するが互いに接触しないように配置してこの電位を変化して半導体の抵抗を変化させることにより、増幅された信号を外部回路に取り出す素子だった。R. HilschとR. W. Pohlは1938年にKBr結晶とPt電極で形成した整流器のKBr結晶内に格子電極を埋め込んだ真空管の制御電極の構造を使用した素子構造で、このデバイスで初めて制御電極(格子電極として結晶内に埋め込んだ電極)に流した電流0.02 mA に対して陽極電流の変化0.4 mAの増幅を確認している。このデバイスは電子流の他にイオン電流の寄与もあって、素子の遮断周波数が1 Hz程度で実用上は低すぎた[15][13]

1938年にベル研究所ウィリアム・ショックレーとA. Holdenは半導体増幅器の開発に着手した。

1941年頃に最初のシリコン内のpn接合Russell Ohlによって発見された。

1947年11月17日から1947年12月23日にかけてベル研究所ゲルマニウムトランジスタの実験を試み、1947年12月16日に増幅作用が確認された[15]。増幅作用の発見から1週間後の1947年12月23日がベル研究所の公式発明日となる。特許出願は、1948年2月26日にウェスタン・エレクトリック社によってジョン・バーディーンウォルター・ブラッテンの名前で出願された[16]。同年6月30日に新聞で発表された[15]。この素子の名称はTransfer Resistorの略称で、社内で公募され、キャリアの注入でエミッターからコレクターへ電荷が移動する電流駆動型デバイスが入力と出力の間の転送(transfer)する抵抗(resistor)であることから、J.R.Pierseが「trans-sistor」としたことに由来する[15]

第二次世界大戦中にレーダーの開発に従事したドイツ人技術者のHerbert MataréとHeinrich Welker達が戦後にフランスウェスティングハウスの子会社に勤務して半導体の機能の研究を進めており[17]ゲルマニウム上で点接触の電極間での増幅作用を観測していた。ベル研究所が"トランジスタ"を発表後、まもなくMataréのグループは彼らの"Transistron"増幅器を発表した[18][19]

1948年6月26日にウィリアム・ショックレーバイポーラトランジスタの特許を出願した[20]

日本国内ではトランジスタの開発のニュースが1948年中頃に伝わり、1948年10月には東北大学の渡辺寧、東京大学の久保、電気試験所東芝日本電気日立などの研究者によるトランジスタ勉強会がスタートした。この勉強会は1949年4月には日本電子機械工業会(EIAJ)の文部省研究費によるトランシスタ研究連絡会に発展した[21]。1948年11月には日本電気小林正次によって無線と実験誌に日本で最初のトランジスタに関する解説記事が掲載された[22]。続いて日本物理学会誌の1949年7-8月号に東京大学の山下次郎、澁谷元一による解説論文が発表された[23]。この時点では、バイポーラトランジスタの動作原理は日米ともにまだ完全には理解されていなかった。

1950年4月3日には東京工業大学で開催された日本物理学会分科会で、トランジスタに関する日本で最初のシンポジウムが開催され、電気試験所から分割された逓信省電気通信研究所の岩瀬、浅川は、高純度ゲルマニウム単結晶を使用した点接触型トランジスタの試作、動作確認に日本で初めて成功した[21]

1952年5月7日に集積回路の原型はイギリスのレーダー科学者英語版によって概念が発表されたものの、当時は製造技術が未熟で実現には至らなかった。その後、テキサス・インスツルメンツジャック・キルビーによって「Miniaturized electronic circuits」は1959年2月に出願され、1964年6月にアメリカ合衆国特許第3,138,743号が登録された。フェアチャイルドセミコンダクターロバート・ノイスの考案した「Semiconductor device-and-lead structure」は1959年7月に出願され、1961年4月にアメリカ合衆国特許第2,981,877号が登録された。

1954年1月に神戸工業(現在の富士通テン)から合金接合型のゲルマニウムトランジスタが発売され、同年7月にはソニーから成長接合型ゲルマニウムトランジスタが発売された[24]成長接合型トランジスタの不良品を調査する過程で江崎玲於奈によってエサキダイオードが開発された[25][26]

1959年にはフェアチャイルド・セミコンダクタープレーナー技術が開発された[27][28]。プレーナー技術は後に集積回路で使用される。

1960年代の初頭にはウェスティングハウスが当時、テキサスインスツルメンツ(TI)、フェアチャイルドとは独立して「Molectronics」という名称の集積回路の開発を進めていて1960年2月にSemiconductor Product誌に掲載された記事に触発されて電気試験所でも同年12月に見方次第ではマルチチップ構造のハイブリッドICともいえるゲルマニウムのペレット3個を約1 cm角の樹脂容器に平行に配列した集積回路の試作に成功した[29][30]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ なお、「半導体」の名称は、英語 "semiconductor" の "semi-" =「半分」と "conductor" =「導体」に基づいたものである。
  2. ^ シャイヴ(1961) p.9
  3. ^ 半導体は産業のコメと例えられるように、重要な産業応用の需要がある。
  4. ^ バンド理論によれば、これらは適切な幅の禁制帯を持つバンド構造に由来し、電子伝導電子になったり価電子になったりすることで、電気的・光学的・熱的などの面で性質が変化する。
  5. ^ 通常、半導体として扱われる物質のバンドギャップは、シリコンで約1.1 eVゲルマニウムで約0.67 eV、ヒ化ガリウム化合物半導体で約1.4 eVである。発光ダイオードなどではもっと広いものも使われ、リン化ガリウムでは約2.3 eV、窒化ガリウムでは約3.4 eVである。現在では、ダイヤモンドで5.27 eV、窒化アルミニウムで5.9 eVの発光ダイオードが報告されている。ダイヤモンドは絶縁体として扱われることがあるが、実際には前述のようにダイヤモンドはバンドギャップの大きい半導体であり、窒化アルミニウム等と共にワイドバンドギャップ半導体と総称される。
  6. ^ シャイヴ(1961) p.16
  7. ^ シャイヴ(1961) p.16
  8. ^ “半導体の歴史 その1 19世紀 トランジスタ誕生までの電気・電子技術革新” (PDF), SEAJ Journal 7 (115), (2008), http://floadia.com/column/semi_2.pdf 
  9. ^ この現象は後に電子写真で応用される事になる。
  10. ^ Peter Robin Morris (1990). A History of the World Semiconductor Industry. IET. p. 12. ISBN 9780863412271 
  11. ^ M.A. Rosenschold (1835). Annalen der Physik und Chemie. 35. J.A. Barth. p. 46. 
  12. ^ a b Lidia Łukasiak & Andrzej Jakubowski (January 2010). “History of Semiconductors”. Journal of Telecommunication and Information Technology: 3. http://www.nit.eu/czasopisma/JTIT/2010/1/3.pdf. 
  13. ^ a b c d e Peter Robin Morris (1990). A History of the World Semiconductor Industry. IET. p. 11–25. ISBN 0-86341-227-0 
  14. ^ アメリカ合衆国特許第1,745,175号
  15. ^ a b c d “半導体の歴史 その5 20世紀前半 トランジスターの誕生” (PDF), SEAJ Journal 3 (119): 12-19, (2009), http://floadia.com/column/semi_6.pdf 
  16. ^ アメリカ合衆国特許第2,524,035号
  17. ^ アメリカ合衆国特許第2,552,052号
  18. ^ FR 1010427 
  19. ^ アメリカ合衆国特許第2,673,948号
  20. ^ アメリカ合衆国特許第2,569,347号
  21. ^ a b 1950年 日本初トランジスタ動作確認(電気通信研究所), http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi340.htm 
  22. ^ 小林正次「TRANSISTORとは何か」『無線と実験』、誠文堂新光社、1948年11月号。
  23. ^ 山下次郎,澁谷元一、「トランジスター: 結晶三極管.」 日本物理学会誌 1949年 4巻 4号 p.152-158, doi:10.11316/butsuri1946.4.152
  24. ^ 1954年 日本で初めてゲルマニウムトランジスタの販売開始, http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi310.html 
  25. ^ 1957年 エサキダイオード発明, http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi302.htm 
  26. ^ 江崎玲於奈トンネルデバイスから超格子へとナノ量子構造研究に懸けた半世紀 (PDF) 」 『半導体シニア協会ニューズレター』第61巻、2009年4月。
  27. ^ 1959年 プレーナ技術 発明(Fairchild), http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi305.htm 
  28. ^ アメリカ合衆国特許第3,025,589号
  29. ^ 米誌に触発された電試グループ, http://www.shmj.or.jp/shimura/ssis_shimura2_06.htm 
  30. ^ 固体回路の一試作 昭和36(1961)年電気四学会連合大会, http://www.shmj.or.jp/shimura/shimura_J_L/shimura2_06_3L.jpg 

関連項目

参考文献

  • 大脇健一、有住徹弥『トランジスタとその応用』電波技術社、1955年3月。 - 日本で最初のトランジスタの書籍
  • J.N.シャイヴ『半導体工学』神山 雅英, 小林 秋男, 青木 昌治, 川路 紳治(共訳)、岩波書店、1961年。
  • 川村 肇『半導体の物理』槇書店〈新物理学進歩シリーズ3〉、1966年。
  • 久保 脩治『トランジスタ・集積回路の技術史』オーム社、1989年。

外部リンク


 

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