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🐈|公共交通に愛着を 猫キャラと法被制作 高岡 地域おこし協力隊の尹さん 


写真 両肩にマスコットキャラクターをあしらった法被を着る尹さん

公共交通に愛着を 猫キャラと法被制作 高岡 地域おこし協力隊の尹さん 

 
内容をざっくり書くと
猫は「公共交通を自由自在に操ることができる」という設定で、ポケットには路面電車・万葉線のアイトラムと路線バスのおもちゃを忍ばせた。
 

高岡市初の地域おこし協力隊員として活動する韓国・釜山出身の尹俊赫(ユンジュンヒョク)さん(27)は、… →このまま続きを読む

 北日本新聞

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万葉線MLRV1000形電車

万葉線MLRV1000形電車(まんようせんMLRV1000がたでんしゃ)は、万葉線株式会社が保有する路面電車車両である。2車体連接・2台車方式の超低床電車で、「アイトラム」 (AI-TRAM) の愛称を持つ。形式名は単に「1000形」とも表記される。

万葉線株式会社が運営する万葉線(高岡軌道線新湊港線)で使用される。営業運転の開始は2004年(平成16年)1月。2009年(平成21年)までに6編成(6両)が導入された。2012年(平成24年)からは、6編成のうち1編成がドラえもんのキャラクターを車体内外に描いた「ドラえもんトラム」として運行されている。

導入までの経緯

万葉線株式会社が運営する高岡軌道線新湊港線(あわせて「万葉線」と称する)は、富山県高岡市射水市(旧新湊市)を結ぶ約13キロメートルの軌道・鉄道路線である[1]。高岡市内区間の大部分が道路上を走る併用軌道であるという特徴を持つ[1]

万葉線は1970年代以来乗客の減少が続き経営が厳しく、国からの欠損補助や沿線自治体からの支援によって存続しているという状況であり、1990年代末には同線を運営してきた加越能鉄道(2012年加越能バスへ改称)から廃止・バス転換の方針が出されていた[1]。廃止方針に対して沿線の高岡・新湊両市では、万葉線は住民の生活路線であり都市の個性の象徴でもあるなどと路線の存在意義を認めて第三セクター方針による路線存続を決定[1]。これを受けて2001年(平成13年)に受け皿となる万葉線株式会社が市や県、沿線企業・団体などの出資によって設立され、翌2002年(平成14年)4月、万葉線は加越能鉄道より新会社に引き継がれた[1]

万葉線株式会社が加越能鉄道より引き継いだ電車は、デ7000形・デ7060形・デ7070形の計11両であった[2]。ところがこれらの車両はいずれも1961年(昭和36年)から1967年(昭和42年)までに製造されたもので、当時老朽化が進んでいた上に冷房装置の搭載がなかった[1]。このことから会社では新型車両の導入を決定し[1]、2002年10月23日、新潟鐵工所(当時。鉄道車両部門は翌年新潟トランシスとなる)が製造する超低床電車の導入を発表した[3]。こうした過程を経て導入された車両がMLRV1000形である。導入に際して国からの近代化設備整備費補助金の交付や富山県、高岡・新湊両市からの援助を受けている[4]

車体・主要機器

車種と車両コンセプト

MLRV1000形は、新潟トランシスの製造による2車体2台車式・100%低床構造の超低床電車である[5]

新潟トランシスによる超低床電車製造は、前身の旧新潟鐵工所時代にさかのぼる[6]。日本への超低床車導入を目指す同社は、ドイツAEG(当時、後に再編によりアドトランツを経て現・ボンバルディア[6])と業務提携し、AEGの製造する超低床車「ブレーメン形」を日本市場へ導入することとなった[7]。導入方法は、新潟鐵工所がAEGに代わって日本仕様の車体を設計・製作し、AEGから量産品の電機品・台車を輸入しそれらを車体に艤装して車両を製造する、というものである[7]車軸のない独立車輪を用いることで低床化を実現するという特徴を持ち、1997年(平成9年)に熊本市交通局へ納入された9700形がこの車両の導入第1号となった[6]

熊本に続いて2002年(平成14年)に岡山電気軌道へ納入された9200形では、アドトランツが新開発した超低床電車シリーズ「インチェントロ」の車体デザインを取り入れることにより、車体が丸みを帯びたものに変更された[8]。以後新潟トランシスが製造する超低床車は「ブレーメン形」の足回りに「インチェントロ」の車体を組み合わせた仕様が標準となっており、これら2形式に続く新潟トランシス製超低床電車となったMLRV1000形もこの仕様で製造されている[8]

車両導入決定後の2003年(平成15年)1月より、万葉線株式会社では地元高岡市と縁の深い工業デザイナーの佐藤康三に委嘱して車両のトータルデザインの開発・監理を行い、同年9月1日に最終デザインを決定した[9]。独自性を打ち出し他都市の車両との差別化を図るべく車両のコンセプトは「情熱」「元気」とされ[9]、このコンセプトに基づき基本デザインに対して内外装あわせて84か所を変更している[4]

車体

MLRV1000形は2車体を連接した車両であり、パンタグラフを置く越ノ潟駅側の車両を「A車」、反対側の高岡駅側の車両を「B車」と称する[5]。車体は耐久性と保守性への考慮から耐候性鋼板 (SPA) 製で、ほかにステンレス鋼板を屋根と床板に[10]ガラス繊維強化プラスチック (GRP) を前頭部に用いる[5]。車体塗装は基本色に、アクセントのラインにグレー、グラフィックデザインにを採用する[9]

前頭部には4つの前照灯が並ぶ。2007年に登場した第3編成以降はそのうち内側の2灯にHIDランプを採用する[11]尾灯パッシングウィンカーの機能を併せ持つ[5]。また地場産業の活用として、先頭部分に高岡市の伝統工芸螺鈿細工による万葉線のシンボルマークを埋め込んでいる[9]

連結部分を除いた各車の全長は8.74メートルで、編成の全長は18.4メートルである[5]。車体の最大幅は2.4メートル、車体の高さ(パンタグラフ折りたたみ高さ)は3.745メートル、自重は21トン[5]

車内

100%低床構造の超低床車であり、車内通路部分におけるレール上面から床面までの高さは36センチメートルで、乗降口部分ではさらに低い30センチメートルとなっている[10]。内装は白を基調とした明るい配色とされ[5]、座席のモケット鶯色[5]、2008年に登場した第4編成以降は青色を採用する[11]

ドアは電動スライド・両開き式のプラグドア(有効幅1.25メートル)を片側2か所ずつ計4か所に設置する[10]。配置は左右非対称・点対称で、進行方向に向って左側では各車の前寄り、右側では後ろ寄りにある[10]。列車の運行時間が長く座席定員を確保する必要があることから、先の岡山電気軌道9200形とは異なってドアが片側2か所とされた[3]

編成の定員は80人[10]。座席定員は30人で岡山電気軌道9200形に比べて6席増加した[5]。編成図によると、車体中央部および運転台後部にクロスシート、連結部側ドアの反対側にロングシートを配する[10]。座席の幅は広く取られており公称の座席定員以上の着席が可能である[10]。運転台後部は車椅子スペースでもあり、この部分の座席は折りたたみ式となっている[10]

台車・床下機器

台車は各車中央部に1台ずつ、車輪同士を繋ぐ車軸を省いた独立車輪4輪からなるボルスタレス式ボギー台車を配する[10]。台車枠・車体間の枕ばねおよび車輪・台車枠間の軸ばねにはゴムばねを使用(軸ばねにはコイルばねも併用)し、車輪にはゴムを挟み込んだ弾性車輪を用いる[5]。車輪を台車枠に対して保持する軸箱支持方式はスイングアーム式と呼ばれるもの[10]。車輪直径は660ミリメートル[10]。車輪は連結部寄りが動輪、先頭部寄りが従輪であるが、動輪だけで駆動力・ブレーキ力双方をまかなうことから、枕ばねの取り付け位置を連結部寄り(=動輪側)にずらして粘着力(車輪とレールとの間にはたらく摩擦力)を確保する[10]

主電動機は出力100キロワットかご形三相誘導電動機(形式名:BAZu3650/4.6[12])を搭載[10]。台車ではなく車体の座席下に装荷されており、駆動力は主電動機から自在継手(ユニバーサルジョイント)、推進軸(スプライン軸)、台車のかさ歯車、2段減速平歯車装置という経路で片側の動輪に伝わり、さらに駆動軸(ねじり軸)を介して反対側の動輪へと伝えられる[10]車体装荷式直角カルダン軸駆動方式)。

台車はボンバルディア製で[5]ドイツからの輸入品である[13]。ただしメーカーの新潟トランシスが2007年(平成19年)にボンバルディアより技術供与を受けてライセンス生産によって台車を自社生産する体制を整えており[14]、2009年導入の最終増備車(第5・第6編成)については同時期の熊本市交通局0800形とともに台車を国内生産として輸入品を主電動機などの一部機器に限定している[15]

ブレーキは、主電動機を用いる電気ブレーキ(回生発電併用)があり、これで8キロメートル毎時まで減速し、それ以降は機械ブレーキであるばね作用・油圧緩め式のディスクブレーキが作動して停止する[10]。ディスクの取り付け位置は台車ではなく主電動機の出力軸である[10]。これらが常用ブレーキで、ほかにも別系統で蓄電池駆動の電磁吸着ブレーキ(トラックブレーキ)を保安ブレーキとして備えており、各台車に2組ずつ機器を設置する[10]。また制動距離確保のため砂まき装置を装備しており、適宜手動で砂を散布できるほか、滑走時や非常ブレーキ・保安ブレーキ使用時には自動的に散布するようになっている[10]

設計最高速度は70キロメートル毎時である[5]

屋上機器

A車の屋根上には集電装置主制御装置など、B車の屋根上には蓄電池や補助電源装置などをそれぞれ配置し、各車屋根上に冷房装置を設置する[10]

集電装置はシングルアーム式パンタグラフで、ばねの力で上昇し、電動機で下降するタイプである[10]。主電動機への供給電力を制御する主制御装置はPWM制御IGBT素子によるVVVFインバータ制御方式であり、冗長性を高めるため2群のインバータを搭載し1群のインバータにつき主電動機1基を制御する(1C1M方式)[10]。主制御装置は三菱電機[10](形式名:MAP-102-60VD118[12])。補助電源装置はIGBT素子による静止形インバータ (SIV) である[5][10]

運転台関連機器

マスター・コントローラーは右手扱いのワンハンドル式を採用する[10]

車体のバックミラーは車外確認用の小型カメラで代用されており、その映像は運転台左右に配置された車外モニターに表示される[10]。運転席のモニターは他にも車内モニターがあり、運転士は後方車両に取り付けられたカメラからの映像も確認できる[10]

運行開始と増備

第1・第2編成の導入と愛称設定

MLRV1000形の第1編成 (MLRV1001) は、2003年(平成15年)12月12日、高岡市内にある万葉線株式会社米島車庫に搬入された[16]。竣工は12月14日付[17]。車両価格は2億2,000万円である[4]。営業運転開始に先立ち2004年(平成16年)1月17日に高岡市長の佐藤孝志をはじめとする富山県や沿線自治体の招待者約160人による試乗会が行われ[18]、翌18日には公募で集まった市民約150人による試乗会も開催されている[19]。営業運転は1月21日より開始され、当日は米島車庫での発車式ののち、高岡駅前発越ノ潟行きの列車より営業に投入された[20]

営業運転開始後同年3月に万葉線株式会社は車両愛称を公募し、5月7日、県内外からの計893点の応募の中から「アイトラム (AI-TRAM)」を愛称に採用すると発表した[21]。同社によると、愛称は富山湾から吹く風「あいの風」に、英語で路面電車を意味する「トラム」を組み合わせたもので、加えて「アイ」には「愛される」に通じ愛着を持って利用してほしいとの思いを込めている、と述べている[21]

2004年8月2日、第1編成と内外装ともに同一仕様の第2編成 (MLRV1002) が米島車庫に搬入された[22]。竣工は8月6日[23]。車両価格は第1編成と同じく2億2,000万円である[22]。翌7日に米島車庫前で発車式が開催され、運転が開始された[24]

2004年10月には、MLRV1000形は日本デザイン振興会の「グッドデザイン賞」を受賞した(2004年度、受賞番号:04A11056)[25]

脱線事故による運休

MLRV1000形は運転開始当初よりトラブルが相次いだ。

まず第1編成については、営業運転から1か月に満たない2004年2月11日に米島口停留場の分岐器で脱線した[13]。これは路面凍結防止剤の影響でスリップしたためですぐに原因が判明して当日には運行を再開している[13]。第2編成についてはより深刻で、出発式から一夜明けた同年8月8日に早速中新湊 - 東新湊間で脱線事故を起こした[13]。脱線原因は不明とされ、第1編成とともに運休の措置が採られた[13]

事故後の試験走行の結果、異常が見られないことから1か月半後の9月30日にMLRV1000形は営業運転に復帰した[13]。ところが復帰当日、第2編成が本丸会館停留場付近で再び脱線事故を起こしてしまい、両編成そろって再度運行から外された[13]

9月の事故後の調査では、脱線原因はドイツ製台車のバックゲージ(車輪の内面間の距離)が在来車よりも10ミリメートル広くなっている点にあるのではないかと推定された[13]。バックゲージが異なることで、在来車の運行によって分岐器部分に生じていた溝とかみ合わなかったことが原因ではないか、というものである[26]。このためバックゲージを1,000ミリメートルから在来車と同じ990ミリメートルに修正することになり[13]、在来車と同型の車輪をドイツから輸入の上、設備が整う富山地方鉄道稲荷町テクニカルセンター富山市)にて交換作業を実施した[26]。交換作業は12月24日に終了[13]。30日より車両の試運転を始め、並行して分岐器の接触面を一部削る、急カーブ地点6か所に脱線防止ガードなどを新設する、といった線路の改良工事を進めた[27]

800キロメートルに及ぶ試運転の結果安全面に問題がないと確認されたことから、2005年(平成17年)3月13日より5か月半ぶりに第1編成・第2編成ともに営業運転が再開された[28]。一連の脱線事故に関し、万葉線株式会社から車両メーカーの新潟トランシスに対し損害賠償請求が起こされたが、同年9月21日に示談が成立。新潟トランシス側は万葉線株式会社に対して賠償金325万円(内訳は復旧作業などにからむ人件費、代替バスの借り上げ費用、検査費および解決金)を支払い、定期的に取り替えが必要な車両の消耗部品類130万円相当を無償提供することとなった[29]

2019年1月30日にも新吉久停留場付近にて脱線。試運転であったため乗客は居なかったが、翌日まで不通となった[30]

第3 - 第6編成の導入

当初のMLRV1000形の導入計画では、2003年度と2004年度に1編成ずつ、2005・2006年度に2編成ずつ導入し合計6本とする予定であったが[3]、実際には第3編成以降は2006年度から2009年度にかけての導入となった。その第3編成 (MLRV1003) は2006年(平成18年)12月20日付で竣工[31]2007年(平成19年)3月19日のダイヤ改正にあわせて米島車庫前で出発式が開かれ営業運転を開始した[32]

続く第4編成 (MLRV1004) は2008年(平成20年)1月31日付で竣工[33]。同年3月19日に出発式を行って同日より営業運転を開始した[34]

第5編成 (MLRV1005) および第6編成 (MLRV1006) は、そろって2009年(平成21年)3月25日付で竣工した[35]。同年4月16日に両編成の出発式が開催され、同日より営業運転に開始したことで、MLRV1000形は導入計画通り6編成がそろった[36]。この最終増備によって4月18日のダイヤ改正後からは、日曜日はすべての列車を、それ以外の曜日は6運用中5本の列車をこのMLRV1000形で運行できるようになった[37]

MLRV1000形の導入により旧型車の廃車が進み、加越能鉄道から万葉線株式会社が引き継いだ3形式(デ7000形・デ7060形・デ7070形)計11両のうちデ7000形・デ7060形は全廃された[11]。2011年4月時点では、万葉線の車両はMLRV1000形6編成に対し旧型車はデ7070形のみが5両残る、という体制となっている[11]

ドラえもんトラム

2012年(平成24年)より、MLRV1000形のうち1編成を充てて、藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』のキャラクターを車内外に描いたラッピング電車「ドラえもんトラム」が運転されている。

この「ドラえもんトラム」は、万葉線の沿線高岡市が藤子・F・不二雄の出身地であることから市と高岡商工会議所、万葉線株式会社からなる実行委員会によって企画され、漫画の主人公ドラえもんの生誕(2112年9月3日)100年前を記念して2012年(平成24年)9月8日より運転を開始した[38]。同車両の車体は本来の赤色からドラえもんをイメージした青色をベースに赤ラインが1本入ったデザインに、内装も同様に青基調に変更され、車内外各所にキャラクターが描かれている[38]。また、ドア部分はどこでもドアを模したデザインのピンク色とされている。

運行は当初2013年(平成25年)8月末までの1年間の予定であったが、国内外から観光客を集めて「ドラえもんトラム」の乗客だけで同年5月に10万人を突破したことから、2015年(平成27年)8月末まで2年間の運行期間延長が決まった[39]。期限の2015年8月には運行期間の2018年(平成30年)8月末までの再延長が決まり[38]、2018年7月には引き続き国内外からの集客に効果があるとしてさらに3年間(2021年(令和3年)まで)の延長が発表された[40]

「ドラえもんトラム」は2012年の運行開始当初は第5編成 (MLRV1005) によって運転されていた[41]が、検査の関係で2013年7月から車両が変わり[42]、第2編成 (MLRV1002) で運行されるようになった[43]。さらに2016年(平成28年)4月からは、同じく車両検査の都合で第4編成 (MLRV1004) が新たに3代目の「ドラえもんトラム」になっている[43]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g 服部重敬「都市交通新世紀6 万葉線」
  2. ^ 「万葉線超低床車MLRV1000形の概要(上)」46-48頁
  3. ^ a b c 「RAILWAY TOPICS 万葉線がドイツタイプの超低床車導入」
  4. ^ a b c 平澤崇「万葉線に元気を 新型超低床電車MLRV1000デビュー」
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m 「万葉線超低床車MLRV1000形の概要(上)」
  6. ^ a b c 堀切邦生「特集・リトルダンサーと日本の超低床車」6-7頁
  7. ^ a b 大野真一「日本における低床式路面電車の導入について」32-33頁
  8. ^ a b 「特集・リトルダンサーと日本の超低床車」19頁
  9. ^ a b c d 「RAILWAY TOPICS 万葉線の超低床車 真赤のデザイン決定」
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 「万葉線超低床車MLRV1000形の概要(下)」
  11. ^ a b c d 室哲雄「日本の路面電車各社局現況 万葉線」
  12. ^ a b 「鉄道車両年鑑2004年版」189頁
  13. ^ a b c d e f g h i j 「RAILWAY TOPICS 脱線事故の万葉線「アイトラム」試運転を継続中」
  14. ^ 「石播系、加社とライセンス契約、新型路面電車を一貫生産」『日本経済新聞』2007年1月17日付朝刊
  15. ^ 「RAILWAY TOPICS 熊本市電に新型超低床電車0800形が登場」
  16. ^ 「真っ赤な欧風車両 高岡市・万葉線に搬入 超低床 1月21日から営業運転」『富山新聞』2003年12月13日付朝刊
  17. ^ 「鉄道車両年鑑2004年版」222頁
  18. ^ 「超低床車両、評価は上々『乗りやすい』『音静か』など 万葉線で試乗会、21日から営業」『北國・富山新聞』2004年1月18日付朝刊
  19. ^ 「公募の市民が新車両を楽しむ 万葉線で試乗会」『富山新聞』2004年1月19日付朝刊
  20. ^ 「活性化への願い乗せ 万葉線、新型車両が営業運行」『富山新聞』2004年1月22日付朝刊
  21. ^ a b 「『アイトラム』よろしく!万葉線新型車両の愛称決まる」『北日本新聞』2004年5月8日付朝刊
  22. ^ a b 「アイトラム2両目到着 万葉線 13日から通常通行」『北日本新聞』2004年8月3日付朝刊
  23. ^ 「鉄道車両年鑑2005年版」225頁
  24. ^ 「夢を乗せ2両目運行開始 高岡 万葉線アイトラム」『北日本新聞』2004年8月8日付朝刊
  25. ^ 2004年度グッドデザイン賞 万葉線超低床車両 [アイトラム MLRV1000 ]」(グッドデザイン賞公式サイト)、2016年10月4日閲覧
  26. ^ a b 「30日から試運転 万葉線新車両 車輪交換が完了」『北日本新聞』2004年12月25日付朝刊
  27. ^ 「13日に運転再開 万葉線のアイトラム 脱線から5カ月 当面午後のみ運行」『富山新聞』2005年3月11日付朝刊
  28. ^ 「『アイトラム』運行再開 万葉線 脱線から5ヵ月半ぶり」『北日本新聞』2005年3月14日付夕刊
  29. ^ 「損害賠償金は325万円 万葉線脱線 事故から1年ぶり、車両会社と示談成立」『富山新聞』2005年9月27日付朝刊
  30. ^ 万葉線 脱線箇所のレールを交換”. チューリップテレビ (2019年1月31日). 2019年3月19日閲覧。
  31. ^ 「鉄道車両年鑑2007年版」231頁
  32. ^ 「アイトラム3号発車! 万葉線 赤い車体沿線彩る 日中運行半分が新型に」『北日本新聞』2007年3月19日付朝刊
  33. ^ 「鉄道車両年鑑2008年版」252頁
  34. ^ 「赤い新車両、軽快運行 アイトラム4両目を導入 万葉線」『北日本新聞』2008年3月20日付朝刊
  35. ^ 「鉄道車両年鑑2009年版」225頁
  36. ^ 「アイトラム5、6号発車 万葉線 関係者ら祝う」『北日本新聞』2009年4月17日付朝刊
  37. ^ 「鉄道車両年鑑2009年版」124頁
  38. ^ a b c ドラえもんトラム」(高岡市公式サイト)、2016年10月4日閲覧
  39. ^ 清水省吾「再び生まれ変わる万葉線」
  40. ^ 「運行を3年間延長 万葉線「ドラえもんトラム」」『北日本新聞』2018年7月4日付
  41. ^ 「鉄道車両年鑑2013年版」119頁
  42. ^ 「鉄道車両年鑑2014年版」136頁
  43. ^ a b 「Topic Photos 万葉線『ドラえもんトラム』3代目登場」

参考文献

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    • 「Topic Photos 万葉線『ドラえもんトラム』3代目登場」『鉄道ピクトリアル』第66巻第9号(通巻921号)、電気車研究会、2016年9月、 105頁。
  • 「鉄道車両年鑑」(『鉄道ピクトリアル』臨時増刊号)各号
    • 「鉄道車両年鑑2004年版」『鉄道ピクトリアル』第54巻第10号(通巻753号)、電気車研究会、2004年10月。
    • 「鉄道車両年鑑2005年版」『鉄道ピクトリアル』第55巻第10号(通巻767号)、電気車研究会、2005年10月。
    • 「鉄道車両年鑑2007年版」『鉄道ピクトリアル』第57巻第10号(通巻795号)、電気車研究会、2007年10月。
    • 「鉄道車両年鑑2008年版」『鉄道ピクトリアル』第58巻第10号(通巻810号)、電気車研究会、2008年10月。
    • 「鉄道車両年鑑2009年版」『鉄道ピクトリアル』第59巻第10号(通巻825号)、電気車研究会、2009年10月。
    • 「鉄道車両年鑑2013年版」『鉄道ピクトリアル』第63巻第10号(通巻881号)、電気車研究会、2013年10月。
    • 「鉄道車両年鑑2014年版」『鉄道ピクトリアル』第64巻第10号(通巻896号)、電気車研究会、2014年10月。
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    • 平澤崇「万葉線に元気を 新型超低床電車MLRV1000デビュー」『鉄道ジャーナル』第38巻第4号(通巻450号)、鉄道ジャーナル社、2004年4月、 82-84頁。
    • 「RAILWAY TOPICS 脱線事故の万葉線「アイトラム」試運転を継続中」『鉄道ジャーナル』第39巻第4号(通巻462号)、鉄道ジャーナル社、2005年4月、 95頁。
    • 「RAILWAY TOPICS 熊本市電に新型超低床電車0800形が登場」『鉄道ジャーナル』第43巻第8号(通巻514号)、鉄道ジャーナル社、2009年8月、 135頁。
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    • 服部重敬「都市交通新世紀6 万葉線」『鉄道ファン』第43巻第9号(通巻626号)、交友社、2003年9月、 120-125頁。
  • 『鉄道車両と技術』各号
    • 大野真一「日本における低床式路面電車の導入について」『鉄道車両と技術』第5巻第5号(通巻46号)、レールアンドテック出版、1999年5月、 28-34頁。
    • 編集部「万葉線超低床車MLRV1000形の概要(上)」『鉄道車両と技術』第10巻第7号(通巻98号)、レールアンドテック出版、2004年7月、 46-49頁。
    • 編集部「万葉線超低床車MLRV1000形の概要(下)」『鉄道車両と技術』第10巻第9号(通巻100号)、レールアンドテック出版、2004年9月、 42-46頁。
  • 『路面電車EX』各号
    • 堀切邦生「特集・リトルダンサーと日本の超低床車」『路面電車EX』vol.03、イカロス出版、2014年5月、 3-20頁。
    • 清水省吾「再び生まれ変わる万葉線」『路面電車EX』vol.04、イカロス出版、2014年11月。

外部リンク

路面電車

路面電車(ろめんでんしゃ)は、主に道路上に敷設された軌道併用軌道)を用いる「路面鉄道」(: Tram、Tramway、Streetcar、: Straßenbahn)を走行する電車である。類似のシステムにライト・レール・トランジットトラムトレインゴムタイヤトラムなども存在する。

概要

路面鉄道とは主に都市内およびその近郊の道路上に敷設された鉄道で、比較的短距離の旅客輸送手段として利用される。道路上の安全地帯歩道から車両に乗降する、停留場の間隔が短いなどの特徴がある交通機関である。

普通鉄道と異なり、軌道は道路上に敷設される。専用軌道(日本の軌道法では新設軌道と呼称)を有する路線もあるほか、市街地では一部地下や高架で道路交通との分離を図った路線もある。

世界では約50か国の約400都市に存在し、ドイツロシアで特に発達している。欧米諸国では終端ループ線が用いられ、片ドア片運転台式の車両で運行している都市が多い。バリアフリーの観点から20世紀末以降は路面から乗降できることが再評価され、欧州中国を中心に整備や延長、新都市での開業が積極的に行われている。また欧州では公共交通機関として都市中心部の歩行者空間に乗り入れる形態も多い。

近代型の路面電車

日本(近代化路面電車)

1954年昭和29年)にアメリカで戦前に開発されていたPCCカーの技術導入による試用に続き、1956年(昭和31年)に普通鉄道の近代化電車の設計を取入れ、流線型スタイル軽量化構造直角カルダン駆動方式発電ブレーキを採用して高加減速度約5 km/h/secの日本型近代化路面電車が誕生したが、当時のモータリゼーションの伸張により自動車の多い道路との併用軌道では、その高性能を生かすのが困難となり、その後は車両コストが低廉な吊り掛け駆動方式による在来型の車両が製造された。

日本(次世代型路面電車 / LRT)

1980年(昭和55年)に日本鉄道技術協会の推進により、近代化路面電車を一層改善した新型の路面電車を軽快電車と名付けたが、一般には車両更新程度の認識しか広まらなかった。1990年代以降は、欧州における超低床車の普及により、路面電車の次世代化やアメリカや欧州のライトレールの動向に注目する動きがあった。そのため日本では次世代型路面電車を特に「ライトレール (LRT)」と呼ぶことが多い。1997年平成9年)、ドイツから台車と電気部品を輸入して組み立てられた熊本市交通局9700形電車導入以降、超低床車両を特徴とする路面電車の次世代化が進んだ。富山市の例に見られるように、欧米型のコンパクトシティ指向の街づくりと一体となった交通システムとして、路面電車の次世代化が一般に認識されつつあるといえる。

日本国外におけるライトレールトランジット(LRT)とは、概念がやや異なる。ライトレールの「概念」を参照。

日本では路面電車システムの「次世代性」が議論され下記のような特徴を指しているが、明確に定まったものではない。国土交通省ではこれをLRT (Light Rail Transit/次世代型路面電車システム)としている[1]

  • 都市計画・地域計画での位置付けなど政策的な裏づけ
  • 専用軌道センターリザベーション等による定時性の確保、および運行速度向上など速達性(ただし都心部では利便性向上のために併用軌道も可)
  • 既存交通との連携
  • 運賃収受制度の改良(プリペイドカード信用乗車方式の導入など)
  • 乗降の容易化(電車の超低床化、軌道・電停の改良など)
  • 快適性、静粛性、信頼性

路線の延伸や新設については日本の路面電車一覧を参照。超低床車両については超低床電車を参照。

富山ライトレール[注 1]は、JR西日本の旧富山港線を路面電車化[2]第三セクターが経営を引継いで2006年(平成18年)4月29日に開業。開業にあたり車両を全て次世代型路面電車に入れ替え、富山市の都市計画にも組み込まれるなど、これを日本における次世代型路面電車の第一号とみなす考えもある。イギリスでライトレールなどの情報をまとめている第三者団体、ライトレール交通協会 (Light Rail Transit Association: LRTA) では、併用軌道区間は市中心部の一部で、ほとんどが専用の鉄道区間へ直通していることから、トラムトレインに分類している[3]

LRTA は、日本の江ノ島電鉄広島電鉄宮島線筑豊電気鉄道京福電気鉄道(嵐電)、東急世田谷線阪堺電気軌道の6路線をライトレールに相当する鉄道として分類している。

ヨーロッパ

歴史

路面鉄道は元々は都市内の馬車鉄道として生まれ、1840年代に欧米各地に広がっていった。

その後、動力を馬以外にする試みが行われ、蒸気機関などもあったが、電気動力がもっとも普及した。これは1879年ドイツの電機会社、シーメンスベルリン博覧会デモンストレーション走行させたのがはじまりで、電気は3本目のレールから供給されていた。1881年にはベルリン郊外の英語版ドイツ語版で試験運行が開始され、1883年に定期運行が始まっている。

1881年には、同じくシーメンス社が、パリの電気博覧会で架空電車線方式を試み、1884年に登場したフランクフルトの路面電車で採用され、その後ヨーロッパ各地に広がっていった。

アメリカ合衆国では、電気軌道(路面電車)は1886年アラバマ州モントゴメリー[4]ペンシルベニア州スクラントン[5]に敷設されたのを皮切りに、各都市で普及してゆく。特に同国では、専用軌道化や運転速度の向上などシステムを高度化し都市と都市を結ぶインターアーバンにも発展し、1920年代に全盛期を迎えた。

しかし、同時にその頃、自家用車の普及に伴い、多くの都市で路面電車廃止の流れも始まった。1970年代初頭には、路面電車や郊外電車(インターアーバン)は全盛期の4割が廃止され、残存していた6割もゆっくりだがマンネリ化が進み、「世界最大の路面電車保有国」の地位をソビエト連邦(ロシア)に譲っている。

欧州の一部でも第二次世界大戦後までにこの流れでロンドンパリなどの都市で廃止された[注 2]。一方で、旧ソ連と東欧諸国、そして西ドイツでは、第二次世界大戦後も路面電車を活用した。

西ドイツでは、車の普及により、路面電車を導入していた都市の半数では廃止されたが、重要な都市内交通手段として位置づけ、連接電車の投入や運賃の収受に信用乗車方式を導入するなど、輸送力増強と生産性向上に努めた都市も多い。路線網の再構成も盛んに行われた。

また、郊外への路線延長を図る一方で、渋滞に影響されずに高速で走り、定時性を確保するため、専用軌道を確保し、都心部においてはさらに地下化を推進した。この方式はシュタットバーンと呼ばれている。 このシュタットバーンは新交通システムの開発で行き詰まっていたアメリカ合衆国に影響をあたえ、1970年代に入り、連邦交通省都市大量輸送局によってライトレール (LRT)という言葉が定義される。

フランスでは、1980年代後半より、上記の「シュタットバーン」や「ライトレール」化の流れではなく、路面電車に対する新たな取り組みが始まり、後に欧州大陸諸国にも広まった。日本では路面電車の次世代化などと呼ばれる。

架線を利用することなく蓄電池を積載した車両の開発・実用化が進められている[6]

語源

語源は、英語の「Tram」は低地ドイツ語の「Traam」に由来し[7]車軸を意味する。イギリスではブレコン・アンド・アバガヴァニー運河会社(The Brecknock and Abergavenny Canal)1798年10月17日の定款に「Tramroad」の言葉が初めて現れる。このトラムロードは鉄製のL字形軌条のことであり、「Tramway」とは鉱山鉄道や軽便鉄道を指した[8]。トラムウェイの語は1826年に初めて使用された。「tram-car」(トラムカー)の語は1873年から使用された[9]。現在欧州各国では「Tram」が使われることが多い。

ドイツ語Straßenbahnは、道路上の鉄道を意味するが、始めは馬車鉄道: Pferdebahn)を指していた。

北アメリカでの「Streetcar」の語はドイツ語から移されたもので1840年から使用されている[9]。しかし、電化が進むにつれ、「Trolley」や「Trolleycar」と呼ばれることも多くなった。この「トロリー」は「Troller」(転がる)に由来し、架空電車線から電力を取得する際に、集電装置先端の滑車が架線に沿って転がるため、このように呼ばれるようになった[10]

日本の路面電車

法令

日本においては、路面電車は軌道法の適用対象であり、鉄道事業法に基づく一般の鉄道とは明確に区別されている。都市計画法に定める都市施設の区分上、路面電車は都市計画道路のうちの「特殊街路」に分類される。

道路上の扱い

併用軌道上を運転する場合、軌道運転規則の規定に則って運転することが前提となる。

そのほか道路交通法では「路面電車」[注 3]を「レールにより運転する車」と定義している[11]ため、同法上、交通信号機[注 4]道路標識通行止め徐行一時停止などを含む[注 5]道路標示横断歩道等などを含む[注 6])、最高速度急ブレーキ禁止、車間距離保持、鉄道踏切通過時などの規制を受ける。軌道敷内の車両の通行、停留所での乗降者の保護、交差点における優先関係、緊急自動車の優先などを規定する。

事業

経営形態としては、地方自治体による地方公営企業交通局)、一般の私鉄と同じ純民間企業、第三セクター会社によるものがある。なお、が運営する「市電」が多数を占めるため、運営形態によらず路面電車は「市電」と呼ばれることが多い。

車両

車両は、ボギー車が原則であり、車長は約12mが一般的である。また、輸送力を増加させるために、2つまたは3つの車体に3つまたは4つの台車を履いた、車長が約18mまたは27mの連接車も一部において使用されている[注 7]

駆動方式は床下スペースの制約から長年にわたって構造が簡単で保守の容易な吊り掛け駆動方式が採用されてきたが、最近の車両では、直角カルダン駆動方式中空軸平行カルダン駆動方式TD平行カルダン駆動方式が採用されており、床下の駆動装置のスペースにさらなる制約がある超低床形路面電車においては、一部例外[注 8]を除いて車体装架カルダン駆動方式が採用されている。

制御方式は、運転台の直接制御器(ダイレクトコントローラー)により主回路を直接に切替えてモーターを制御する直接制御方式と、運転台の主幹制御器(マスター・コントローラー)により制御回路の指令線を切替え、主制御器を介してモーターの主回路を制御する間接制御方式による抵抗制御が長年採用されてきたが、最近の車両では、日本の電気鉄道での電車の制御方式として広く使用されているVVVFインバータ制御が採用されている[注 9]

一方で界磁チョッパ制御界磁添加励磁制御は採用例がなく、電機子チョッパ制御についても長崎電気軌道で2両導入されたにとどまった。ブレーキ方式は、運転台にあるブレーキ弁を開閉操作することにより、空気圧縮機で作られた圧縮空気を、供給空気ダメから直通管を介してブレーキシリンダーを加圧または減圧してブレーキ力を得る直通ブレーキが長年採用されてきたが、最近の車両では、日本の電気鉄道での電車のブレーキ方式として広く使用されている電気指令式ブレーキが採用されている。加速度は、約3km/h/secとしているが、現在では、約3-5km/h/secの高加減速の性能を持つ車両もある。なお、1960年代の札幌市電では非電化区間も存在していたため、路面気動車もごく少数ながら製作されていた。

軌道、レール

軌間は主に1067mmと1435mmが採用されているが、函館市電都電荒川線東急世田谷線は、馬車鉄道の軌間を踏襲した1372mmを採用している。

レールは道路の舗装に対する厚みとレールの負担荷重に対応できる、HT (High Tee) レールと車輪のフランジが通る輪縁路を設けた溝形レール又は溝形ガイドレールが採用されており、前者は直線区間で使用され、後者は曲線・分岐器で使用されている。また、HTレールを敷設する場合には、車輪のフランジが通る輪縁路を設ける必要がある。

レールと道路の路面とは同一構造であり高低差がないようにしている、軌道敷の舗装は、板石などを敷詰めたたわみ構造の舗装が多かったが、最近では鉄筋が入ったコンクリート、モルタル、アスファルト、コンクリート枕木ブロックを使用してメンテナンスフリーを目的とした剛質構造の舗装が採用されている。また、軌道敷の外側の部分では、車道に向かって約1/20の勾配が設けられており、降雨による雨水は車道に流れて排水されるが、水平になっている軌道敷のレールの間では、輪縁路に沿って雨水が溢れやすいため、軌道を横断する下水溝を一定間隔に設置して、輪縁路の雨水を道路の側溝に導くようにしている。

併用軌道においては、線路の位置は道路の中央を原則としている。その理由としては、道路での自動車通行の往復が区分される、路面の排水が容易である、街角での交通の混乱が避けられるなどの利点が上げられるが、乗降時の車道横断時での自動車との接触などの危険を伴う欠点がある。また、自動車の円滑な通行を行うため、左右にある車道の幅は2車線の5.5m以上としており、道路上に路面軌道を敷設する場合の道路の幅は、中央にある複線の軌道敷の幅5.5mとその左右にある2車線の道路幅5.5m×2=11mとさらに左右にある歩道幅を加えて20m以上が望ましいとされている。

曲線半径は道路との関係で小さく最小半径は18m程度となっており、道路の勾配を複雑にするため、曲線でのカントは設けられていない。勾配は道路によって左右されるが、本線での最急勾配は40‰、停留場での勾配は起動条件や安全のため10‰以下としている。

饋電

饋電きでん[注 10](送電方法)については、架線の電気は直流600Vを基本としており、架線は低速運転のため、直接吊架式を原則としているが、都市景観と架線の支持構成の簡易化により、架線の支持柱を複線の線路の間に設置する方式がとられている所がある。また、集電装置は、ビューゲルZ型パンタグラフが使用されているが、最近の車両では、シングルアーム式のパンタグラフが採用されている。

速度

最高速度が40km/hに抑えられているうえに信号待ちや乗降時間がかかるため、自転車よりも表定速度が低い路線も多い[12]

停留場など

停留場間隔は利便性を良くするため500m前後である。

また、利用者の安全のため、停留場には安全地帯の標識や安全防護設備を設置しているが、車道の幅の関係で設置されず、車道に白線が引かれ、それを囲むように青色や緑色で塗りつぶしただけの所もある。

信号

信号は軌道信号機と呼ばれており、運転士による視認により車両間隔を制御して保安を確保する運転のため、折り返しターミナル・分岐点・交差点など以外にはなく、交差点・分岐点・渡り線付近の架線にトロリーコンタクターを数個取付けて、分岐器の転轍機・電車信号・交通用信号を操作する。

また、広島電鉄では、交差点において電車の接近をトロリーコンタクターにより検知すると、交差点での青信号を延長する電車優先信号を設置して、電車の運転を円滑にしている[13]。また、単線区間では、鉄道での自動閉塞に似た運転と続行運転の両方ができるように、行き違いができる停車場に単線区間での車両数と進行方向を表示する信号が併設されている場合がある。

運行状況表示システム

各停留所などに設置されている車両検知器で電車の通過情報を収集把握することにより、次の停留所への接近通知や電車が連なって運転されるダンゴ運転防止ための運行間隔の調整に使用される[14]

路線

日本における導入構想・営業中・廃線の路面電車については、「日本の路面電車一覧」を参照のこと。

路面電車の日

1995年(平成7年)に広島市で開かれた第2回路面電車サミットにより、6月10日を路面電車の日に制定した。これは6=ろ(面)、10=英語でテン(車)という語呂合わせによる。路面電車の日には路面電車の利点をPRするためのキャンペーンやイベントが行われる。

「チンチン電車」という通称

「チンチン」という発車合図のベル音(都電荒川線7000形の車内にて録音)

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これには2つの説があり、1つは、通行人への警報のために、運転士が足で床下の鐘(フートゴング)を鳴らす音から来ており、もう1つは、車掌運転士にあるいは運転士が車掌に合図を送るために鳴らしていた(あるいはベル)の音に由来する。鐘の音は以下のような意味で使用されていた。

  • 走行中電車が停留場に近づいたとき「チン」と1回鳴らせば「降客があるため停車せよ」または「停車する」
  • 「チンチン」と2回鳴らせば「降客がないので通過しても良いか」または「良い」
  • さらに停車中に「チンチン」と2回鳴らした場合は「乗降がすんだので発車しても良いか」または「良い」
  • 「チンチンチンチン」と3回以上の連打は「直ちに停車せよ」または「停車する(非常停車)」

現在でも都電荒川線阪堺電気軌道の全車両(阪堺電気軌道はフートゴングのみで、501形1001形「堺トラム」、および1101形には装備されていない。)で発車時に聞くことができる。ただし現在は全列車が[注 11]ワンマン運転のため、上記で述べた車掌・運転士同士の連絡には用いられず、乗客に対する発車合図という位置付けである[15]。また、函館市企業局交通部で夏季に限って運行されている箱館ハイカラ號の他、とさでん交通の100形・590形・2000形以外の降車合図音で聞くことができ「維新号」でもこの鐘がとして使用されていた。阪堺電気軌道のモ161形161号「昭和40年代復元車」にも、使用されてはいないが再現してある。

戦後は、改造によりベルを連続音の電鈴やブザーに交換した車両や、ブザーのみで新製された車両が現れたが、吹鳴回数や伝達内容はベル時代のそれを踏襲している。現在も広島電鉄では、車体の長い連接車のツーマンで運行されるため、車掌と運転士の合図にブザーが使われている。2回続けて鳴らす発車合図という点では変わらないが、ブザーのため「ギッ、ギッ」という音である。

なお、路面電車以外では名古屋鉄道(ただし300系以降の車両は2打式ブザーに変更)や京阪電気鉄道阪急電鉄阪神電気鉄道近畿日本鉄道南海電気鉄道京都市営地下鉄烏丸線大阪市営地下鉄筑豊電気鉄道等でも、ワンマン運転路線を除きベル2連打による合図を残している。過去には神戸電鉄叡山電鉄などでも行っていた。特に路面電車発祥の会社が多い関西の路線に多い。関東でも、京成電鉄やそのグループである新京成電鉄および北総鉄道、また京成電鉄の乗務員が引き続き乗務する直通先の芝山鉄道では発車時にブザー2回、停車駅が近づいた時にブザー1回と、路面電車式の合図を行っている。

地域によっては音の違いから「カンコカンコ電車」という呼び名もあった。

路面電車関連用語

軌道運送高度化事業
日本の地域公共交通の活性化及び再生法の中で、超低床電車の導入およびLRTへの改良または新設を想定した整備事業の呼び名。
センターリザベーション
リザベーションとは、併用軌道の種別で、一般自動車が通常時軌道内に進入できない様、道路と軌道敷の境界部を視覚的、物理的に区切って線路を敷設した準専用軌道を指し、センターリザベーションはそれが道路の中央に敷設されている場合の呼称。軌道のみならずそれに乗り降りする駅施設(停留所)も道路の中央にあるため、利用時に道路の横断を免れないという欠点を持つが、日本の路面電車の大半が道路中央に軌道があって敷内進入禁止となっているのでこの形式である。一般車両は通行できないが、災害や事故など緊急車両は走行可能であることが専用軌道との決定的な違いである。
サイドリザベーション
サイドリザベーションは準専用軌道を道路の端に寄せて敷設し、歩道から直接軌道交通に乗降可能となるようしている場合の呼称。歩行者に絶対的な安全を保障する敷設法であるが、反面、路側に停車したい車両が制限を受けるため、タクシー荷役車両の多い繁華街では敬遠されがちである。日本でもそのようになっている区間はあったものの、敷設法としては普及していなかった[注 12]
近年徐々に需要が認められて採用される例が増えている。軌道が複線の場合、上下線をまとめて道路の片側に寄せるシングルサイドリザベーション(熊本・鹿児島の駅前等)と、上下線を道路の左右に振り分けて敷設するダブル(デュアル)サイドリザベーション札幌市電都心線の札幌駅前通など)の二種類がある。
札幌市電のササラ電車は雪を進行方向左側にしか跳ね飛ばせないため、投雪場所の無いこの区間は軌道下ロードヒーティングで対応している。
センターポール
センターリザベーションの路線において、上下線の軌道間に架線柱を立てる方式。道路脇の電柱や建物から架線を吊る方式(サイドポール(側柱)方式)に比べ景観が良くなる。鉄道線で採用の事例もある(山手線の大塚駅など)。かつて電柱が多くなかった時代は、その必要性から一般的だったが、道路脇の電柱が増えるに従いセンターポールはみられなくなっていた。しかし景観を重視したまちづくりが全国的に広がりを見せるにつれ、主要街路の電線・電柱とともに架線を吊るすワイヤー等の構造物が道路上空に張り巡らされていることが嫌われるようになり、すっきりした都市空間をとりもどす目的に合致したセンターポールの採用が徐々に増えている[注 13]。日本国内では、豊橋鉄道東田本線の駅前区間で、鹿児島市電および岡山電気軌道ではセンターリザベーション区間の大部分がセンターポール化されている。
サイドポール
サイドポールは日本の既存路面電車の大多数が採用してきた架線柱設置方式。主に道路両側の路側または歩車道境界線付近に架線柱を立てるかまたは建造物を利用し、街路を横断するワイヤーや鉄骨等による跨道構造物を設置、そこから軌道上空に架線を懸下する場合が大半である。ほかに、センターリザベーションの場合に軌道と道路の境界に架線柱を立てる方式もある。また、単線区間のシングルポールは全てサイドポールに含まれる。空中のワイヤーや構造物、また路側の柱状構造物の数が増えるため、街路の景観を圧迫する要因とみなされることが多く、時として路面電車の主たる欠点の一つとして導入や存続を否定する主因とされることもある。
たわみ構造軌道
路面が、交通荷重によるせん断力には抵抗するが、曲げ力には抵抗せずたわむ構造を指し、併用軌道の場合は砕石道床を有するもの(表面が板石舗装かアスファルト舗装かは問わない)が該当する[16]。砕石道床には一般の鉄道と同様に枕木を介してレールが敷設される。併用軌道において古くから採用されてきた構造。軌道敷内の自動車通行が増加すると荷重による軌道狂いなどの破壊が早く進行し、保線作業回数を増やして対応することが必要となる。
剛質構造軌道
路面が、交通荷重による曲げ力に対して強い抵抗力を有する構造を指し、併用軌道の場合は砕石道床がなく強固なコンクリート道床を有するものが該当する[16]。併用軌道上の自動車通行による軌道破壊の増加に対応して開発されたもので、路盤上に砕石道床は構築せずコンクリート舗装板を直接敷設し、レールは舗装板上に直接又はコンクリート枕木を介して二重弾性締結により取り付けられる[16]。その上にアスファルトなどによる舗装が施される。レール上の車両荷重はコンクリート舗装板により安定して分散されるため、レール自体の重軌条化の必要はない[16]。この構造の採用後も、自動車の重量増などにより軌道破壊が進行する例も生じ、剛質構造の中でもさらに連接ブロック構造などの改良が進められた。
パッセンジャーフロー
車両の扉を乗車専用と降車専用に分け、乗客がその間を移動する途中で運賃を支払う方式。最盛期の札幌市電では、2両編成の後部車両から乗車、運賃を支払ったあと前部車両から降りるようになっていた。
地表集電方式
"APS (Alimentation par le Sol) "の名称でアルストム社の子会社が開発した集電システムで、短いセグメントに区切った第三軌条を敷設し、電車が通過中のセグメントにだけ電気を通す方式。架線が不要なことから障害が少なくなる上に見栄えが良いという利点があり、フランスのボルドーで実用化された。
地中溝集電方式
暗渠集電方式、地中第三軌条方式、コンデュイット (conduit) 方式とも。線路の間に給電線を埋設し、車体下部から伸びた集電靴で集電を行う。ロンドンやニューヨークなど各地で用いられたが、1963年のワシントンD.C.を最後に姿を消した。
高速電車
路面電車に対し、路面電車ではない通常の電車(鉄道)を区別する際に使われる言葉。
都市高速鉄道
街路交差点での交通信号で停止せざるを得ない「路面電車」に対して、交通信号で停止しないように計画・設計された鉄道をいう。英語のrapid transitの訳語であり、「都市施設」のひとつとして都市計画法第11条第1項に規定されている。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 2020年2月22日付で富山地方鉄道に吸収合併
  2. ^ パリの路面電車は、2006年12月16日に再開業したが、その区間は戦前のものと全く異なり、関連性はない。
  3. ^ 前身法の道路交通取締法2条6項「軌道車」の概念を引き継いだもので、狭義の路面電車の意味合いではなく軌道法準拠したものを指している。
  4. ^ 警察官または交通巡視員による手信号を含む
  5. ^ 横断歩道、自転車横断帯、警笛鳴らせ、警笛区間も含む。
  6. ^ 横断歩道、自転車横断帯、停止禁止部分を含む。
  7. ^ 法令による最長は30m。
  8. ^ 直角中空軸積層ゴム駆動方式を採用した広島電鉄5000形電車およびWN継手式平行カルダンを採用した鹿児島市交通局7500形電車が該当。
  9. ^ 省エネルギー効果の高いVVVF制御は、日本国内で初めて実用化したものは熊本市交通局の路面電車である。
  10. ^ 「饋」が常用漢字外であるから「き電」と表記されることもある。
  11. ^ 6152号が現役だった頃には、東京都電車条例で上記の鳴らし方のルールが定められており、実際に使用していた。
  12. ^ 過去においては岡山市内を南北に貫く国道53号線共同溝工事の際、岡山電気軌道清輝橋線の軌道を一時的に路肩に移設させた事例がある。西村幸格『日本の都市と路面公共交通』学芸出版社、2006年12月30日、158頁。ISBN 4-7615-4078-8
  13. ^ 札幌市電の1994年(平成6年) 創成小学校前(現:資生館小学校前) - すすきの間の例がある

出典

  1. ^ LRTの導入支援:LRT(次世代型路面電車システム)とは(国土交通省)
  2. ^ 路面電車化支援のお願い」富山ライトレール株式会社
  3. ^ ライトレール交通協会 (Light Rail Transit Association : LRTA) による分類。
  4. ^ Charles J. Van Depoele Soylent Communications.
  5. ^ Marker Details: First Electric Cars. Pennsylvania Department of Community and Economic Development.
  6. ^ 次世代路面電車は「架線レス」 電池車両が商用段階に
  7. ^ Merriam-Webster's Collegiate Dictionary 2013年1月4日検索・閲覧
  8. ^ 鉄道ギネスブック 日本語版 p.8(1998年、イカロス出版)
  9. ^ a b Online Etymology Dictionary 2013年1月5日検索・閲覧
  10. ^ Middleton, William D. (1967). The Time of the Trolley, p. 60. Milwaukee: Kalmbach Publishing. ISBN 0-89024-013-2.
  11. ^ 道路交通法2条1項13号
  12. ^ 注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! | ローカル線・公共交通 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
  13. ^ 『鉄道工学ハンドブック』グランプリ出版 1995年 p310-p312
  14. ^ 『鉄道工学ハンドブック』グランプリ出版 1995年 p310-p312
  15. ^ 鉄道ピクトリアル614号「特集・東京都電」より。
  16. ^ a b c d 西村幸格 「路面電車の軌道構造」(『鉄道ジャーナル』1980年10月号(NO.164)pp.50-51掲載)

関連項目


 

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