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👶|困ったときの救世主! 助産師がおすすめする母乳にいいコンビニ飯


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困ったときの救世主! 助産師がおすすめする母乳にいいコンビニ飯

 
内容をざっくり書くと
雑穀米は、玄米、あわ、キビ、もち麦などを白米に混ぜ込んだもので、食物繊維やミネラル、ビタミン類も含まれています。
 

助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、母乳にいいコンビニごはんについてお話しています。炭… →このまま続きを読む

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食物繊維

食物繊維(しょくもつせんい)とは、人の消化酵素によって消化されにくい、食物に含まれている難消化性成分の総称である。その多くは植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分であるが、植物の貯蔵炭水化物の中にはグルコマンナンイヌリンの様に栄養学的には食物繊維としてふるまうものも少なくない。化学的には炭水化物のうちの多糖類であることが多い。

概要

従来は、消化されず役に立たないものとされてきた。後に有用性がわかってきたため、日本人の食事摂取基準で摂取する目標量が設定されている[1]。ただし、定義から明らかなように栄養素ではない。

ヒト消化管は自力ではデンプングリコーゲン以外の多くの多糖類を消化できないが、大腸内の腸内細菌が嫌気発酵することによって、短鎖脂肪酸メタン二酸化炭素水素などに分解される。短鎖脂肪酸の83%が酢酸プロピオン酸酪酸で占められ、産生比は60:20:20の割合である。産生された短鎖脂肪酸の大部分は大腸から吸収される。酢酸は宿主のエネルギー源となり、プロピオン酸は肝臓で糖新生の原料として利用され、酪酸は結腸細胞に優先的にエネルギー源として利用される[2]。食物繊維の大半がセルロースであり、人間のセルロース利用能力は意外に高く、粉末にしたセルロースであれば腸内細菌を介してほぼ100%分解利用されるとも言われている。デンプンは約4kcal/g のエネルギーを産生するが、食物繊維は腸内細菌による醗酵分解によってエネルギーを産生し、その値は一定でないが、有効エネルギーは0〜2kcal/gであると考えられている。また、食物繊維の望ましい摂取量は、成人男性で19g/日以上、成人女性で17g/日以上である[1]。食物繊維は、大腸内で腸内細菌によりヒトが吸収できる分解物に転換されることから、食後長時間を経てから体内にエネルギーとして吸収される特徴を持ち、エネルギー吸収の平準化に寄与している。大腸の機能は食物繊維の存在を前提としたものであり、これの不足は大腸の機能不全につながることになる。食物繊維をNSP[3](non‐starch polysaccharide、非デンプン性多糖類)と呼ぶこともある。

歴史

1918年、医師であるジョン・ハーヴェイ・ケロッグは『自家中毒』[4]という著書を出版し、腸内で細菌が未消化タンパク質から作る毒が健康を害するという自家中毒説をもとに、未消化の肉には細菌が繁殖しやすいが、食物繊維は腸を刺激して活発にさせるので毒が作られにくいという理由で菜食をすすめた[5]

しかし、一方で栄養学では「食べ物のカス」ともされ、長年役に立たないものと認識されていた。たとえば、栄養学の創設者である佐伯矩は、玄米は栄養が多いが未消化物が多いので消化吸収の効率が悪いなどとして、ある程度精白した米である七分搗き米をすすめていた[6]

1960年代の南アフリカのジョージ・オットル(George Oettle)が、食物繊維と大腸がんの関連の研究をしていた。1967年に、インドのマルホトラは食物繊維の摂取が多い場合、がんのリスクが減るという報告をしている[7]

1970年前後、バーキット[8]はオットルの研究を発展させランセットなどで研究報告[9][10]を行い、食物繊維が少ないと腸内の疾患のリスクが上がるだろうという説が広く知られるようになっていった。1975年にバーキットはトロウェル (Hugh Trowell)と共著で『精製炭水化物と病気-食物繊維の影響』[11]を出版し、精白していない穀物である全粒穀物の食物繊維が有益であると述べ、このことは科学的研究によって確認されていった[12]

日本では2000年の「第6次改定日本人の栄養所要量[13]」から摂取量について目標量が設定されている。

分類と種類

大きく (SDF : soluble dietary fiber)と (IDF : insoluble dietary fiber)に分けられる。粘性や発酵性で分類する場合もある。

水溶性/不溶性

水溶性食物繊維

(海藻に含まれる水溶性食物繊維)

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の特性をあわせ持つもの

粘性/非粘性

溶けるとゲル状となり栄養吸収をゆっくりとさせる。[17]

粘性食物繊維

非粘性食物繊維

  • セルロース
  • リグニン

発酵性/非発酵性

大腸内のバクテリアにより発酵され短鎖脂肪酸(SCFA)やガス(おなら)が産生される。[17]

発酵性食物繊維

  • ペクチン
  • βグルカン
  • グアーガム
  • サイリウム
  • イヌリン
  • フラクトオリゴ糖類(FOS)

非発酵性食物繊維

  • セルロース
  • リグニン

効果

熟した果物などに含まれている水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇の抑制[18][19]や、コレステロールの吸収を抑制する作用が報告されている。

野菜や穀類、豆類等に含まれている不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促す。

食物繊維の効用として、脂質異常症予防、便秘予防、肥満予防、糖尿病予防、脂質代謝を調節して動脈硬化の予防、大腸癌の予防、その他腸内細菌によるビタミンB群の合成、食品中の毒性物質の排除促進等が確認された。長寿地区住民の高齢者の食物繊維摂取量と同一人の腸内細菌叢を分析することによって、食物繊維の摂取量が多いと、働き盛りの青壮年なみに有用菌(ビフィズス菌等)が優勢で老人特有の有害菌(ウエルシュ菌等)は抑えこまれていることが実証された。さらにこの有用菌は腸内腐敗防止、免疫強化、腸内感染の防御、腸管運動の促進といった作用のあることがわかった。

消化管内の必須栄養素であるカルシウムと結合し腸管からの吸収を阻害する働きもある[20]

日本では、特定保健用食品(トクホ)の表示が認可されている[21]

2003年、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)による「食事、栄養と生活習慣病の予防[22] 」(Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases) では、肥満、2型糖尿病、心臓病のリスクを下げると報告し、野菜や果物や玄米のような全粒穀物からの摂取をすすめている。

リード (N.W. Read) とティムス (J.M. Timms) による「トンネルの向こうに光は見えるか」という論文[23]では「食物繊維によって重症の便秘が軽減することは少ない」と著されている。

2007年11月1日の世界がん研究基金アメリカがん研究協会によって7000以上の研究から分析したがん予防の報告書[24]では、結腸や直腸のがんの予防との関連がありうるとしている。

食物繊維摂取量との関連が検討された生活習慣病は多岐に及び、心筋梗塞の発症ならびに死亡、糖尿病の発症との間に負の関連を認めたとする研究報告が数多くある。また、循環器疾患の強い危険因子である血圧並びに血清(または血漿LDLコレステロールとの間でも負の関連が示唆されている。さらに、肥満との関連を示した疫学研究も多数存在する。一方、がん、特に、大腸(結腸並びに直腸)がんとの関連については、最近の疫学研究の結果は必ずしも一致していない[1]。ハーバード大学公衆衛生学部は、「食物繊維の摂取は、健康効果のある健全な食事としてもてはやされ、心臓病、糖尿病、憩室疾患、便秘を含む様々な疾患のリスクを減少させていた。多くの人が信じていたにも関わらず、食物繊維には大腸がんのリスクの減少の効果はほとんど認められなかった。」と発表している[25]

肥満防止
水溶性食物繊維は胃で膨潤することで食塊を大きくし、粘性を上げ、胃内の滞留時間を延ばし満腹感を与え、不溶性食物繊維は食物の咀嚼回数を増加させ唾液や胃液の分泌を促し食塊を大きくすることで効果を現す。
18-20歳の女子学生を対象に食事の調査を行ったところ、食事のGI値(炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値)が高い群ほどボディマス指数(BMI)(肥満の程度を表す値)が高くなり、食物繊維の摂取が多い群ほどBMIの値が低い結果が得られた[26]
コレステロール上昇抑止
水溶性食物繊維が効果的、水溶性食物繊維は食物コレステロールの吸収抑制、コレステロールの異化・代謝・排泄の促進、胆汁酸の回腸からの再吸収阻害による代謝・排泄の促進などがされる。
血糖値上昇抑制
水溶性食物繊維は粘度の高い溶液をつくり、胃から小腸への食物の移行を緩やかにする。また、拡散阻害作用、吸水・膨潤作用、吸着作用などがあり、摂取した食物は胃で消化され、緩やかに移行し、吸着され、吸収速度が緩慢となる結果、グルコースの吸収を緩慢にして血糖値の上昇を抑える[27]
熟した果物などに含まれている水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)は、食後の血糖値の急激な上昇の抑制[28][29]作用が報告されている。
ペクチンを食事とともに摂取すると、血糖上昇が抑制され、インスリンの分泌も抑制された[30][31]。ペクチンは、サトウダイコンヒマワリ、アマダイダイ(オレンジ)、グレープフルーツライムレモン又はリンゴなどの果物に多く含まれる。
グルコマンナンコンニャクに多く含まれる水溶性食物繊維であり、グルコマンナンとグルコースを同時に摂取した場合、グルコマンナンには血糖値上昇抑制効果があった。グルコマンナンの粘性によるグルコースの拡散抑制による可能性がある。セルロースプルランでは効果が認められなかった。なお、プルランは粘性が高いものの人体の消化酵素で消化されてしまう[31]
アルギン酸ナトリウムは、主に褐藻に含まれる多糖類の一種であり、水溶性食物繊維の粘性により血糖上昇抑制効果があり、また、二糖類分解酵素の阻害効果による血糖上昇抑制効果も認められたとする研究がある[32]。また、米飯に寒天を添加して摂取したところ米飯のみと比較して食後の最大血糖値が低下し、GI値も減少が認められたとする研究がある[33]
水溶性食物繊維のイヌリンについて、ジャンボリーキ(無臭ニンニクジャンボニンニク)の乾燥粉末(イヌリン60%含有)を糖尿病モデルラットに食餌とともに与えたところ食後血糖値の上昇が抑制された[34]。2型糖尿病の女性49人を対象にイヌリンを投与したところ、空腹時血糖値、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、マロンジアルデヒドの低下が認められ、スーパーオキシドディスムターゼの活性が高まるなど抗酸化能力の増加が認められた[35]
次の植物(キクイモダリアゴボウアザミタンポポヤムイモアーティチョーク(朝鮮薊)、チコリー、、タマネギニンニクリュウゼツラン(竜舌蘭))は水溶性食物繊維である高濃度のイヌリンを含む。
エンバクの水溶性食物繊維の大部分はβグルカンである。エンバク由来のβグルカンについて血中コレステロール値上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、血圧低下作用、排便促進作用、免疫機能調節作用などが欧米を中心に多数報告されている[36]。エンバクはオートミールに利用されている。
大麦には豊富な水溶性食物繊維が含まれており、その大部分はβグルカンである。大麦の摂取による血中コレステロール値上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、BMI値低減効果が報告されている[36]麦飯も参照のこと)。βグルカンは、植物、キノコ類に多く含まれている。
水溶性繊維であるグアーガムを食餌とともに摂取すると、血糖上昇が抑制され、インスリンの分泌も抑制された[37][31]
水素ガスの産生と抗酸化作用
難消化性である食物繊維や乳糖の摂取と腸内細菌により呼気やおならへのガスの産生と排出が高まる。産生されるガスは水素とメタンが多いが、メタンは個人差がありメタン産生菌を有していないとメタンは産生されない。おならと呼気の水素量の相関は0.44と高い[38]αグルコシダーゼ阻害剤である糖尿病治療薬のアカルボースを服用すると炭水化物の吸収が抑制され大腸の腸内細菌により水素などが発生するが、アカルボースの服用が心血管事故を抑制する可能性があり、この原因として高血糖の抑制に加えて、呼気中に水素ガスの増加が認められ、この増加した水素の抗酸化作用により心血管事故を抑制するメカニズムが想定されている[39]。水素による抗酸化作用が各種研究で報告されているところであり、また、腸内細菌は難消化性である食物繊維などから水素を産生している。コンカナバリンAを用いて肝炎を誘導したマウスの実験では、抗生物質を使用して腸内細菌にる水素発生を抑制させたマウスと比較して、通常の腸内細菌が発生させた水素はマウスの肝臓の炎症を抑制することが認められた[40]
排便促進
不溶性食物繊維は結腸や直腸で便容積を増大させ、排便を促進する。
ダイオキシン類の排出
ダイオキシン類を吸着して排泄する効果もあるため、体内からの排出速度を2〜4倍に高めることで、ダイオキシン類の健康に対する影響が防げると示唆されている[41]

代表的な食品の食物繊維

海藻全粒穀物などに食物繊維が多く含まれる。実際の含有量は、産地、収穫時期、品種等で異なるため代表値である。

主な食品100g中の食物繊維[42]
項目状態食物繊維
総量
水溶性
食物繊維
不溶性
食物繊維
ワカメ[15]68.9 g9.0 g59.9 g
ヒジキ[15]60.7 g22.5 g38.2 g
コンブ[15]36.5 g7.4 g29.1 g
かんぴょう30.1 g6.8 g23.3 g
海苔スサビノリ[15]26.4 g10.8 g15.6 g
ラッキョウ21.0 g18.6 g2.4 g
切り干し大根20.7 g3.6 g17.1 g
アズキ17.8 g1.2 g16.6 g
ダイズ17.1 g1.8 g15.3 g
エシャロット11.4 g9.1 g2.3 g
コムギ10.8 g0.7 g10.1 g
おから9.7 g0.3 g9.4 g
大麦9.6 g6.0 g3.6 g
エンバクカラスムギオートミール9.4 g3.2 g6.2 g
糸引き納豆6.7 g2.3 g4.4 g
モロヘイヤ5.9 g1.3 g4.6 g
ゴボウ5.7 g2.3 g3.4 g
オクラ5.0 g1.4 g3.6 g
蕎麦乾麺4.3 g0.8 g3.5 g
シイタケ3.5 g0.5 g3.0 g
玄米3 g0.7 g2.3 g
カボチャ2.8 g0.7 g2.1 g
タケノコ2.8 g0.3 g2.5 g
ニンジン生、皮むき2.5 g0.7 g1.8 g
サツマイモ2.3 g0.5 g1.8 g
キャベツ1.8 g0.4 g1.4 g
タマネギ1.6 g0.6 g1.0 g
リンゴ1.5 g0.3 g1.2 g
ジャガイモ1.3 g0.6 g0.7 g
ダイコン1.3 g0.5 g0.8 g
白米0.5 g0 g0.5 g

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c 厚生労働省、「炭水化物 (PDF) 」『日本人の食事摂取基準」(2010年版)』、2016年7月22日閲覧
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  42. ^ 五訂増補日本食品標準成分表

参考文献

  • 青江誠一郎ほか『食物繊維 : 基礎と応用』日本食物繊維学会編集委員会編、監修、、2008年、第3版。ISBN 978-4-8041-1191-9

関連項目

外部リンク

ハダカムギ

ハダカムギ(裸麦、英語: Naked barley, hulless barley学名Hordeum vulgare var. nudum)は、オオムギの粒の皮裸性(実と皮の剥がれやすさ)に着目した系統名の一つで、オオムギの品種のうち実(穎果)が皮(内外穎)と癒着せず容易に離れるため、揉むだけで皮が剥けてつるつるした実が取り出せる品種群のことをいう。これに対して、実が皮と癒着しているため、揉んでも皮が剥がれない品種群はカワムギ(皮麦)という。分類上は、ハダカムギはオオムギの原種に近いカワムギの突然変異が固定されてできたオオムギの変種である。ハダカムギの栽培品種のほとんどは穂に小花が6条ずつ並んでつく六条オオムギで、穂に小花が2条ずつ並んでつく二条オオムギ(主にビールの原料になるのでビールムギとも呼ばれる)の栽培品種は大半がカワムギである。ハダカムギにはコメと同様にうるち性の品種以外にもち性の品種のもち麦がある。ハダカムギは食用や家畜飼料用に栽培されている。

栽培

世界の栽培地域

オオムギは最古の栽培植物の一つであり、起源を遡るとまず原種に近いカワムギの栽培が西南アジアで紀元前7000年頃には始まり、次いでカワムギの変種であるハダカムギの栽培も紀元前6000年頃までには始まったことが考古学の研究で明らかになっている。歴史的には、ハダカムギは東アジア日本朝鮮半島)、ヒマラヤ地方(チベットネパール)、アフリカ東北部(エチオピア)などで主要な食用穀物の一つとして栽培されてきた。ヨーロッパでは、アルプス地方やベルギーノルウェーが主なハダカムギの産地であった。それ以外のオオムギ栽培地域では、カワムギの方が主に栽培されてきた。 近年は、世界のハダカムギの主な産地は、アメリカオーストラリアカナダチェコドイツなどである[2]

日本の栽培地域

日本では、ハダカムギは愛媛県香川県を中心とする四国九州で主に栽培されている。農林水産省の統計によると、平成19年度の日本におけるハダカムギの収穫量は14,300tで、都道府県別では愛媛が最も多く41.1%を占め、次いで香川の17.0%であった。

順位都道府県収穫量 (t)全国に占める割合 (%)
1愛媛県5,88041.1
2香川県2,43017.0
3大分県2,26015.8
4福岡県1,2408.7
5長崎県6144.3
6滋賀県5744.0
7佐賀県4042.8
8山口県2852.0
9埼玉県2271.6
10岡山県1561.1
合計日本14,300100.0

日本の作付面積

日本におけるハダカムギの作付面積は、明治10年代は40万ha台であった。最高だったのは大正初期の70万ha台で、その後は漸減したものの昭和30年代初期の作付面積は50万ha台を維持していた。その後、ハダカムギの作付面積は急速に減少し、昭和45年に10万haを割り、昭和61年には1万haを割り、平成6年に最低の3,230haをつけたが、その後やや回復し、平成19年産ハダカムギの作付面積は4,020haとなっている。

用途

日本の用途

ハダカムギは容易に皮を剥いで実が取り出せ食用に好適であることから、日本では第二次世界大戦前から精麦が食用に流通し、押麦(大麦の外皮を剥いで蒸気で加熱してローラーで平らに加工したもの)を白米に混ぜて麦飯にしたり、炒って粉に挽いてはったい粉(麦焦がし)にしたり、炒ったものを煎じて麦茶にしたりするなどして日常食として消費されてきた。また押麦が普及する大正時代以前は、粒のままでは米に比べて煮えにくいハダカムギは、予め茹でて水に浸けておいた「えまし麦」や、で荒く挽き割った挽割麦の形にして煮えやすくしたものを麦飯や雑炊などに調理して食される、米の不足を補完する主食の一つであった。

しかし、近年は米飯に比べて食味が劣る麦飯用のハダカムギの需要は少量に限られ、代わって麦味噌大豆とオオムギを発酵させた味噌)の適性が高く評価され、生産量の大半が麦味噌の原料に用いられている。また、流通する精麦の主流は、従来の押麦から、黒条線(麦種子が形成される際の水分や養分の通り道である腹溝由来の麦粒の黒い線)に沿って切断した切断麦や黒条線で切断して米粒状に剥いで米と混ざりやすくした米粒麦に変わりつつある。

大分県などでは、ハダカムギを麦焼酎の原料としても利用しており、一定の評価を得ている。

海外の用途

チベットではハダカムギを炒って粉に挽いたものがツァンパと呼ばれ、チベット人の伝統的な主食となっている。 チベット人はツァンパにジャ(チベット語バター茶のこと)を加えてこねて団子状にしたものを食べる。また発酵させてとし飲用する。

欧米ではハダカムギは主にブタニワトリなどのの飼料用として利用されてきたが、最近では食物繊維β-グルカンを多く含むことなどハダカムギの健康機能性が注目され、新たに食用の需要が出てきている。

食味

オオムギは、コメやコムギに比べて粒に含まれるポリフェノール系のタンニン(渋成分)の含量が多い。オオムギに含まれる主なポリフェノールは、カテキンプロアントシアニジンである。ポリフェノールは精麦の白度を低下させ、米飯に比べて麦飯の食味や白度が劣る主な原因となる。麦飯の問題点として挙げられる炊飯後の変色(白度の低下)は、飯粒に含まれるポリフェノールが多いほど顕著になる。

麦粒のポリフェノール含量は、低ポリフェノール品種を用いたり精麦したりすることによって低下する。日本のハダカムギのポリフェノール含量は、品種によって差異があるが、世界の平均値に比べると低い。もっとも、食味に優れた品種が好んで育成・栽培されてきた水稲とは異なり、低ポリフェノール化によって食味を改善することは、ハダカムギの育成においてこれまでのところあまり重視されていない。オオムギの遺伝子資源の中にはポリフェノール含量が非常に低いものもあり、将来活用される余地がある。

品種

日本で育成・栽培されているハダカムギの既存の栽培品種は条性分類上は全て六条オオムギである。また、日本で栽培されているハダカムギのほとんどは、草丈が低く肥料を多く与えても倒伏しにくく収量が上げやすい半矮性を示す渦性遺伝子を持つ渦オオムギであり、草丈が高くなる並性遺伝子を持つ日本の栽培品種は、農林番号が付されたハダカムギではバンダイハダカだけである。

日本のハダカムギの主な育種組織については、農研機構(旧東海近畿農業試験場、旧中国農業試験場、旧四国農業試験場、旧九州農業試験場)、鳥取農試東伯分場および鹿児島農試鹿屋分場のハダカムギ育種組織が昭和36年に統合され、その後の育成地は農研機構だけとなっている。農林番号が付されたハダカムギは、2005年のトヨノカゼまで34品種が育成されている。

育成傾向

日本におけるハダカムギの栽培品種の過去の育成には、主に次のような傾向がある。

  1. 水稲作期の早期化に伴う晩生品種から中生品種、そして早生品種への早生化の動き。
  2. 多肥化および土地利用効率化と関連した多収化の動き。
  3. 機械収穫への移行に従い耐倒伏性を追求した強稈化の動き。
  4. 粒の外観品質及び精麦品質の良質化の動き。
  5. もち麦品種や飼料用の高蛋白・高リジン品種など多用途化の動き。

主な品種

品種名農林番号旧系統名誕生年、開発者など元になった品種特徴リンク
トヨノカゼ裸麦農林34号四国裸100号2005年 農研機構四系9123×四国裸90号(後のイチバンボシ)多収。やや円粒。搗精時間が短く、整粒歩合が高く、精麦品質に優れる。味噌の糖度、明度がともに高く、味噌加工適性が優れる。農水省
マンネンボシ裸麦農林33号四国裸98号2001年 農研機構四国裸83号×センボンハダカ整粒歩合が高い。原麦、精麦の粒揃いが良い。大粒、やや円粒、軟質、高白度で精麦品質が良い。倒伏に強い。農水省
ダイシモチ裸麦農林32号四国裸95号1997年 農研機構(旧農林水産省四国農業試験場)センボンハダカ×(センボンハダカ×モチ麦D)F2もち麦品種。出穂、成熟期ともイチバンボシよりやや遅い“やや早”。倒伏性は“強”。収量は“やや多”。ふ色、粒色は“紫”、粒大は“やや小”。精麦歩留はイチバンボシ並の“中”、精麦白度はヒノデハダカより高く“やや大”。農水省
イチバンボシ裸麦農林31号四国裸90号1992年 農研機構(旧農林水産省四国農業試験場)四国裸58号×四R系697早生。縞萎縮病抵抗性が強い。安定して多収。精麦適性が優れる。耐倒伏性はサヌキハダカ並のやや強。農水省
サンシュウ裸麦農林30号四国裸79号1989年 農研機構(旧農林水産省四国農業試験場)ナンプウハダカ×(ナンプウハダカ×Hiproly)F1飼料用裸麦。高蛋白かつ高リジン品種。出穂期は“極早”、成熟期は“早”。縞萎縮病抵抗性が強い。農水省
センボンハダカ裸麦農林29号四国裸58号1980年 農研機構(旧四国農業試験場)キカイハダカ×四国裸28号短稈種。秋播型の早生品種。耐倒伏性が強く、機械刈適性が高い。収量は安定して多収。大麦縞萎縮病に強い。農水省
ハヤテハダカ裸麦農林28号四国裸56号1978年 農研機構(旧四国農業試験場)(赤神力×一早生)F1×佐賀裸1号極早生種。熟期がキカイハダカより4日早い。耐倒伏性に優れる。極早生としては極めて多収。耐湿性が強い。うどんこ病に弱い。粒色は黄渇。極早生種としては比較的良質。農水省
ビワイロハダカ裸麦農林27号四国裸53号1978年 農研機構(旧四国農業試験場)ユウナギハダカ×(二条裸×ユウナギハダカ)F1耐倒伏性が強く、機械化適性がある。収量は多収。原麦・精麦白度が高く、精麦歩留りが良い高品質品種。中生種。南九州を除く西日本一帯の裸麦栽培地帯に適する。農水省
キカイハダカ裸麦農林19号東海裸22号1962年 農研機構(旧東海近畿農業試験場)ナカテハダカ×佐賀裸1号強稈で耐倒伏性が極めて強い。中生種である。白渋病、縞萎縮病に強い。収量性は赤神力、四石麦に比べ多条播栽培で多収を示す。農水省
ハヤジロハダカ裸麦農林18号西海裸7号1958年 農研機構(旧九州農業試験場)白麦8号×佐賀裸1号成熟期はハシリハダカより3~5日晩く、赤神力より10日早い早生種。稈長は80cm足らずの短稈種。稈はあまり太くないが、強剛で倒伏し難い。大粒豊円で、品質良好。農水省
シラヒメハダカ裸麦農林17号四国裸11号1958年 農研機構(旧四国農業試験場)愛媛裸2号×赤神力成熟期は赤神力より僅かに早いか同程度の晩熟。稈の強さは愛媛裸1号に及ばないが、赤神力よりはるかに強い。品質が良い。農水省
ユウナギハダカ裸麦農林16号四国裸10号1957年 農研機構(旧四国農業試験場)赤神力×香川裸1号成熟期は赤神力程度の晩生。白渋病、大麦縞萎縮病、小銹病には強い。雲形病には弱く、赤かび病にも余り強くない。品質良質。農水省
ヒノデハダカ裸麦農林15号山陰裸4号1957年 鳥取県農事試験場東伯分場赤神力×佐賀裸1号出穂、成熟期は赤神力より1週間早い極早生種。強稈で多肥栽培においても倒伏抵抗性が強い。極早生種としては多収である。農水省
シロシンリキ裸麦農林14号中国裸7号1957年 農研機構(旧中国農業試験場)(赤神力×2号熊島)F1×赤神力長稈、長穂種で赤神力によく似るが、赤神力に見られるような、出穂直後のふ及び芒の着色がない。倒伏抵抗性は赤神力程度であるが挫折し難い。収量は赤神力と同程度か多収。農水省
ヤマテハダカ裸麦農林13号山陰裸3号1956年 鳥取県農事試験場東伯分場徳島珍子83号×佐賀裸1号出穂、成熟期は赤神力より2~3日早い中生種。耐肥性に富み、多肥条件においても倒伏抵抗性は強い。収量は安定性をもち、多収。多肥栽培にも適する。農水省
シラヌイハダカ裸麦農林12号西海裸3号1955年 農研機構(旧九州農業試験場)竹下×一早生出穂、成熟期は早生裸より6~7日晩く、二号熊島より3~4日早い中生種。茎葉の繁茂少なく、稈は太い方ではないが、倒伏には強い。収量は中生種としては多収である。充実良く、品質良好。農水省
ハヤウレハダカ裸麦農林11号西海裸2号1955年 農研機構(旧九州農業試験場)赤神力×一早生出穂、成熟期は早生裸より2~3日おそい早生種。早生種としてはかなり多収である。熟色は良好。品質良好。農水省
ミナミハダカ裸麦農林10号四国裸5号1955年 農研機構(旧四国農業試験場)小玉13号×愛媛裸2号成熟期は赤神力より4~5日早く、愛媛裸1号よりやや早い中生種。小銹病、白渋病に強く、耐湿性も強い。品質良好。農水省
ハシリハダカ裸麦農林9号中国裸5号1955年 農研機構(旧中国農業試験場)白珍子×コビンカタギ極早生。強稈。春先の寒害には極早生としては強い方。赤かび病、萎縮病、耐湿性は強い。農水省
ツクバハダカ裸麦農林8号北関東裸5号1953年 農研機構(旧関東東山農業試験場)会津裸3号×愛媛裸1号葉身がやや内側に巻き剣のように細く見えるのが特徴。渦性、短稈種。株は閉じ、穂揃いが良い。熟期は愛媛裸1号より遅い中生種。小銹病、白渋病に強いが株腐病に弱い。耐寒性は比較的強いが、耐雪性は弱い。農水省
バンダイハダカ裸麦農林2号会系46号1950年 農研機構(農林省安積農事改良実験所)会津裸3号×中泉在来耐雪性が強く、中少雪地帯の一般畑作用並びに水田二毛作として好適。小銹病、立枯病に強いが雲紋病にやや弱い。品質良好。草丈は並性、稈の細太は“中”。少肥多収。農水省
マリモハダカ北海春裸13号1966年 北海道立北見農業試験場サナダムギ×北統3号春蒔カワムギのアカンムギ型のハダカムギ。栽培適地は網走上川。熟期やや晩。強稈。収量性は北見裸より多収。小銹病、ウドンコ病にやや強く、雲紋病に強い。品質良好。北海道
ミシマハダカ御島裸1937年 長崎県農事試験場御厨×島原裸晩生。長崎県奨励品種で普及地帯は同県下の畑と水田裏作地帯。味噌加工適性が非常に優れる。やや長桿、倒伏抵抗性が弱い。秋播性。主要病害の抵抗性は強い方。収量性はあまり多くないが安定性が高い。玄麦はやや小粒だが良質。長崎県

もち麦

イネ科の穀物の中でイネやオオムギなどには、含まれるデンプンに粘り気が少ないうるち性(粳性)の品種だけでなく、粘り気が多いもち性(糯性)の品種があり、もち性のハダカムギはもち麦と呼ばれる。うるち性品種はデンプンの成分のうちアミロースの含有割合が比較的多いのに対して、もち麦はアミロペクチンの含有割合が多い。もち麦の歴史は非常に古く、紀元前3,000年頃までには西南アジアで栽培化され、その後ユーラシア大陸全土とアフリカ東北部に伝播したが、現在もち麦を栽培しているのは日本など東アジアだけである。日本のもち麦の在来品種はすみれ色の穂をつけるため、収穫期のもち麦畑は一面特有のすみれ色に染まる。

用途

日本では主に四国、中国、九州の水稲もち米が獲れにくい地域を中心に昭和初期まで広く耕作され、もち米の代替品として麦米や団子にして自家消費されるケースが多かった。その後は次第に作付けされなくなっていたが、最近は食物繊維の多さなどから健康志向の食材として見直されている。農研機構が2017年に品種登録した「くすもち二条」が、米飯と混ぜて炊き込む用途向けに複数の食品メーカーから商品化されている[3]。米飯への添加や餅・団子類以外にも、煎餅などの和菓子パンクッキーロールケーキカステラレトルトカレー[4]など、様々な新たな用途が開発されつつある。

アミロースフリーもち麦

もち米と在来のもち麦のもち性には差異があり、もち米はアミロース含有率がほぼゼロ(アミロースフリー)であるのに対して、もち麦はアミロースを5%前後含みデンプンがやや「硬質」である。ただし、ハダカムギには在来のもち性品種だけでなく、突然変異で得られたアミロース含有率がほぼゼロでもち米とほぼ同等のもち性を持つ系統(四国裸97号[5]など)があり、もち性の高さを活かしてアミロースフリーのもち麦の地域特産食品などへの利用が今後拡大する可能性がある。

低ポリフェノールもち麦

また、農研機構では、突然変異で得られたプロアントシアニジンフリー遺伝子を持つ海外のビールムギの系統を交配親として、プロアントシアニジンフリー遺伝子を導入したもち麦の系統の育成を進めている[6]。元々、もち麦は炊くと軟らかさと粘りが感じられ[3]、うるち性品種に比べて麦飯として炊飯したときの食感や食味に優れている。日本での栽培適性がある低ポリフェノールのもち麦の系統が作出され、米飯に比べて麦飯の食味や白度が劣る主な原因となるもち麦のポリフェノール高含有の問題が解消されれば、白米のように炊飯時の加熱や炊飯後の保温を経ても褐変しない白くて美味しい麦飯が、将来日本の食卓に上る可能性がある。

脚注

参考文献

  • 農林水産省 「麦 -高品質化に向けた技術開発-」『農林水産研究文献解題』 No.23, 平成12年3月

関連項目


 

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