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👩‍🎓|ヤングケアラー、中学生の17人に1人…低い自覚や認知度


写真 世話をしている家族の有無(中高生調査)

ヤングケアラー、中学生の17人に1人…低い自覚や認知度

 
内容をざっくり書くと
ヤングケアラーと思われる子供が「いる」と回答した学校に子供の状況を尋ねたところ、「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」がもっとも多く、「障害や病気のある家族に変わり、家事(買い物・料理・洗濯・掃除など)をしている」が続いた。
 

家族の介護などを日常的に行う「ヤングケアラー」の割合が、中学生の約17人に1人にあたる5.7%にのぼ… →このまま続きを読む

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ヤングケアラー

ヤングケアラー英語: young carer)とは、通学や仕事のかたわら、障害病気のある親や祖父母、年下のきょうだいなどの介護や世話をしている18歳未満の子どもを指す[1]

家族の病気や障害のために、長期のサポートや介護、見守りを必要とし、それを支える人手が十分にない時には、子どもであってもその役割を引き受けて、家族の世話をする状況が生じる。介護のために学業に遅れが出たり、進学や就職を諦めたりするケースもあるといい、実態の把握が急がれている。

概説

成蹊大学文学部教授のは、ヤングケアラーを 「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子ども」と定義している[2]

ヤングケアラーの存在は知られていながら、人数や実態は長い間把握できていなかった。毎日新聞社が2020年3月に総務省の2017年就業構造基本調査を独自に分析し、家族などの介護を担っている15~19歳の若者は2017年時点で推計37,000人、そのうち約8割が通学しながら、週4日以上、勉強と介護を両立させていると明らかにした[3]。15歳未満のヤングケアラーはこの分析には含まれておらず、実態はさらに多いとされる。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2019年に実施した「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」によると、以下の実態が明らかになった[4][5]

  • ヤングケアラーの家族構成は「ひとり親と子ども」が48.6%と最多。家族構成員の少なさから、介護にも協力をせざるを得ない状況がある。
  • ヤングケアラーの学校生活への影響に関する設問では、「学校などにもあまり行けていない(休みがちなど)」と回答した人が31.2%。家族の介護が原因で「遅刻が多い」「授業に集中できない」「学校へ通ってはいるものの部活動に参加できない」など、学校へは通っているけれど何らかの支障があると感じている人も27.4%。[6]
  • 「自分はヤングケアラーと認識していない」は44.5%、「わからない」が41.1%。8割以上の人が、自分自身をヤングケアラーと認識していない
  • 子どもが家庭で行っているケアを支援する人の有無については、「なし」が54.3%。学年別にみると、学年があがるにつれ「なし」の割合が高くなっている。半数以上のヤングケアラーが、支援者なしの孤立状態で介護を行っている

上記調査では、ヤングケアラーである子どもは、本来守られるべき子ども自身の権利を守られていない子どもであるとして、以下の提言を行っている。

  • 「ヤングケアラー」の概念の周知と、「ヤングケアラー」に対する偏見等の払拭
  • ケアすること自体を否定せず、「ヤングケアラー」の選択肢を広げられるような支援が必要
  • 「ヤングケアラー」を含めた家族支援に関する制度上の位置づけが必要
  • 子どもがケアを担わなくても済むような施策・対応の充実
  • 「ヤングケアラー」の子どものメンタル面へのサポートの必要性
  • 「ヤングケアラー」への支援は多層的に

自治体等の取組み

ヤングケアラーの実態を把握しやすい立場にあるのは、ヤングケアラー本人が通っている学校の教師である。しかし、実際には多くの学校、教育委員会は、家庭のことは個人情報の問題もあり、本人から話がないと踏み込めないという方針が多い。当のヤングケアラーも、学校のような同質性の高い集団では、周囲に合わせるのが苦しくなってくること、友人たちに介護の話をしても、共感してもらうことは難しいことから、誰にも話せずに孤立を深めていく悪循環に陥ってしまう。こうしたことから実態把握が難しく、問題が表面化しにくい[7][8][9]立正大学教授のは「学校がヤングケアラーを早く見つけ、家族の世話を託せる福祉サービスにつなぐことが必要だ」と指摘する[10]

埼玉県では2020年3月、全国で初めてとなるヤングケアラーを支援するための条例「ケアラー支援条例」が成立した。学校や教育委員会に、ヤングケアラーと思われる児童、生徒の生活状況、支援の必要性の確認を義務づけ、相談に応じたり、支援機関に取り次いだりするものとしている。社会全体で支えることでケアラーの孤立を防ぐ仕組みづくりを目指すもので、ヤングケアラーの教育機会の確保も含まれている。

厚生労働省は、2020年(令和2年)12月に初の実態調査を始める方針を固めた。同省は自治体や教育委員会などを通じ、該当する小中高生の人数や介護の内容を調べ、家族構成や学校生活などへの影響のほか、親が自分の世話をさせることで事実上のネグレクト(育児放棄)に当たる事例がないかどうかなども調べる[1]。この調査の結果が2021年(令和3年)4月12日に公表され、全国の中学2年生の6%、高校2年生の4%がヤングケアラーに該当すると発表し、この2学年だけで約10万人に上ると推計している。世話をする家族がいる生徒にその続き柄を尋ねたところ、「きょうだい」が最多で中2が62%、高2が44%、「父母」は中2が24%、高2が30%だった。平日の世話にかかった時間は、1日平均で約4時間、7時間以上も1割に上り、このうち4人に1人が「健康状態がよくない」と回答した[11][10]。調査結果を受けて政府は「政府として、しっかりと実態を踏まえ、ヤングケアラーの支援について検討していく考えだ」と述べた[12]

海外の状況

オーストラリアでは27万2千人のヤングケアラーが存在すると推定されており[13]、各州に支援団体が組織されている[14]。 また、イギリスでは70万人のヤングケアラーが存在する[15]。 各国でヤングケアラーの定義は異なり、オーストラリアでは25歳以下[16]、イギリスでは18歳以下[17]が対象となっている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 読売新聞2020年10月6日付朝刊社会面
  2. ^ 澁谷、p.24
  3. ^ 毎日新聞2020年3月22日付朝刊1面
  4. ^ ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書三菱UFJリサーチ&͡コンサルティング
  5. ^ 「ヤングケアラー」の状況は深刻!埼玉県では全国初の支援条例に基づく実態調査をスタートみんなの介護ニュース
  6. ^ 高校におけるヤングケアラーの存在割合に関する一考察大阪歯科大学准教授濱島淑恵らの研究グループが2016年に大阪府の公立高校の生徒を対象に行った調査では、高校を偏差値に基づいて分類した場合、偏差値ランクの低いグループの高校ではヤングケアラーの存在割合が高い傾向が示された。
  7. ^ 夢 諦める若者も「ヤングケアラー」NHK
  8. ^ ヤングケアラーの過酷な現実、ご存知ですか?10代で介護に直面する若者たち介護求人ナビ
  9. ^ 「ヤングケアラー」18歳未満で家族の介護を担う若者が、直面するものは婦人公論.jp
  10. ^ a b 読売新聞2021年4月13日付朝刊総合面
  11. ^ ヤングケアラーの実態に関する調査研究について厚生労働省
  12. ^ ヤングケアラー、支援検討 加藤官房長官時事ドットコム
  13. ^ Australia's Welfare Report 2017”. Australian Institute of Health and Welfare. Australian Institute of Health and Welfare. 2019年3月7日閲覧。
  14. ^ Find a support service”. Young Carers Network. Carers Australia. 2019年3月7日閲覧。
  15. ^ About young carers | Carers Trust”. carers.org. 2016年9月27日閲覧。
  16. ^ About”. Young Carers Network. Carers Australia. 2019年3月7日閲覧。
  17. ^ About young carers” (english). carers.org. 2020年12月29日閲覧。

参考文献

  • 「ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実」澁谷智子著、中央公論新社、2018年5月発行

関連項目

外部リンク

幼いきょうだい


 

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