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🌐|ネットで誹謗中傷、損害賠償300万円支払った人の本音…「恨みだけが残った」


写真 「Getty Images」より

ネットで誹謗中傷、損害賠償300万円支払った人の本音…「恨みだけが残った」

 
内容をざっくり書くと
裁判では、弁護士をつけない「本人訴訟」も数多く行われている。
 

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本人訴訟

本人訴訟(ほんにんそしょう)とは、弁護士などの訴訟代理人を選任せずに訴訟を行うことをいう。

概要

日本の民事訴訟法は、弁護士強制主義を採用していないことから、第一審から最高裁まで本人訴訟をすることができる。

本人訴訟の申立てに際して、本人自ら訴状等を作成することも、司法書士に訴状等の作成を依頼することも可能である。

本人訴訟のメリットとデメリット

メリット

弁護士への依頼費用がかからない
本人訴訟のメリットとして、印紙等実費以外に訴訟にかかる費用が発生しないことが挙げられる。弁護士費用は個別の弁護士の料金体系によって異なるが、多くのケースで10万円以上の費用がかかる[1]
自分の言いたいことを主張できる
自分の言い分をそのまま裁判所へ伝える[注釈 1]ことができ、自分が主役として訴訟に関わることができる[2]

デメリット

自分で書面を作成する必要がある
代理人を依頼しないということは、すなわち裁判所へ提出する書面(主張書面および証拠)を自分で作成しなければならないということになる。書き方にも独特な部分があるほか、専門知識がない者にとっては、法令の規定に沿って主張や反論を展開することは困難である[3]
裁判所に相談することは不可能ではないが、裁判所は中立でなければならないため一方当事者にのみ有利になるようなアドバイスはできず、手続的な事項・形式的な事項のみ回答に応じている[4]
適切な対応ができない
裁判においては、専門的な手続きや対応をせまられる場面がある。適切な対応ができないと不利になりかねず、正しい書式で提出しないと資料や証拠を受け付けてもらえない可能性もあるため、注意が必要である。
また、主張立証が法的に無意味であったり混乱しているものも多く、争点がかみ合いにくいことから裁判所においても敬遠しがちであり、裁判所から弁護士に相談することを勧めるケースも少なくない。仮に、後から弁護士等の代理人を選任したとしても、すでに結審した訴訟の取り消しはできないため、手遅れになるケースも存在する。
証人尋問が効果的に行えない
本人訴訟では、尋問において相手を論破しようとしたり、自説を演説したりする当事者が多い[5]
しかし、民事訴訟における証人尋問は、あくまで証人の供述から事実認定を行う証拠調べの方法であり[6]、この目的から外れて論破や演説を行っても勝訴には繋がらない。
弁護士であれば専門的な訓練を受けており、証人尋問の細かなルールを把握し、聞き出すべき内容や、必要とする証言を引き出す質問の仕方や戦略も考えることができるが、本人訴訟では効果的に行うことは難しい[3]
当事者尋問が効果的に行えない
第三者の証人ではなく当事者が尋問対象となる当事者尋問という手続もあり、当事者にとっては質問に答える形で自分の経験した事実を述べる機会となる。
弁護士がついていれば、あらかじめ打ち合わせを行い、主尋問について答えやすい質問を練り、反対尋問に対する対策も準備することができ、リハーサルも行える。本番で緊張してしまっても、弁護士に助け船を出してもらうこともできる。しかし、本人訴訟では、当事者尋問の主尋問は、提出した尋問事項書を元に裁判官が行うこととなるため、事前の打ち合わせは不可能であり、本番でも助け船は期待できない[3]
証拠の取捨選択を間違うおそれがある
裁判に勝訴するためには、主張の裏付けとなる証拠が必要になる。法的に重要な証拠を見逃してしまったり、自分に有利になると考えて提出した証拠が相手に有利に働いたりする場合もある。
冷静に対応できない
代理人を介さないため、本人訴訟はとかく感情的になりやすい[2]
冷静な判断ができなかったり、冷静な意見を述べられなかったりする。不用意な発言をして、それを相手に利用されてしまう場合がある。
手間とストレスがかかる
本人訴訟のマニュアル本を数冊読んだり、裁判所などに足を運んだり、証拠を提出用にまとめたり、それをファイリングしたりする場合にも、自分でやろうとすると非常に手間と時間がかかる。また、一人で裁判を最後まで戦い抜くことは、非常にストレスがかかることも重要な点である。
自分で裁判所に出頭する必要がある
代理人がいないため、当然、裁判期日には自分で法廷に出頭しなければならない。法人では、代表者(社長等)が自ら出頭しなければならず、経営者の時間が拘束される[3]
裁判期日は平日にしか開かれないため、個人にとっては勤務先を休む必要が生じる。
勝率が下がる
下記の節で説明しているとおり、弁護士がいるときに比べて、本人訴訟の場合には勝率が大きく下がる。

本人訴訟に適したケース

訴訟内容がシンプルな場合
「貸した金を返してほしい」「滞納している家賃を払ってほしい」など、訴訟内容がシンプルな場合には短期間で終わることが予想されるため、本人訴訟でも問題がない場合が多い。こうしたケースでは相手もお金がなく、弁護士を雇うことは少ない。
当事者間に見解の対立がほとんどないケース
民事訴訟においては、当事者間に争いのない事実は証明がなくとも事実認定できるため(民訴法179条、159条1項)、事案が単純で事実の存否について争いがないケースでは、書面作成など準備の手間も少なくなり、尋問も不要となることが見込まれる。例えば、商品を契約通り納入したが単なる資金不足を理由に支払いが遅れ、何度催促しても任意に支払わないといったケースでは、相手には反論の余地がほぼないことが予想されるから、本人訴訟で対応することも難しくない[7]
客観的な証拠が揃っている場合
契約書・請求書・メール文書などのしっかりした(自社に有利な)証拠が揃っており、損害金額や契約日時などが明確であれば、複雑な法的主張や証人尋問が不要になることが見込まれ、本人尋問でも対応可能になりやすい[7]
簡易裁判所の管轄に属する事件
地域にもよるが、簡易裁判所においては司法委員が関与して議論を交通整理してくれる可能性があり、法律に詳しくない当事者でも理解しやすくなる可能性がある。
また、法人の場合、簡易裁判所においては裁判長の許可を得て従業員を許可代理人として出廷させることができるので、経営者自身が出廷する必要がないこともメリットとなる[7]

本人訴訟の割合

日本の民事訴訟の特徴として、海外に比べて「本人訴訟の割合が高い」ことが挙げられる。高等裁判所でも7.9%が双方ともに本人訴訟で、原告・被告のいずれにも弁護士がついた事件は高裁でも6割にとどまっている。

地方裁判所の民事事件(通常訴訟)21万2490件 (2011年度)
  • 双方代理人あり … 30.0%
  • 原告本人訴訟 …… 4.1% (被告にのみ弁護士)
  • 被告本人訴訟 …… 43.4% (原告にのみ弁護士)
  • 双方本人訴訟 …… 22.6%
簡易裁判所の民事事件(通常訴訟)55万798件 (2011年度)
  • 双方代理人あり … 2.8%
  • 原告本人訴訟 …… 3.9% (被告にのみ弁護士)
  • 被告本人訴訟 …… 34.3% (原告にのみ弁護士)
  • 双方本人訴訟 …… 58.9%
少額訴訟の民事事件(通常訴訟)1万2754件 (2011年度)
  • 双方代理人あり … 0.4%
  • 原告本人訴訟 …… 2.9% (被告にのみ弁護士)
  • 被告本人訴訟 …… 7.9% (原告にのみ弁護士)
  • 双方本人訴訟 …… 88.8%

本人訴訟の勝率

2010年の統計によると、案件ごとに内容はさまざまで単純比較はできないものの、弁護士がついた方が勝訴できる可能性は上がることが分かる。下記に「原告の勝率」を挙げる。

  • 双方代理人あり … 67.3%
  • 原告本人訴訟 …… 32.4% (被告にのみ弁護士) … 勝率 34.6%ダウン
  • 被告本人訴訟 …… 91.2% (原告にのみ弁護士) … 勝率 24.2%アップ
  • 双方本人訴訟 …… 67.0%

著名な本人訴訟

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ デメリットの節で述べるように、これが当事者間の感情対立を激化させることもあり、必ずしも有利になるわけではない点に留意する必要がある。

出典

  1. ^ 谷直樹 2018, 第四章1
  2. ^ a b 訴訟を本人が自分でするとき(本人訴訟)と、法律の専門家が代理人となるときの長所と短所”. 東京都司法書士会. 2021年6月13日閲覧。
  3. ^ a b c d 谷直樹 2018, 第四章2
  4. ^ 民事訴訟Q&A”. 札幌地方裁判所. 2021年6月13日閲覧。Q1、Q15参照
  5. ^ 証人尋問”. 弁護士法人しんらい法律事務所 (2017年7月1日). 2021年6月13日閲覧。
  6. ^ 高橋宏志 2014, p. 99
  7. ^ a b c 谷直樹 2018, 第四章3

参考文献

  • 谷直樹『弁護士が教える中小企業・個人事業主のための裁判の教科書 上下巻セット(訴訟準備編&裁判実践編)Kindle版』長崎国際法律事務所、2012年。

関連書籍

  • 三浦和義『弁護士いらず : 本人訴訟必勝マニュアル』太田出版、2003年。
  • 石原豊昭、石原輝、平井二郎、國部徹『訴訟は本人でできる』自由国民社、2010年7月。ISBN 978-4426109813
  • 街中利公『実録 落ちこぼれビジネスマンのしろうと労働裁判 労働審判編: 訴訟は自分でできる! Kindle版』、2018年。
  • 橘玲『臆病者のための裁判入門』文春新書、2012年。

関連項目


 

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