写真 大栄翔が突き出しで北勝富士を破る=両国国技館
大栄翔9勝、正代かど番脱出 朝乃山7勝目、貴景勝は休場
内容をざっくり書くと
十両は初黒星を喫した剣翔が単独首位。
大相撲初場所10日目(19日・両国国技館)平幕大栄翔は北勝富士を突き出し、9勝目を挙げた。10日目を… →このまま続きを読む
共同通信
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剣翔桃太郎
剣翔 桃太郎(つるぎしょう ももたろう、1991年7月27日 - )は、東京都葛飾区出身の追手風部屋所属の現役大相撲力士。本名は安彦 剣太郎(あびこ けんたろう)。身長184cm、体重173kg、血液型はB型[1]。最高位は東前頭7枚目(2019年11月場所)。趣味は寝ること。得意手は押し、右四つ、寄り。好物は肉、マシュマロ、桃屋の『ごはんですよ!』[2]。
来歴
葛飾区立南奥戸小学校2年生の時に祖父から「優勝したら小遣いをやる」と言われて小遣い稼ぎのつもりでわんぱく相撲の大会に参加するようになると、葛飾区内では無敵の強さを誇るようになった。4年生から参加できる都大会への参加が決まるとその優勝賞金は倍に増やされたが、結果は1回戦負け。この時に相撲に負けたこと自体を悔しく感じたことで本格的に相撲を始める事を決意し、地元の葛飾白鳥相撲教室で稽古を始めるようになった。[3]5年時にはわんぱく相撲全国大会ベスト8の実績を残した。同学年の千代嵐とは出身地が近いことからアマチュア時代は何度も顔が合ったという[4]。同郷の千代大龍が小学6年生で相撲を始めた当初は自身が稽古に協力したと伝わるが、自身は千代大龍より3学年下なので千代大龍が中学に進学してからは面識が無くなったという。同郷の千代大龍と同じく葛飾区立大道中学校に進学し、3年時には全国都道府県別中学選手権3位に輝いた。[5]英乃海の後を追って進学した埼玉栄高校時代は3年時に高校総体団体優勝、全日本ジュニア体重別選手権100キロ以上級優勝など活躍を見せ、アマチュア時代の実績はこの頃が最も充実していた。大学も英乃海の後を追って日本大学文理学部体育学科に進学したが、大学時代は稽古に真面目に取り組まずに遊ぶようになってしまったという。[3]2年の終わりで改心して団体戦レギュラーの座を掴むも3年で左肘の靭帯を負傷してしまった。個人戦では1年から4年連続で全日本相撲選手権出場を果たし1年時と2年時にベスト32の結果を残したが結局もう一つのところで個人タイトルを逃し、結局大学時代は個人無冠に終わった。[6]なお大学の同期生には後に大相撲でも同部屋となる大翔丸がいる。
大学卒業間際に日本大学の1年先輩である遠藤を追う形で追手風部屋に入門し、2014年1月場所初土俵。動機は本人曰く「入門するなら勢いのある部屋がいい」とのことで、遠藤から刺激を受けることを望んだという。初土俵となる1月場所は3戦全勝で一番出世。翌3月場所、続く5月場所もそれぞれ7戦全勝として序ノ口優勝、序二段優勝の結果を残した。7月場所は始まる前から優勝した気になり油断したため、7番相撲で飛燕力に敗れて三段目優勝を逃した。幕下に昇進した9月場所では、高校・大学の先輩で、場所後に十両昇進を決めた英乃海にこの場所唯一の土をつ け、最後の相撲では幼少期から何度も対戦した千代嵐と対戦し、勝利。幕下優勝を飾った。[4]優勝インタビューでは「今場所は思い切り当たれる相撲がなく、余裕がなかった。まだ自分には筋肉や本当の地力がなく、感覚だけで取っている。(幕下上位の)来場所は、まずは勝ち越しを目標にしたい」と場所の総括を兼ねて抱負を語っていた[7]。前相撲デビューから6場所目にして関取目前となる東幕下4枚目まで昇進した11月場所は、最後の相撲で負けて初土俵以来初の負け越しを喫したが、2場所後の2015年3月場所で再び東幕下4枚目に戻ると今度は勝ち越した。その後1場所の負け越しはあったものの、幕下5枚目以内の番付で関取を窺う場所が続き、9月場所の時点で幕下5枚目以内での勝ち越しが3回を数えたにもかかわらず十両昇進が見送られた際は相撲雑誌に「5枚目以内で3回の勝ち越しで上がれなかったケースは全く珍しい」と投書が送られた[8]。しかし東幕下筆頭とした同年11月場所を5勝2敗と勝ち越して十両昇進を果たした。十両昇進と同時に、これまで本名のままだった四股名を「剣翔」と改めた。[9]新十両会見では「人気、実力ともに遠藤関を超えたい」と、日大の先輩で角界きっての人気力士の兄弟子超えを宣言した。これには同席した師匠の追手風も「難しいことを言うなあ」と苦笑い。それでも止まらず「1度もごちそうしたことないので、遠藤関にごちそうしたい。大きい顔したいです」とノリノリで話した[10]。迎えた2016年1月場所では千秋楽までもつれたものの8勝7敗と勝ち越し。この場所では奇しくも、自身と同時に新十両を手にした千代翔馬が同じ十両12枚目(剣翔は東、千代翔馬は西)でこれも同じ8勝7敗の成績を残している。その後は7~8勝の小幅の勝ち越しか負け越しを重ねる形で十両に定着したが、十両9場所目となった2017年5月場所は6日目の朝乃山戦で下手投げで敗れた際に腰を痛め[11]、残りの相撲の出場が危ぶまれる中で皆勤はしたが6勝9敗と、初めて7勝を挙げられずに終えることとなった。2018年1月場所も7勝8敗で終え、2018年3月場所前の記事では「そろそろ殻を打ち破る活躍を期待したい」と書かれた[12]。しかし、3月場所では殻を打ち破るどころか、自身初めての二桁黒星となる、4勝11敗と大きく負け越した。東十両14枚目で踏みとどまった5月場所では、逆に自身初めての二桁白星となり、3月場所とは勝ち数と負け数が逆の11勝4敗を記録した。千秋楽は勝てば十両優勝となる相星決戦で阿武咲との取組だったが、敗れて初めての十両優勝はならなかった。9月場所は自身6度目の7勝8敗となり、「8勝すれば安心しちゃうし、8敗するとヤバいと思う。気持ちの問題ですね」と反省し、27歳になった身として「もう上を目指さないといけませんね」と焦りを見せた[13]。2019年3月場所は6勝9敗と負け越し、翌5月場所は若干番付運に恵まれず3枚半下降となる東十両10枚目の地位を与えられた。7月場所は5勝2敗で迎えた中日から連勝し、14日目に初の十両優勝を決めた。最終的に13勝2敗と、自己最高の成績を残し十両優勝に花を添えるとともに、9月場所での新入幕を確実にした。11代追手風が創設した追手風部屋からは9人目となる幕内力士が誕生した[14]。新入幕の際には「長かったという気持ち。初土俵から5年半だけど、大卒なので全然早くないと思っている。(弟弟子の)大奄美や年下の大翔鵬に追い越されて上がりたい気持ちが強かった」と、かみしめるように話した。一方、新十両昇進時の会見で「人気、実力ともに遠藤関を超えたい」と対抗意識を燃やしていたことに対しては「あのときは調子こいていた。僕が大関になって勝てるかな…」と弱気な発言を残した[15]。その9月場所は13日目まで優勝争いに加わったが、14日目に4敗目を喫して事実上優勝戦線から脱落。千秋楽も黒星で場所を10勝5敗で終えたが、敢闘賞の受賞が決定した[16]。翌九州場所は幸運にも7枚上昇で自己最高位となる前頭7枚目の地位を与えられた。この場所は8日目まで5勝3敗とまずまずだったが、9日目からまさかの6連敗を喫し、千秋楽は照強を叩き込んだが、6勝9敗と負け越し。2020年初場所は2勝3敗で迎えた6日目の志摩ノ海戦で敗れた際に左ヒザを負傷し、休場こそしなかったが6勝9敗と2場所連続の負け越し。3月場所では、初日勝ったものの2日目から3連敗し、5日目から休場した。2021年1月場所は東十両8枚目の地位で迎える。14日目終了時点で11勝3敗、千秋楽の勢戦に勝利すれば十両優勝であったが、勢が前日の取り組みで左手親指の付け根を負傷、後に診断で骨折が判明して休場した為、不戦勝で相撲を取らずに2度目の十両優勝を果たした[17][18][19]。
取り口
新入幕時の報道によると「10種類はある」という変幻自在な立ち合いが武器で、直近2~3年の相手の取組を研究して場所に臨む研究熱心さも備えている。一方、持病の腰痛の具合が悪い場所では不成績に終わりがち[15]。
主な成績
2021年1月場所終了現在
通算成績
- 通算成績:282勝235敗10休(41場所)
- 幕内成績:23勝27敗10休(4場所)
- 十両成績:203勝187敗(29場所)
各段優勝
- 十両優勝:2回(2019年7月場所、2021年1月場所)
- 幕下優勝:1回(2014年9月場所)
- 序二段優勝:1回(2014年5月場所)
- 序ノ口優勝:1回(2014年3月場所)
三賞・金星
- 三賞:1回
- 敢闘賞:1回(2019年9月場所)
- 金星:なし
場所別成績
一月場所 初場所(東京) | 三月場所 春場所(大阪) | 五月場所 夏場所(東京) | 七月場所 名古屋場所(愛知) | 九月場所 秋場所(東京) | 十一月場所 九州場所(福岡) | |
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2014年 (平成26年) | (前相撲) | 西序ノ口12枚目 優勝 7–0 | 西序二段11枚目 優勝 7–0 | 東三段目21枚目 6–1 | 東幕下42枚目 優勝 7–0 | 東幕下4枚目 3–4 |
2015年 (平成27年) | 東幕下8枚目 5–2 | 東幕下4枚目 4–3 | 西幕下3枚目 4–3 | 西幕下2枚目 3–4 | 西幕下5枚目 5–2 | 東幕下筆頭 5–2 |
2016年 (平成28年) | 東十両12枚目 8–7 | 西十両9枚目 7–8 | 西十両10枚目 8–7 | 東十両10枚目 8–7 | 東十両9枚目 8–7 | 西十両5枚目 7–8 |
2017年 (平成29年) | 西十両8枚目 8–7 | 東十両8枚目 8–7 | 西十両6枚目 6–9 | 西十両9枚目 8–7 | 東十両8枚目 7–8 | 西十両8枚目 8–7 |
2018年 (平成30年) | 東十両6枚目 7–8 | 西十両7枚目 4–11 | 東十両14枚目 11–4 | 東十両7枚目 7–8 | 東十両8枚目 7–8 | 西十両8枚目 6–9 |
2019年 (平成31年 /令和元年) | 西十両11枚目 8–7 | 西十両6枚目 6–9 | 東十両10枚目 9–6 | 東十両6枚目 優勝 13–2 | 東前頭14枚目 10–5 敢 | 東前頭7枚目 6–9 |
2020年 (令和2年) | 東前頭12枚目 6–9 | 東前頭15枚目 1–4–10[20] | 新型コロナウイルス 拡大により中止 | 西十両7枚目 7–8 | 西十両8枚目 7–8 | 東十両9枚目 8–7 |
2021年 (令和3年) | 東十両8枚目 優勝 12–3 | x | x | x | x | x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
改名歴
- 安彦 剣太郎(あびこ けんたろう):2014年1月場所 - 2015年11月場所
- 剣翔 桃太郎(つるぎしょう ももたろう):2016年1月場所 -
脚注
- ^ 「相撲」編集部 編 『平成二十七年度 大相撲力士名鑑』 41頁
- ^ 新入幕の剣翔「桃」太郎、大好物は桃屋の「ごはんですよ!」 2019年8月26日 19時22分スポーツ報知(2020年2月1日閲覧)
- ^ a b ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2015年4月号(春場所総決算号) 104頁
- ^ a b ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2014年10月号(秋場所総決算号) 68頁
- ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2014年2月号(初場所総決算号) 114頁
- ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2014年4月号(春場所総決算号) 69頁
- ^ 【秋場所】栃ノ心が2場所連続十両優勝 2014年9月26日17時19分 スポーツ報知
- ^ 『大相撲ジャーナル』2017年1月号 p.102
- ^ 剣翔、千代翔馬が新十両昇進 再十両は千代の国、出羽疾風 SANSPO.COM 2015年11月25日(2015年11月25日閲覧)
- ^ 新十両の安彦改め剣翔ノリノリで兄弟子遠藤超え宣言 日刊スポーツ 2015年11月25日16時24分
- ^ 十両・剣翔が腰を負傷…7日目の出場は「分からない」/夏場所 SANSPO.COM 2017.5.20 05:00
- ^ 『相撲』2018年3月号 p.59
- ^ 『相撲』2018年10月号 p.65
- ^ 幕内昇進4力士 剣翔はうれしい新入幕 新番付 日刊スポーツ 2019年8月26日6時1分(2019年12月17日閲覧)
- ^ a b 剣翔「長かった」新入幕に笑顔、目標は先輩の遠藤 日刊スポーツ 2019年8月26日15時11分(2019年12月5日閲覧)
- ^ 殊勲賞は朝乃山、敢闘賞は剣翔と隠岐の海 相撲三賞 日刊スポーツ 2019年9月22日16時59分(2019年9月22日閲覧)
- ^ 相手休場し剣翔が不戦勝で十両優勝「不思議な感じ」日刊スポーツ 2021年1月24日15時49分(2021年1月24日閲覧)
- ^ 尚、対戦相手の勢はこの休場により、2005年春場所の初土俵以来続いていた連続出場が1090回でストップした。また14日目の勢の対戦相手は剣翔の弟弟子である大翔鵬だった。
- ^ 【初場所】骨折・勢の初休場に師匠・伊勢ノ海親方「悔しいと思う」 東スポWeb 2021年1月24日 14:56(2021年1月24日閲覧)
- ^ 左膝の前十字靱帯断裂、半月板損傷などにより約3週間程度の安静加療が必要な見込みのため5日目から休場
関連項目
外部リンク
- あびこ けんたろう (@S3cJx6gQWg4cy8Z) - Twitter
- 追手風部屋公式サイトの力士紹介
- 剣翔 桃太郎 - 日本相撲協会
- 剣翔 桃太郎 - 相撲レファレンス