(写真と事故とは関係ありません)
1日午前8時50分ごろ、岐阜県高山市の北アルプス西穂高岳(2909メートル)の山頂付近で、山口県山陽… このままもっと読む
PORTALFIELD編集部より
北アルプスのこの山域で唯一通年営業している山小屋が西穂山荘ですね。
今回の遭難が発生したのは西穂高岳の山頂付近とのことですが、遭難者男性から連絡があったのが12/30の16時35分頃、途中で道に迷って進退窮まったとしても通報時刻が遅すぎるのではないかと感じました。
西穂山荘を夜明け前後に出発したとして、西穂高岳の山頂までのピストンの行程にしても、連絡があるまで12時間ほどかかっているとみられ、この記事の内容だけで判断するとすると、明らかに歩くペースも比較的遅めだったと思われます。
遭難当時の現場の気象状況によりどうにもならないことは当然ありますが、気象状況が悪ければそもそも登らない判断、仮に遅めのペースだった場合はもっと早く引き返すことが必要ですし、ペースに問題なくどうにか山頂まで行けそうだとしても帰りの時間を考えたら勇気ある撤退も必要だったはずです。
西穂山荘からアタックして帰ってくる場合、通常は日帰りの行程になるため、万が一このような状況になった場合に一晩過ごせるだけの装備を持って行くケースは、建前論は別として、実際にはあまり多くないと思います。万全の準備をしたつもりでも、厳冬期の北アルプスの稜線付近でビバークするというのは相当過酷であることは想像に難くありません。
この時期の西穂高岳にアタックできる冬山スキルや経験をお持ちの方だったのかと思われますが、そうなると今回の遭難事故はそもそも防げたのではないかと一層悔やまれるところです。ご冥福をお祈りいたします。(元記事配信元:共同通信)
共同通信