一時代を風靡した幻の本が、文庫本として復刊された。
今は亡き芦沢一洋氏による、
この頃までは、
というより、「アウトドア」なる言葉さえ無かった。
ちょうどこの本が出る数年前から、
シュイナードのクライミング用品、ケルティーのパックフレーム、
同時に「バックパッキング」なる概念が入ってきて、
ただし、コマーシャルベースでのバックパッキングは、
ベトナム反戦やビートニクあたりから尾をひくヒッピーコミューン
その本質の概念の普及が見えだすのは、日本ではずっと遅れて、
この本は見事にそれらの「モノ」を表した本である。
アメリカ流を徹底した、
だが、それもアメリカ発の新概念である「バックパッキング」
その成果の一面は見事に表れて、
ヨーロッパ言語が殆どを占めていた登山用語も英語主体になってき
「アウトドア」という言葉と概念も普及した。
自然や環境に対する接し方も変わってきた。
「モノ」から入る哲学。
「ホールアースカタログ」などと同様、
文 金子圭一
構成 PORTALFIELD編集部
PORTALFIELD編集部より
今回ご紹介いただきました「芦沢 一洋 著「ヤマケイ文庫 バックパッキング入門 」と、是非、合わせて読んでいただきたい1冊をご紹介致します。
バックパッキングのハウトゥーとギアの紹介をこと細かに解説するコリン・フレッチャーの文脈の行間に、当時の時代の雰囲気を味わえる大著です。
さかいやスポーツ 金子圭一
「アウトドア」のあけぼの
日本に「登山」も「キャンプ」も「徒歩旅行」も有るけれど、「アウトドア」は無かった1970年代。
日本にバックパッキングのムーブメントが入ってきたとき、芦沢一洋氏の「バックパッキング入門」とともにバイブルとなった幻の書が復刊!
当時の日本ではケルティのパックフレームやジャンスポーツのドームテントなどを筆頭とするアメリカンなアウトドアグッズが爆発的にヒットしたが、バックパッキングの概念や哲学は必ずしも一緒についてきたとは言えなかったようです。
むしろ、そのようなカルチャー的な側面は、10年20年遅れてからようやく日本に普及してきた気がします。