神田神保町
アウトドア愛好者にとって、最も有名な登山用品店縦走コースのひとつ。
アウトドアショップやスポーツ用品店が多く立ち並ぶこの界隈は、言わずと知れた「世界一の古書街」でもあります。
本日は、神保町の「世界一の古書街」の顔を少しだけご紹介致します。


東西に走る靖国通りと南北に走る白山通りが交わる神保町交差点あたりを歩いているとふと、ふと古書独特のかおりが漂っているのに気が付くことがあるでしょう。嗅覚からも感じられるノスタルジックな雰囲気に心が高揚してきます。
このかおりは、2001年には環境省選定の「かおり風景100選」にも選ばれました。



神保町の古書街の特徴のひとつに、各古書店がそれぞれ専門分野を持っていることが挙げられます。

神保町の古書屋街は、明治時代以降、この街にたくさんの大学が創設され、学生や教授などの知識層を当て込み古書屋や書店が集まり作られていったという歴史がありますが、時代とともに大学の学部が多様化するのに併せ、各専門書店が増えていった言われています。
さて、そんな神保町の古書店街に「山岳関連」の古書を多く取り扱う書店があります。
「悠久堂書店」
創業は、なんと大正4年。2015年に創業100年を迎えた歴史ある老舗書店です。

1階には美術書、料理の本、ビジネス書などが並んでいますが、2階に行くと、山岳関連の本や動植物の本がたくさん並んでいます。
三代目店主、諏訪雅夫さんにお話を聞くことができました。
諏訪雅夫
悠久堂書店取締役社長
PORTALFIELDエキスパート
どうして山岳関係の本を扱うようになったのですか?

以前、ネットでこちらにくると「山と渓谷」や「岳人」などの雑誌が発売日より前に手に入るという情報をみかけたことがあるんですけれど実際のところはどうなんでしょうか。

裏の地図共販(日本地図共販)*1というとこの取次がなくなっちゃって、それからやってないの。
もう、3年くらい前かな。
今は雑誌はどこもきついでしょ。山の出版自体も減ってるよね。
お客さんの年齢層はどんな感じですか?

お客さんの層があがってきてるね。うちも山も50年くらいやってるから。
そのとき30代だった人たちが今、もう80代になってるから。
その層が死んじゃったら減りますよね(笑)
私たちの勝手な古書屋さんのイメージに、結構、マニアックな「◯◯という本ありますか?」というような問い合わせはよく受けるイメージがあるのですが、いかがでしょう?

ない本はないですよ。
値段が安い本、300円とか500円とかで売るような本は、あまりない。
そういうのはネットとかで探して何千円とかで買うしかない。向こう(ネットショップ)は100冊出して一冊売れればそれでもととれるんだし。そういうやり方もありますよね。
でも、それじゃ、続かない。
古書店さんならではの山岳関連の名著といえば、どんなものがありますか?

探しているもの(求められる本)というのは、時代とともに変わっていくね。
ありがとうございました。お二階を拝見させていただいてよろしいですか。

お写真を撮らせてくださいというと、ちょっと照れくさそうにしながらも、撮影に応じてくださった諏訪さん。古書屋の店主さんに声をかけるなんて、ちょっと緊張してしまうイメージがありましたが、これからも、たくさんお話を聞いていきたいなと思えるような素敵なお人柄でした。
次回は、貴重な山岳書が集まる悠久堂書店の2階の様子をお伝え致します。
乞うご期待!

*1 日本地図共販
1946年に「地図共販株式会社」として設立。国土地理院や民間出版社が発行する地図・旅行図書などの卸売を主力に事業を展開し、札幌・横浜・大阪・名古屋・福岡に営業所を開設するなど事業を拡大。しかし、近年、出版不況に伴う市場縮小で売上が落ち込んできたことと、取引先による大手取次店への帳合変更の影響で業績が悪化。2017年2月10日付けで東京地方裁判所へ自己破産を申請し倒産。
有限会社 悠久堂書店
代表者名:諏訪 雅夫
所在地:東京都千代田区神田神保町1−3−2
TEL:03-3291-0773
FAX:03-3291-0920
メールアドレス: yukyudou3291@gb3.so-net.ne.jp
ウェブサイト: http://yukyudou.com/aboutus/#gaiyou