2019年8月7日から9日、ポータルフィールド編集部で白馬〜祖母谷温泉へ抜けるマニアックなルートを歩いてきました!
今回の山行スケジュールはこんな感じ。
<1日目>
栂池自然園→天狗原→白馬大池→小蓮華山→三国境→白馬岳→白馬山荘
<2日目>
白馬山荘→清水岳→不帰岳避難小屋→祖母谷温泉
<3日目>
祖母谷温泉→欅平→富山→東京
1.賑やかな白馬から静かな清水岳へ
旭岳です。
頂上宿舎から清水岳方面の分岐からすぐ、雪田があります。
雪は、ほとんど溶けていてアイゼンは必要ありませんでした。
2.秘密の花園
清水岳までの道は、お花畑がたくさんと聞いていましたが、本当にまるで秘密の花園。
お花はたくさん、人はいません(笑)
まずは、コバイケイソウの群生。
朝日が当たって黄金に輝く尾根。
絶景とお花畑が続き、まるで天国!な清水岳までの道ですが、白馬岳から清水岳にかけて、まだ、草刈りが終わっていなかったらしく、腰丈くらいまで草が伸びていて足元が見えなかったり、ズボンがビシャビシャになったりと歩きにくい箇所もありました。この写真は、そうでもないのですが。。。実際にそんな箇所を歩いている時は、写真など撮る余裕はないものです。
コマクサの群生。
先行している人影を発見。この方々とは、この先抜きつ抜かれつしながら祖母谷までご一緒し、宿でのお夕食もご一緒、翌朝、トロッコで宇奈月温泉でお別れするまで、楽しい時間を一緒に過ごすことになりました。
ちなみに、この日、この辺りで、白馬から清水岳をピストンしているパーティに1組すれ違った以外、このご夫妻以外誰にも会うことはありませんでした。
清水岳に到着。「the山頂」という感じではなく、地味な看板があるだけ(笑)
清水岳から少し歩いたところで、雷鳥さんに遭遇!
昨日も会えたし、今回は雷鳥遭遇率高めです。雷にも遭遇したけど(笑)
清水岳を過ぎると、時々、池塘がある場所があります。
お花畑が素晴らしい、という前評判を聞いていましたが、こんな感じでずっと劔が見えているこの景色が続くのも素晴らしい。
歩いている人がいないので、こんな景色をずっとひとりじめすることができます。
「天国」は清水岳まで、と思っていましたが、その先の道もしばらく天国が続きます。
なんだか、本当に自分だけが別世界にワープしてしまったのでは?と不安になるくらい。(なんせ、誰も歩いていないので・・・・)
あー。そろそろ天国も終わりかな。。。
樹林帯に入ってきました。
3.不帰岳避難小屋(かえらずだけひなんごや)
不帰岳避難小屋に到着。
日当たり良好。近くに美味しい水が湧きでる沢あり。トイレはなし。内部は広いものの、ちょっとカビっぽい。
先ほど、清水岳でお話させていただいたご夫妻(tekutekugoさん)も避難小屋に到着。
彼女たちは一度、このルートを歩いたことがあるそうで
「天国はもうおしまい。もう、ご褒美はなし。ここからは地獄よー」
とニコニコしながらお話くださいましたw
CTでは、240分となっているのですが、事前に調べた情報でも、tekutekugoさんのお話でもとてもそのタイムでは無理だとか。
いったい、これから何が待っているのか。戦々恐々です。
ところで、このご夫妻、大きなザックを背負っていらしたので、
「どこから歩いてきたのですか?」
と尋ねると、なんと祖母谷温泉から唐松岳、キレットを通り白馬山荘へ。そして、私たちが今日歩いてきたルートを歩いているとか。
ひゃー、ガチ変態ルート!(笑)
かなりのベテランさんでした。
全く人気のないロングルートの最中、これだけしっかり歩ける方と抜きつ抜かれつご一緒できたということは、本当に心強かったです。
実は、この後、歩くのが必死で「地獄ルート」の写真をあまり撮って来られなかったのですが、tekutekugoさんのご好意で撮影されたお写真を提供してくださることになりました。ありがとうございます。山でのこんな出会いって、嬉しいですよね。
さてさて。そろそろ覚悟を決めて、地獄ルート歩きを開始しましょうか。
一足お先に、出発することにしました。
4.歩いても歩いても変わらぬ標高
不帰岳避難小屋を後に歩き始めてすぐに、こんな感じにロープがかかった場所がありました。
高さは、2−3mくらいのものなのですが、あまり踏まれてないので、足場が脆く、なかなか手強い。
劔などで「これぞ、岩場!」みたいな箇所がありますが、しっかりとどこに足をかければ良いかわかる場所があるというのはどれだけやりやすいか実感。
この後も、こんな感じで「見た目はそうでもないけど、大変!」な場所がいくつも出てきました。
樹林帯の中を登ったり降りたり、ひたすら歩くのですが、何時間たっても、いくら歩いても標高が変わらない!
遠くに見える山の高さが一向に変わらないといった状況が続きます。
時折、こんな巨大な倒木がゴロゴロ。
ザレザレでいやらしい感じのトラバース。
樹林帯の中でかなりの気温。とにかく暑い。このルート、熱中症にかかる人も多いようです。
私たちもいつになくバテ気味。
このルートには途中、途中に沢があり渡渉する必要があるのですが、普段なら緊張感もあって嫌な渡渉も「恵みの沢」に見えてきます。
沢にぶつかる度にザックを降ろして休憩し、顔を洗ったり水を汲んだり。
最後の方は、顔を洗うというより頭から水を被ってるような状況に(笑)
今後、このルートを歩く場合、「沢」の場所を予めチェックを入れておくと良い目安になると思います。
なんせ、これといった目標物がないまま、延々と樹林帯を歩くので。
5.疲れ切った頃にやってくる激下り
最終盤になってやっと標高を下げに来ます。
500mの激下り。疲れ切ってパワーがなくなってきたタイミングにこれはキツイ。
今までのツケを払うかのように、一気に標高を下げるとザレザレの広い沢に到着。
ここまで来れば後一息。ゴールが見えてきました。
6.祖母谷温泉到着
先ほどの枯れた沢を下るとすぐに林道に出ます。
もはや緩やかに下るだけの林道に出ても、スピードアップすることもなくテロテロと歩いて行きました。
しばらく歩くと、やっと祖母谷温泉に到着です。もう、足は痛いしヘロヘロです(笑)
宿に着くと、お母さんが「冷たいお水飲む?」と靴を脱いでいる間に冷たいお水を持ってきてくださいました。
そして、受付や記帳などは後でいいから、とそのままお部屋に案内してくださり、「お風呂に入っておいで」と。
「お母さん、ただいま!」って思わずいってしまいたくなるような暖かさに癒されました。
それにしても、無事にここに到着できてよかったー。
祖母谷温泉特集に続く。
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