in ,

白馬(栂池高原)から祖母谷温泉を歩く!〜祖母谷温泉特集

2019年8月7日から9日、ポータルフィールド編集部で白馬〜祖母谷温泉へ抜けるマニアックなルートを歩いてきました!

今回の山行スケジュールはこんな感じ。

<1日目>
栂池自然園→天狗原→白馬大池→小蓮華山→三国境→白馬岳→白馬山荘
<2日目>
白馬山荘→清水岳→不帰岳避難小屋→祖母谷温泉
<3日目>
祖母谷温泉→欅平→富山→東京

1.ホスピタリティ溢れる山小屋 祖母谷温泉

白馬岳山荘を出発してから、10時間以上。
暑さと想像以上に歩きにくいルートでヘトヘトになって祖母谷温泉に到着。

「こんにちはー。予約していたPORTALFIELDです」

と玄関口で声をかけると、祖母谷温泉のお母さんが出てきてくれました。

玄関口で登山靴を脱いでいると、お母さんが

「大変だったでしょ。冷たいお茶飲む?」

とよく冷えた麦茶を持ってきてくださいました。

「誰かが自分のためにお茶を入れてくれる」

長らく山旅をしていますが、こんなふうに出迎えられたのは初めての経験です。
暑い中、黙々と長い時間歩いて乾ききっていた身体に、そして、心に沁みました。

靴を脱ぎ終わり、宿泊手続きをしようとすると、

「そんなの後でいいわよ。まず、お部屋に行って、そしてお風呂に入ってらっしゃい。
夕食は18時ね」

とお部屋に案内してくださいました。

なんと温かな心遣いでしょう。
もちろん、その日は比較的空いていて、お客さん全てが把握できる状態であったというのもあるかもしれませんが、田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような、故郷に帰ってきたような感じで心から癒されました。
頑張って歩いてきて、ここに来られてよかった。
着いた瞬間からそう思わされる、ホスピタリティ溢れるおもてなしでした。

2.祖母谷温泉 女湯

お母さんの温かいお言葉に甘えて、部屋に荷物を置き、早速温泉へ。
まずは、女湯からご紹介いたします。

玄関を出てすぐのところに、女湯へ向かう階段が。こんな看板がありました。

女湯入り口。

脱衣所の様子。外からは見えないので安心です。

お風呂の横にはシャンプーとボディソープが完備。

広々としたお風呂。湯の花が浮かんでいます。高い仕切りに覆われていて、外の景色が見えないのが残念ですが、外からも見えないので安心してくつろぐことができます。

3.祖母谷温泉 男湯(隣にテント場)

続いて、男湯をご紹介。男湯は女湯の奥、テント場の隣にあります。こちらは、女湯と違い、どこからでも「見える」開放感あふれる仕様です(笑)

男湯はこの奥です

脱衣所は男湯も屋根、敷居があります。

男湯・テント場への階段の上から。女性は男湯へは入れませんが、テント場などに行くために女性が通ることもあります。

開放感あふれる男湯。

いい雰囲気です。

男湯の隣にテント場があります。

5.祖母谷温泉 小屋の様子

玄関にストックをかけて置ける場所があります。お部屋の中に持って入らないで良いのが嬉しい。
・・・けれど、これ、忘れて帰る人、結構多そう。特に祖母谷outの人はこの後ストックつかいませんからね。

電波は通じません。清水尾根も不帰避難小屋あたりから電波はないです。欅平一帯は駅以外、電波はないものと思っていた方が良さそうです。

玄関を入るとまず目に入るのが、この冷蔵庫。疲れて靴を脱ぐのもやっと、とか言いながら、即座にビールの銘柄をチェックしてしまいました(笑)黒ラベルとドライというのがナイスチョイス。

ビールなどの価格は、比較的お安くなっています。

食堂です。近くの席になった人とは自然と話が弾む座卓方式。おばあちゃんの家の食卓といった雰囲気がとてもいい感じです。

6.祖母谷温泉の夕食

dav

心がこもった手作りのお料理が並びます。きのこ汁は絶品。お米も柔らかくてツヤツヤしていてとても美味しかったです。大きな炊飯器がドーンと置いてあって、自由にお代わりをすることができます。

7.祖母谷温泉に集まる強者登山者たちとの山談義

アットホームな雰囲気の食堂で、さほど多くない人数で食事をしていれば、自然と始まる山談義。

「どっから歩いてきたの?」

大抵、この一言から話は始まります。

「白馬から清水尾根を降りてきました」

そういうと、あちらこちらから、

「きつかったでしょ。12時間近くかかったでしょ。」
「俺も、去年散々な思いした。あそこはもういいや」
「ほんと、ほんと。後半、地獄だよね」

みなさん、口々に「清水尾根、散々だった」と。

つまり・・・・みなさん、歩いたことがあるということですw

「皆さんは、どちらから?」

「俺はね、今年は、祖母谷から唐松行って、白馬行って戻ってきたの」

「さっき、清水尾根、もういいって言ってませんでした?(笑)」

「そう思ったんだけど、、、祖母谷気に入っちゃって。もう一度来たくてさ。」

・・・全然、懲りてませんw

清水尾根を私たちと抜きつ抜かれつ歩いてきたご夫妻もそのルート。

「清水尾根は前半が天国だから、まだマシよ。唐松への道はもっとひどい。ご褒美はないし、草ぼうぼうのなか、両端切れ落ちてるとこもあるし」
「それこそ、もう、あのルートはいいわ」

なんて、皆さん、どんだけ歩いてるの?という強者揃いの山談義で盛り上がっていると、玄関を開ける音が。。。

お母さんがいらっしゃらなかったので、私が出て行くと、

「泊めてください。仙人池から歩いてきました」

とテン泊装備の青年。

「仙人池から?????????」

また、物凄いのが現れた!(笑)

まあ、季節によっては、祖母谷ピストンで観光に来るお客さんもいらっしゃるみたいなので、いつもいつもこんななのではないのでしょうけど。

きっと、こんな強者どもの山談義が年中、ここでは繰り広げられているんでしょうね。

なんとも楽しい場所です。

8.祖母谷温泉で聞いた怖い話

お夕食もすっかり食べ終え、皆、山談義で盛り上がりながら、いい感じに酔っ払いお母さんが登場。
山小屋のご主人ならではの様々なお話を聞かせてくださいました。

その中から、本当に怖いお山のお話。

ある日の夕刻前、2人の登山者が祖母谷温泉にやってきました。
聞けば、3人パーティだったのだけれども、1人が調子悪く、下山に時間がかかっているので先に降りて来たとのこと。
自分たちは、
「翌日、仕事なのでこのままに東京に帰らなければいけない。置いて来た仲間の一人はそのうちここに来ると思うので、よろしくお願いします。」
そう言って、二人は祖母谷を後に、東京に帰ってしまったそうです。

しかし、暗くなってきても、もう一人の「仲間」はやって来ません。
心配した祖母谷温泉の息子さんが清水尾根を登って探しに行くと、その「仲間の一人」らしい男性が動けなくなって座り込んでいたのを発見。息子さんが背負って祖母谷温泉まで連れて来たそうです。

ただでさえ、蒸し暑く、ひたすら長い清水尾根。熱中症にかかってダウンする人も多いそうなのですが、そのかたは小屋について発熱。
熱中症の症状はかなり深刻だったそうです。

翌朝、病院へ搬送。その人は、1ヶ月間も間、入院しなければならなかったそうです。

さて、仲間を山中に置き去りにして東京に戻った2人ですが。
後日、富山県警に呼ばれ、こっ酷くお目玉を食らったとか。

当たり前ですよね。

山には、山怪など怖ーい話がたくさんありますが、何よりも怖いのは人間の薄情さかもしれません。

よく、山岳漫画「岳」で「山に捨ててはいけないものは?」

と問いかけるシーンがありますけれど。

「仲間」なんて答えは流石に考えもしませんでした。
姨捨山じゃあるまいし。

9.祖母谷温泉の朝食

お部屋には空調がないので夕方着いた頃は暑かったのですが、夜はひんやりして来て、ぐっすり眠れました。朝風呂に入った後、朝食をいただきました。(山に来て朝風呂なんて幸せすぎます。)
シンプルながらとても美味しい。また、嬉しいのが各テーブルに置いてある手作りの梅干しや佃煮。これがまたとても美味しくて、ご飯のおかわりをしないで入られれません。
昨日の疲れは、何処へやら。すっかり生き返りました。

10.祖母谷温泉を後に、欅平駅へ

欅平駅発宇奈月温泉行きの黒部渓谷トロッコ電車の始発は9時37分なので、8時40分ごろ祖母谷温泉を出発。欅平駅までは歩いて40〜50分くらいです。(黒部渓谷トロッコ電車の時刻表はこちら。)

お世話になった祖母谷温泉。この「祖母谷温泉」の文字を全て写真に収めるには、小屋のそばの橋を半分くらい渡る必要があります。

祖母谷温泉から欅平駅までの間にはトンネルが2つあります。こちらは、祖母谷温泉側にあるトンネル。

欅平駅の近くにある「名剣温泉」。日本秘湯を守る会の宿です。

人喰い岩。奥鐘山の岩肌をくり抜いて作られたそうです。

欅平駅到着です。ここからは黒部渓谷鉄道のトロッコ電車でおよそ1時間半かけて宇奈月温泉駅へと向かいます。

11.白馬栂池から祖母谷温泉ルートを歩いてみて

白馬に入って祖母谷へ抜けると言うルートは、全く違うエリアに自分の足で歩いて移動したという、なんとも不思議な感覚の達成感がありました。
清水岳の周辺は人も少なく、美しい景色が広がりとても素晴らしい場所です。
が、不帰避難小屋あたりから祖母谷への道は、歩く人が極端に少なく道が踏み固められておらず、歩きにくいうえ、コースタイムではとても歩けないと考えていいと思います。

正直なところ、誰にでもおすすめ出来るルートではありません。
もし、この記事を読んで、こちらのコースを歩いてみたいと思った方は、しっかりとした計画と装備を準備したうえ、ご自身の体力などを考慮したうえで臨んでください。

Googleなどの検索エンジンで探せます。
調べたい「山小屋」または「山の名前」  mikketa と入力してください。

あなたの評価は?

ピックアップする

配信者 PORTALFIELD浜崎

登山、ランニング、そして、タップダンスを楽しんでいます。

これまで最も記憶に残っている山行きは、下ノ廊下、そして、早月尾根から剣岳そして室堂への「劔越え」です。

ずっと学んでいるタップダンスは、舞台「クレイジーフォー・ユー」を観た翌日から始めました(笑)

どうぞ、よろしくお願いします。

白馬(栂池高原)から祖母谷温泉を歩く!〜白馬山荘から清水岳そして祖母谷へ

美味しいお食事とお洒落な喫茶タイムが楽しめる大天荘