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【2020最新レビュー論文中編】GARMIN GPSウォッチ fenix 6X 登山地図ナビゲーション完全マニュアル

(fēnix 6 series | Garmin ページより)

このレビュー論文では、先日購入したfenix6Xについて、登山やハイキングでの利用をベースとした上での実際の使用感を織り交ぜながら、機能や使い心地、操作方法、候補に挙がりそうな他機種との比較、使い方のコツやノウハウなどをレビューを交え、前編・中編・後編に分けて詳しく紹介していきます。

fenix 6シリーズの中でもfenix6Xにクローズアップしてマニュアル的に解説しているブログ記事はあまりないので、購入を検討される際のイメージ作りや、購入後の操作方法の参考になれば幸いです。これはブログ記事と言うより、文字数ベースだと論文レベルですが、読み応えのある内容に致しました。

全体を通して話の流れが繋がるようにしましたので、かなりのボリュームがあります。必要に応じて目次を使って下さい。目次は前編・中編・後編の全てを含んでいます。

目次

【レビュー論文前編】GARMIN GPSウォッチ fenix 6X 機能使い方詳細レビューと購入の決め手

GARMIN fenix6シリーズとは

fenix6Xの購入動機

fenix6シリーズのモデルによる違いを比較

fenix6Xの特徴

fenix6Xの機能
・スマートウォッチ
・音楽再生
・決済機能
・セーフティ機能
・Body Battery(ボディバッテリー)

スマートフォン連携アプリ
・Garmin Connect Mobile(コネクトモバイル)
・Connect IQ Store
・Garmin Explore App
・アプリやウェブサービスに関して

fenix6Xのバッテリー性能

fenix6XのGPS性能

【レビュー論文中編】GARMIN GPSウォッチ fenix 6X 登山地図ナビゲーション完全マニュアル

地図とナビゲーション
・GPSの軌跡ログをなぞるだけの使い方では、せっかくのGARMINが勿体ない。
・ナビゲーションについて、一旦整理してみます。
・登山でナビゲーションするための準備(fenix6XやハンディGPS)
・実際の山行でどのように使うか(出発まで)
・実際の山行でどのように使うか(出発後)

fenix6Xと「BaseCamp」の相性問題

「Connect」の致命的弱点

fenix6Xで複数ポイントを経由して目的地までルートナビゲーションを行うには?

【レビュー論文後編】GARMIN GPSウォッチ fenix 6X 登山地図ナビゲーションフィールドレビューと購入のコツ

いよいよ開封の儀&セットアップ

いざっ、フィールドへ!(①陣馬山→高尾山縦走編)

いざっ、フィールドへ!(②皆野駅→破風山周回編)

GARMINのハンディGPSとの比較

fenix6Xのトラブルシューティング

fenix6Xを購入する

fenix6Xの交換用バンド

おわりに

地図とナビゲーション

GPSの軌跡ログをなぞるだけの使い方では、せっかくのGARMINが勿体ない。

GARMINは皆さんもご存じの通り、登山やアウトドアシーンで利用されるGPS機器メーカーを語る時、真っ先に挙げられるメーカーの一つです。絶大な信頼感を誇るGARMINのハンディGPSを登山や山仕事に使っている方も多いかと思います。

そんなGARMINですが、ナビゲーション機能を活用している方はどれだけいるでしょうか

「車のナビじゃあるまいし、まさか登山道までナビできないでしょ」

「ナビと言っても、目的地までの直線距離と方向が表示されるだけでしょ」

「予めダウンロードしておいた軌跡(track)データをなぞれればそれで十分」

そう思われてる方、結構多いかと思います

結論から先に申し上げると、登山道でもナビゲーションできますし、直線距離と方向の代わりに実際に歩くルートの距離を表示することも可能です。それはイコール、目的地(例えば山頂なり山小屋)まであとどれくらい歩けばいいかの残距離を知ることができるということでもあります。

私はこれまで、あちこちの山を歩く系の仕事をしていたことがありますが、こうした機器に慣れている仕事仲間でも、どのようなナビゲーションができるのか知ってる方は少数派でした。

ナビゲーションについて、一旦整理してみます。

車のナビの場合、目的地を設定してそこまで案内してもらう訳ですが、基本的にはどこを通っていこうとあまり気にしないかと思います(経由地を設定したり有料道路を使うかどうか等指定もできますが)。

それに対し、登山の場合は、登山計画を立てる段階でどの登山道を歩いて、どのポイントを通過して、どの目的地に行くということを予め決めています

ここに両者の決定的な違いがあります。つまり、登山で利用するナビゲーションは「どの道」「どのポイント」「目的地」最低限これが分かればいい訳です。

それ、GARMINのナビゲーション機能で実現できます。もちろん、fenix6Xでも。

GARMINのハンディGPSを利用している方であれば、ウェイポイント(地点)やトラック(軌跡)という概念をご存じの方も多いかと思います。

先ほどの説明にあてはめると、ウェイポイントというのは「どのポイント」、トラックは「どの道」になります。

少なくともトラックさえあれば、少なくとも自分がどこにいて、トラックから外れて歩いていないかを注意していれば、ナビゲーション機能は不要な感じもしてくる訳で、スマートフォンと登山系アプリがあれば十分派の方もそれなのではないかと思います。

余談ですが、下で紹介してるモデルは、GARMINの「INSTINCT」。3万円台の価格帯では他社製の登山系時計と比べて抜群のコストパフォーマンスを誇ります。

fenix6Xと比べた際の一番大きな差が、時計上で地図が見られるかどうかという点。液晶もモノクロです。

機能面で「INSTINCT」に無いものとしては、PacePro機能、ゴルフコース系機能、セーフティ(自動通報)機能、音楽機能、決済機能、ConnectIQストアなど。日常使いとしてのスマートウォッチ、ランやゴルフなども含めた他アクティビティをする可能性がある場合には機能的に若干物足りないと思います。

INSTINCTは私も一時はチェックしました。が、冒頭で触れたように、今回新調するGPSウォッチにはGARMINのハンディGPSレベルのパフォーマンスを求めており、その時点で候補から外れました。

その他に、これは価格の差が大きいので差別化を図るために仕方無い部分がありますが、チェックすべき違いとしてはこれだけあります。【】内が「fenix6X」、()内が「INSTINCT」です。

ケース素材:【ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングステンレス】(繊維強化ポリマー)
レンズ素材:【サファイヤクリスタル】(化学強化ガラス)
バッテリー:【スマートウォッチ最大21日間】(最大14日間)、【登山時(常時GPS使用時のモード)最大60時間】(最大14時間)
内蔵メモリ:【32GB】(16GB)

あたりでしょうか。

以上比較した中で、わたし的に特に妥協できなかったのが、

・レンズ素材:サファイヤクリスタルの強度は、強化ガラスの代名詞的なゴリラガラスなどと比べても全く違います。化学強化ガラスと比べた時の差はそれ以上。登山で使う上でガラスのキズ耐性は重要です。実はこれは今回、fenix6Xのソーラーモデルを選ばなかったことにも繋がっています。と言うのも、ソーラーモデルはそれ用の独自のガラス(Power Glass)を使っているようで、ゴリラガラスともサファイアクリスタルとも説明されていません。この点が少し不安でしたので、今回はソーラーモデルをやめた次第です。

・バッテリー:登山時にGPSモード最大60時間は驚異的。登山で日中丸一日使う場合に少なく見積もっても4日間は持つと思われます。長期縦走をすることも多いのでこれは比較になりません。実使用的にはバッテリーの余力も考慮すると14時間だと1日程度です。これは持って行くモバイルバッテリーの大きさにも影響が出ます。

そのあたりの点がクリアできるようであれば、「INSTINCT」でも全く問題ありません。ご参考になれば。

話を戻します。この記事を読んで下さっている皆さんはおそらくGARMINというブランドや製品に興味を示している方であり、さらには最高峰モデルであるこの「fenix6X(ソーラーモデル含む)」が気になっているはずです。

そんな皆さんには、ぜひナビゲーション機能を活用して頂ければと。登山地図「山と高原地図」が時計上で見られるだけでも素晴らしいですが、この機能使わないのはとても勿体ないです。

登山でのGPS、ナビゲーション機能に求めるもの、そしてどのような使い方をしているかは皆さんいろいろかと思いますが、参考までに私の使い方を紹介していきます。

登山でナビゲーションするための準備(fenix6XやハンディGPS)

1. どの道を使い、どこを通り、その日どこまで行くのか登山計画を立てる。この時点で「山と高原地図」を利用するのがおすすめ

2. 計画を立てる際、通る予定の各ポイントの通過予定時刻をコースタイムから計算し後から分かるようにしておく。ヤマプラ」を使うと自動的に計算してくれて便利

(写真はヤマレコのヤマプラページより)

3. PCで「BaseCamp」アプリを起動させ、GPSに収録されている地図を表示させる。ハンディGPSやfenix6XをPCと接続すれば内蔵の地図(「山と高原地図」ベースの地形図)が表示されます

4. 「BaseCamp」の地図上でスタート地点と目的地、そして途中通過する場所のウェイポイントを作成。その際にウェイポイントの場所は「山と高原地図」のポイントと同じ場所に設定する(重要)

BaseCampを起動し、fenix6XをMacに接続して、内蔵されている「山と高原地図」を表示させたところ。剱岳周辺エリアが表示されています。

剱岳にウェイポイントを設定したところ。名前やアイコン、コメントなど自由に編集できます。

同様に前剱にウェイポイントを設定したところ。

5. ルート作成機能を使い、歩いて行く順にウェイポイントを結んでいきルートを作る。

剣山荘から剱岳へのルートを作成したところ。ウェイポイントをクリックしていくと、このように登山道に沿って自動的にルートが引かれます。

6. 作成したルートに、自分が分かりやすい名前を付ける(この例で行くと「剣山荘〜剱岳」とか)。

一覧表示されているウェイポイントに出発日時や到着日時が表示されていますが、この部分は利用しませんので、特に何か設定したりする必要はありません。

7. 作成したウェイポイントとルートを、接続しているGPS(ハンディGPSやfenix6Xなど)に送信する。

大まかな手順はこんな感じです。登山計画が決まったらこの準備をしておきます。

実際の山行でどのように使うか(出発まで)

1. スタート地点に着いたら、GPSのルート(コース)メニューから「剣山荘~剱岳」など事前に作っておいた歩くルートを選択。写真は先日歩いてきた、秩父鉄道皆野駅から破風山へのルートを選択しているところ。

2. GPSの測位が始まる。

3. ルートの計算と測位が完了するとナビゲーションが動作開始。

4. GPSの地図画面上には、これから歩いて行く道が色づけされて、ウェイポイントが表示されています。

5. 次のウェイポイントまで実際歩く距離、名称も表示可能です。

6. 「山と高原地図」のコースタイム(倍率は自分にあったものを)を見て、次のポイントを何時頃通過するのか確認。

7. 出発!

実際の山行でどのように使うか(出発後)

1. GPSに表示されている次のウェイポイントまでの残距離と、予め計算しておいた通過予定時刻を時々チェックしながら歩いて行きます

2. 上記のルート例だと現在地に応じて「前剱 1.1km」とか「剱岳 876m」など、そこまでの距離が表示されていきます。歩いていく道には色も付いてます。

3. ウェイポイントに近づいてくると、アラーム音やバイブレーションで知らせてくれます。分岐がある場合などに予め注意しておけます(地図と実際のポイントが若干ずれてることはたまにあるので)。

4. ウェイポイントに着いたら、現在時刻と通過予定時刻を照らし合わせ、ペースが速いのか遅いのかなど判断。

5. 同様に次のウェイポイントへ!これを繰り返していきます。

6. 目的地到着!

このナビゲーション方法のメリットは、次のポイントや目的地までのほぼ正確な距離がどこからでも確認できることです。予定時刻より早く着きそうか、遅く着きそうかの判断にとても役立ちます。車のナビと違って、「この先、右」とかそういう部分はあまり重要ではありません。表示はちゃんと出ますが。

大事な点は、「山と高原地図」のポイントとGPSのウェイポイントを同じ場所にすることです。これにより、ナビゲーションとコースタイムを関連付けることができます。

この記事の冒頭で、fenix6Xには「山と高原地図」が予め収録されている話をしましたが、それがこの方法を使うのにとても都合がいいんです。

つまり、「BaseCamp」に「山と高原地図」ベースの地図が表示されるので、「山と高原地図」と同じ場所にウェイポイントを設定していくのが究極的に楽なんですよ。表示されてるそのポイント部分をポチッとするだけ。

下の写真は、同じエリアの紙の方の「山と高原地図(剱・立山)」。紙の地図に載っている情報が、fenix6Xにも収録されていることが分かります。

これが別の地図だと、道の形や地形から判断してこのあたりだろうなあとポイントを設定するわけですが、これが結構大変で、通過ポイントが多いとひと仕事になります。

山で使う場合、収録されている地図がいかに重要か、簡単な例でしたがお分かり頂けたのではないでしょうか。SUUNTOやプロトレックスマートウォッチとの決定的な違いがここにあります。

fenix6Xには「山と高原地図」以外にも、道路地図、国内外41,000のゴルフコース情報に加え、世界中にある約2,000のスキーリゾートのデータ(スキーのコース名と難易度など確認可能)が収録されています。

ちなみに、「山と高原地図」がベースとなってる地図はGARMINから「日本登山地形図(TOPO10MPlusV4)」として¥17,000(税别)で単体販売もされていますが、そちらは地図バージョンがV4なのに対し、

fenix6Xに予め内蔵してあるものは、より新しいV5が使われています

fenix6Xと「BaseCamp」の相性問題

前章でナビゲーションについて解説しましたが、実は、fenix6Xでそれをやろうとすると一工夫が必要になります

先にも触れましたが、例えば、ランと登山とではアクティビティの性質がそもそも違います(トレランは一旦おいておきます)。その為、それぞれのアクティビティ管理に適した「BaseCamp」「Connect」「Explore」などのアプリやウェブサービスが個別にできた訳ですが、fenix6Xはマルチスポーツ対応を謳ってるだけあって、3つ全てに対応してます

ただ、それ故に使い分けに困る状況が発生してきます

さらに話がややこしくなるのが、それぞれのアプリやサービスで利用されている用語が揃っていません

「BaseCamp」だと「ルート」「ウェイポイント」で、「Connect」だと「コース」「コースポイント」のように。

それに絡んでくるファイル形式もお馴染みのGPXファイルの他にTCXFITというファイル形式があり、さらに複雑度を増します。それぞれの違いはこのページの説明が分かりやすいです。

WHAT EXACTLY IS THE DIFFERENCE BETWEEN A COURSE AND A ROUTE?
(コースとルートの違いは何ですか?)
http://junyelee.blogspot.com/2015/05/what-exactly-is-difference-between.html?m=1

ハンディGPSであれば、「BaseCamp」を利用してウェイポイントとルートをPCに接続したハンディGPSに送信するだけで準備完了です。

ハンディGPSのメニューから作成したルートを選ぶだけで、前述のようなナビゲーションが行われます。fenix6Xは「BaseCamp」に対応してますので、同様の手順で大丈夫だと思ってました。

が、思うように動作しません。

PCでBaseCampを使ってfenix6Xに同じデータを送信しても、なぜか「ルート」が「トラック」に変換されてしまいます。しかも、ウェイポイント地点を直線的に結んだだけのトラックデータです。

このトラックにはウェイポイント情報は入っていないので、次の地点はどこ、距離は何kmとナビのしようがないわけです。ルート案内機能に対応した製品でないと「ルート」機能は使えないんですが、fenix6Xにはルート案内機能は備わっています。

いろいろ調べて、アメリカのGARMIN公式サイトには掲示板形式で情報を交換できるフォーラムがあるので覗いてみると、今回の話は、動作おかしくない?不具合じゃないの?的に既に話題がいくつか上がってました。BaseCampで思うようにならないとか、一部の情報が表示されないなどなど。

下記がGARMIN公式フォーラムです。この件について取り上げてるスレッドをいくつかピックアップしました。

fēnix 6 series – Wearables – Garmin Forums
(fenix6シリーズ GARMIN公式フォーラム)
https://forums.garmin.com/outdoor-recreation/outdoor-recreation/f/fenix-6-series

Hiking, how to show distance to next waypoint?
(ハイキングで、次のウェイポイントまでの距離を表示するには?)
https://forums.garmin.com/outdoor-recreation/outdoor-recreation/f/fenix-6-series/174773/hiking-how-to-show-distance-to-next-waypoint

“Next Waypoint” and “Distance to Next” showing distance to next TURN
(次のターンまでの距離を示す「次のウェイポイント」と「次の距離」)
https://forums.garmin.com/outdoor-recreation/outdoor-recreation/f/fenix-6-series/192222/next-waypoint-and-distance-to-next-showing-distance-to-next-turn

Courses and Waypoints
(コースとウェイポイント)
https://forums.garmin.com/outdoor-recreation/outdoor-recreation/f/fenix-6-series/172371/courses-and-waypoints

No Turn by Turn Notifications when hiking (walking activity)
(ハイキング時のターンバイターン通知なし(ウォーキングアクティビティ))
https://forums.garmin.com/outdoor-recreation/outdoor-recreation/f/fenix-6-series/206574/no-turn-by-turn-notifications-when-hiking-walking-activity

Navigating a route created by Garmin Explore with turn by turn.
(Garmin Exploreで作成されたルートをターンバイターンでナビゲートします。)
https://forums.garmin.com/outdoor-recreation/outdoor-recreation/f/fenix-6-series/204656/navigating-a-route-created-by-garmin-explore-with-turn-by-turn

このフォーラムはユーザー同士で意見を直接交わせるので、情報の量が多く、鮮度も高いのでとても参考になりました。一つ前のモデルである「fenix5シリーズ」のフォーラムも要チェックです

GARMINの公式サポートページの説明「GPXファイルとFITファイルは同じアクティビティで異なるデータを表示します」によると、

一部のGarminデバイスは、GPXファイル形式とFITファイル形式の両方でトラックデータを同時に記録する事ができます。
これらのファイル形式は特定の用途に合わせて設計されており、それぞれ独自の長所があります。
なお、データを別々に記録するため2つの形式を比較すると、同じアクティビティでも多少異なるデータが表示される事があります。
最良の情報を得るには、GPXファイルを表示するときはGarmin BaseCampアプリを使用し、FITファイルを表示するときはGarmin Connectを使用します。

fenix6Xはまさにこの「一部のGarminデバイス」に該当します

ハンディGPSならGPXファイルを中心に取り扱えば事が足りるんですが、fenix6Xの場合、このFITファイルも絡んでくるために、登山で使用する場合にどちらを使うのがベストなのか?というか、GARMINの説明自体が分かりにくく、各アクティビティで最良の情報を得るにはどちらがいいのかの判断がされていません。

「Connect」の致命的弱点

一方の「Connect」ですが、こちらもコースを作成することは「トレーニング」メニューから簡単にでき、線も自動的に道路に沿った形にしてくれます。下のスクリーンショットは、大手町から皇居を反時計回りでたどるルートを作成しているところです。地図上をポチポチやるだけで線が引かれます。

コースポイントを使えば、ウェイポイント的な途中のポイントを設定することも可能です。上のスクリーンショットの例では千鳥ヶ淵にコースポイントを設定しているところです。

「Connect」で作ったコースは、fenix6Xでのナビゲーション中に次のコースポイントの名称、距離ともに表示されます

ただ、登山やハイキングで使用する前提だと「Connect」には致命的な弱点があります

それは、地図です。「Connect」はスマートフォンアプリやウェブ上で利用できる反面、使える地図は予め用意されているGoogleマップとOpenStreetMap、HERE地図に限られます。せっかくfenix6Xに山と高原地図ベースの詳しい登山地図が入っていても、それが使えない訳です。

前述のようなナビゲーションをさせるには途中のポイントを登録しておくことが必要ですが、これをするには、紙の「山と高原地図」を見ながら同じ地点っぽいところをGoogleマップなどそれら地図上で設定していくという作業が必要になります。これだけで済めば手間がかかるだけの話ですが、「Connect」で登山ルートを作成する際の最大の壁になるのが、GoogleMapやそれら地図には登山道が全て載っているわけではないという点です。

下の例は、先ほど例に挙げた剱岳周辺のGoogleマップです。剱岳はかろうじて表示されていますが、登山道を始めほとんど情報がありません。

そもそも道が載ってなければ、自動的に線を引くことはできません

道が無くても、カクカクっとしたコースを手動で作ることはできますが、それだとポイント間の距離は実際の道の距離とだいぶ違ってしまいます。

OpenStreetMapの方は、ある程度までは登山道も掲載されていますが、国土地理院地形図や山と高原地図には及びません。で、こちらにも壁が存在していて、こちらの地図に切り替えようとすると、

OpenStreetMapで作成されたコースは公開され、Garmin Connectの全コミュニティで表示および使用できます。
OpenStreetMapは、オープンソースの地図データです。すべてのデータは匿名での利用が可能で、データは一般に公開されます。 個人情報が共有されることはありません。 あなたと他のユーザーがこのGarmin Connectコースをダウンロードすることができます。

と、でーんと表示されます。この地図を使うにはコースの公開が必須になってしまう訳です。登山に使う際に必要となってくる山小屋などの表示なども無く、そこまでして使う必要性感じないなと。

登山関連サイトなどでダウンロードできる、登山道をトレースしてあるトラックが含まれるGPXファイルなりTCXファイルなりをConnectにインポートするやり方もあるんですが、トラックはコースとしてインポートされるものの、コースポイントは手動で設定する必要があります

手動で設定する際にも表示されている地図は情報量が少ない地図ですので、等高線や道の曲がり具合などからポイントを落とすほかなく、正確な位置にポイントを設定できるかは微妙です。アバウトな位置で良ければ、そもそも今回の方式のナビゲーションをする必要ありませんし。

このような訳で、登山やハイキングでのGPSナビゲーションをさせるための準備に使うには「Connect」はいまいちです。

そもそも、「トレーニング」メニューから登山やハイキングのコースを作成する時点で言葉的に何となくしっくりきません。

fenix6Xで複数ポイントを経由して目的地までルートナビゲーションを行うには?

How to perform route navigation to destination via multiple points with GARMIN fenix6X?

このあたりで、諸々整理してみます。

実現したいこと

・A地点からB地点とC地点を経由してD地点へ行くナビゲーション(経由地点数は自由)

・ナビゲーション中は、最終目的地(D地点)や次のポイント(B・C地点)までの距離と名称を表示したい

・突然サービス終了とかあり得るので、GARMINが直接提供するサービスなりアプリではない外部サービスを使うのはなるべく避けたい。

「BaseCamp」と「Connect」をまとめてみると

・「BaseCamp」と「Connect」とでは、用語や概念などが違い、ルート・コースを設計するという同じ目的で使用しても、fenix6Xの動作が同じになるとは限らない。

・登山向けの地図が使えるか?「BaseCamp」→使える、「Connect」→使えない

・ルートの概念があるか?「BaseCamp」→ある、「Connect」→ない

・ウェブやスマートフォンアプリでデータの作成や管理ができるか?「BaseCamp」→できない、「Connect」→可能

・道に沿った線を自動的に引けるか?「BaseCamp」→可能、「Connect」→可能だが、肝心の登山道が載っていない

・ルート計算がされるとはどういうことか?:指定した地点(ウェイポイント・コースポイント)を通る道に沿って自動で線が引かれること。

・「Connect」のコースポイントは、そのコースのみでしか使えず、「BaseCamp」のウェイポイントのように使い回しができない。コース作成の度にコースポイントを設定する必要がある。

・コースの場合、コース名は設定できるものの、出発地名と目的地名を設定する概念がない。

fenix6Xの挙動としては

・現在位置から目的地を設定するだけの二地点間ナビゲーションであれば、「BaseCamp」や「Connect」を使わずとも、時計本体の操作だけで地図上で道、目的地名、実際に歩く残り距離が表示できる。

・複数地点(ウェイポイント)を設定し、ルートとしてfenix6Xにインポートしても、コースに変換されて各地点が直線で繋がるだけの表示になってしまう。直線距離での残距離は表示される。

・fenix6Xの「設定」→「ルーティング」→「コース」で、「コース優先」と「地図優先」のモードが選べる。コース優先は直線が表示されるのみ。地図優先は道が示され直線表示で無いものの、通りたいコースを通るとは限らない

・アプリなどを使わずにfenix6X本体上でコースを作成しても、期待するナビゲーション動作にはならない。(ファームウェア V5.1)

ここまでまとめると

・fenix6XはFITファイルであれば、コースとポイントの順番をセットにして認識可能。GPXファイルを使うことで個々のトラックやポイントを認識可能。

・「BaseCamp」でルートを作成し、FITファイルをfenix6Xにインポートするやり方が良さそう。

・「BaseCamp」ではFITファイルを作成できない。GPXファイルやTCXファイルは作成可能。

・であれば、GPXやTCXファイルから、fenix6Xで認識するFITファイルに変換できればいいのでは。

・ただし、全てのFITファイルがfenix6Xで認識されるとは限らず、FITファイルの内容によって相性のようなものがある。

以上、こんな感じになります。

以上を踏まえて試行錯誤した結果

1. 「BaseCamp」でウェイポイントとルートを作成する。作成したルートからトラックも作成する。これらを一つのリストにしておく。

2. 「BaseCamp」で先ほど作ったリストをGPXファイル(①)としてエクスポート。

3. 「BaseCamp」で先ほど作ったウェイポイントを、接続してあるfenix6Xに送信。

4. 「JaVaWa RTWtool」(外部ソフト)を使い、①ファイルのウェイポイントとトラックを選択し、TCXファイル(②)にコンバート。その際、トラックはコースに(「Add course points」にチェックは入れない)、ウェイポイントはコースポイントに変換するよう設定。

5. 「CourseTCX2FIT」(外部ソフト)を使い、②ファイルをFITファイル(③)にコンバート。

6. ③ファイルをfenix6Xの「NewFiles」フォルダに入れる。Macであれば「Android File Transfer」が使えます。

この一連の作業で、ウェイポイントとルート的に機能してくれるコースがfenix6X内で作成され、実現したいナビゲーションが利用できるようになります。

作業手順の出力や変換などの各処理はほんの一瞬で完了するので、慣れてくればこの作業そのものも特段面倒には感じないかと思います。

注意点としては

・PCが無いと「BaseCamp」「JaVaWa RTWtool」「CourseTCX2FIT」いずれも使えない。

・「JaVaWa RTWtool」と「CourseTCX2FIT」は少し古いソフトなので、MacにしてもWindowsにしても、どのOSバージョンでも正常動作するとは限らない。

・「JaVaWa RTWtool」でFITにも直接変換できるが、その場合、ポイント名の全角4文字目以降文字化けする。それを避けるために「CourseTCX2FIT」を利用する。

・GPS系のファイル変換サービスやアプリはいろいろあるので、GPX→FITの変換方法は他にもありそう。

・fenix6Xのファームウェアがバージョンアップした際に、この方法が今後とも使えるとは限らない。

・アクティビティのデータ管理において、登山やハイキングに関しては「BaseCamp」から「Connect」への完全移行はまだ時期尚早かも。

参考になったページ

Is it really this complicated to import Routes/Courses? C’mon Garmin!
(ルート/コースをインポートするのは本当に複雑ですか?ねえ、GARMIN!)
https://www.reddit.com/r/Garmin/comments/68sls6/is_it_really_this_complicated_to_import/

Question on a couple Data Fields
(いくつかのデータフィールドに関する質問)
https://www.reddit.com/r/Garmin/comments/c1c0cz/question_on_a_couple_data_fields/

Garmin Connectのコースポイント機能を研究してみました(後半)
https://cycle.photo-blog.jp/archives/21597

FIT File Tools
https://www.fitfiletools.com/#/top

BaseCampまたはHomePortからのユーザーデータのエクスポート
https://support.garmin.com/ja-JP/?faq=nUafs1jM6r3cRmHNg57GP7

まあそもそも、fenix6Xが「BaseCamp」で作成した「ルート」を「ルート」なり「コース」として普通に認識してくれればいいだけの話なので、将来的なファームウェアのバージョンアップで全てあっさり解決されそうな感じはします。何となく、現在のファームウェア(V5.1)の不具合っぽい雰囲気感はありますし。

以上の話は、あくまでfenix6Xのナビゲーション機能を登山やハイキングで使う際のノウハウなので、ランとかゴルフとかであれば「Connect」を使えば何も問題はありません。

トレランはどうしたらいいのか、ベストな答えはすぐには思いつきません。やっぱり登山寄りのやり方でやるしかないでしょうね。走ってる場所が場所ですし。

これまでのGARMINの動きを見ていると、今後は「BaseCamp」のようなPCアプリを使う方法ではなく、「Connect」のようにウェブ上で管理できるシステムにシフトして行きたいんだろうなと感じられます。

ただ、「Connect」はネット環境さえあればどこからでもアクセスできますし、便利といえば便利なんですが、細かい部分の詰めがまだ甘い印象です。将来的には「BaseCamp」の機能が「Connect」に統合されていってくれれば理想的です。

今回購入したモデルはこちら。「GARMIN fēnix 6X Sapphire Black DLC」です。

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配信者 PORTALFIELD高橋

PORTALFIELDをご利用頂きありがとうございます。これからも、素敵な方との出会い、またその方を皆様に紹介できること、新たなサービスをご提供できることを楽しみにしております。一人でも多くの方に気軽に使って頂けるような、便利で身近なサービスを目指してまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。登山やスキー、キャンプ、アウトドアをはじめ、皆様のフィールドアクティビティがより一層充実したものになりますように。

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