2016年11月13日、2017年1月13日、3月27日と三度にわたる「立山黒部」の保全と利用を考える検討会を経て、富山県は「立山黒部世界ブランド化推進会議」を設置。
2017年6月1日、東京にて第1回会議が開かれました。
この会議の後、阿曽原温泉小屋の主人、佐々木泉さんが構想を検討するブランド化推進会議の委員19人に対し「安全対策をまず考えるべき」と県内外の山岳関係者や現場の人たちから集めた声をまとめた意見書を提出するなど、様々な立場の方から様々な意見が出ます。
PORTALFIELDでは、できるだけ様々な角度、様々な立場の方々の意見を少しでも多くの方に届けることによって、たくさんの方がこのプロジェクトに関心を持って頂きたいと考えています。
今回は富山県が進める「立山黒部プロジェクト」に関して、立山町ホームページ「町長コラム」に投稿された立山町長の意見をご紹介致します。
「町長コラム」に投稿された内容の概要は以下の通り。
町長コラム「立山黒部」世界ブランド化のために立山町ができることは その1 2017年8月31日掲載
・第一回『立山黒部』世界ブランド化推進会議について
会議では、黒部ルート(黒部峡谷鉄道欅平駅から黒部ダムまで)の旅行商品化を迫る富山県知事に対し、安全対策面から難色を示す関西電力の役員との激しい議論となり、翌日の新聞にも大きく取り上げられました。
一方、委員である立山山荘組合理事長とオブザーバーである環境省長野自然環境事務所長の二人から、アルペンルートの早期開業について「安全面」から疑問を呈する発言が何度もあったことについて、この記事では一般には伝わらないだろうと、オブザーバーとしてその場にいた私は感じました。
・富山県民会館において、ブランド化推進会議の第1回ワーキンググループの様子とメディアの取り扱い
議事(発言)録を読めば、立山山荘協同組合理事長と長野自然環境事務所長が、アルペンルートの早期開業と営業時間の拡大について、安全面や自然環境について懸念する真剣な発言があったことがわかります。しかし、7月29日付けの某地元紙での取り扱いは小さいように思えます。
・阿曽原温泉小屋 佐々木泉さんによる意見書の紹介
立山黒部アルペンルートは近年団体客を中心に国内客が減少し、それを雪の大谷のシーズンに集中するインバウンド(海外客)の増加によりなんとかカバーしているのが現状です。そのため、開業の前倒しを望む声が高まっていますが、かといって、事故があってはすべてが台無しになります。
立山黒部アルペンルートは、雪の大谷のシーズン(6月下旬まで)だけでなく、他の季節でもいろんな楽しみ方があります。
財政規模の小さい立山町ではありますが、立山町にできること、やってみたいと考えていることを、次号で紹介させていただきます。
全文はこちらに掲載されています。
「立山黒部」世界ブランド化のために立山町ができることは その2 2017年9月27日掲載
立山黒部アルペンルートの運営会社がその日、悪天候のため運行不能とならない限りキャンセルされないインバウンドが集中する雪の大谷のシーズンを1日でも長くしたいとするのはこのためです。
立山駅近くの駐車場が早朝から満杯のため、ときに900m以上離れた臨時駐車場から歩かれるお年寄りを見かけることがあります。
そのため、数年前、駅から最も近い駐車場(230台分)を管理している富山県に対し、ハイシーズンだけでも有料化(1日500円程度)の実証実験をしたいと提案しましたが断られました。
「いい天気だから、称名滝とコーヒーでも」と来られた方が、称名滝に近い駐車場が満車のため長い坂道を歩いてこられます。しかし、これも県からNOとされました。
致し方ないので、立山町が、観光客の皆さんに喜んでもらえるために他にできることはないかなと考えました。
その1つが、立山駅前ロータリーの無電柱化です。立山黒部の玄関口に相応しい景観にブラッシュアップするのです。
但し、国土交通省から事業費の約1/2の交付金をあてにしているとは言え、残りは町負担となってしまいます。そのため、全国の立山フアンにふるさと納税(寄附)での応援をお願いしています。
こちらから全文を読むことができます。
PORTALFIELDでは、一連のプロジェクトについて複数回に分けてレポートしていきます。ぜひご覧下さい。