2016下ノ廊下、旧日電歩道ルート。10/16黒部ダム→阿曽原温泉小屋編4
この日の行程:ロッジくろよん→黒部ダム→内蔵助谷出合→別山谷出合→白竜峡→十字峡→S字峡→仙人谷ダム→阿曽原温泉小屋
このページで紹介の区間:十字峡→S字峡
リラックスして休憩できる十字峡
ここまで写真を撮りつつの細かい小休止は何度となく取ってきたものの、別山谷出合を出発して以来、ザックを下ろして休めるような場所は無かったので、十字峡吊橋の上部に位置する十字峡広場で10分ほど休憩を取って行動食を食べることにします。
十字峡広場はそこそこ広くて休憩を取るにはぴったりの場所です。周りを木々に囲まれており、視界的にも断崖絶壁などを見ることなくリラックスできます(笑)
予定していた時間との比較、この先の見通し
ここまで特別に急ぐこと無く、写真も好きなように撮って歩いてきましたが、コースタイムと大きくズレていることも無く一安心。黒部ダムを5:40頃に出発し、途中休憩を考慮した場合で十字峡を10:35頃に出発するというスケジュール感でしたが、この日はこの時点で10:45頃。このペースで行けば阿曽原温泉小屋に着く時間も問題無いだろうと少し安心感が出てきました。
ただこの先、吉村昭の小説「高熱隧道」の舞台になった仙人谷ダムを通るんですが、今回の下ノ廊下、旧日電歩道山行でとても楽しみにしてる場所の一つなんですよね。
現地に行ったらおそらく感慨にふけってしまい、施設をじっくり見物したり相当写真を撮りたくなるんだろうなと。だいぶ時間を食ってしまいそうな気もするので、まだまだ油断禁物です。
十字峡吊橋を渡ります
今回のルートで初めてとなる吊橋、十字峡吊橋が出てきました。この吊橋に限らず、このルート上に出てくる吊橋は「一人ずつ渡橋して下さい」な旨の看板がありました。
十字峡吊橋はそれほど長くないのでいいんですが、混雑してる時は渡橋の際の待ち時間が発生することもあるようです。それに加えて反対側から歩いてくる人もいるわけで、おそらく渋滞ポイントになりそうな気がしました。
このテのスカスカの吊橋、苦手です。この橋も板二枚分の幅はありますが、せいぜい男性の肩幅くらい。脇にはワイヤーが通ってるのでそれに手をかけることはできるんですが、連なる縦のワイヤーのせいで進むごとに持ち替える必要があり、掴みながらの移動は少し面倒。実際には手を添えるくらいでしょうか。
で、この橋、というかこのルート上の橋全て、歩くと上下に結構揺れます。これが怖い。十字峡は見えるかなあ、と時折キョロキョロしてみましたが、緊張気味で何を見たのかいまいち覚えてないです。カメラで周囲撮るなんて、とても(笑)
橋の終わりに近づいてきて少し安心したせいか、やっとこの辺りで十字峡を探してる一枚ですが、ここまで来てしまうともうほとんど見えないです。何となくそれっぽいのは見えましたが、それがそうなのか確かめるすべも無く、そのまま渡ってしまいました。
数日違いで同時期に歩かれてた方の話なども併せて思い返してみると、もっと手前からだとよく見えた感じです。この写真では手前が黒部ダム側、奥が阿曽原側になります。
ちなみに先ほどの十字峡広場は黒部ダム側から来ると橋を渡る前になります。ご参考まで。
十字峡吊橋からの写真はこちら。これは十字峡があるのと反対側(黒部ダム側を背にして橋の左側)になります。橋から撮った写真が無いので、一緒に歩いていた友人から借りた一枚です。
(2016年11月12日追記)
その後、これは後日談になるんですが、友人が数日前に同じルートを歩いていまして、十字峡吊橋からの写真を見せてもらう機会がありました。あまりの綺麗さにほとんど絶句。お願いして掲載させてもらいました。
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流れといい、水の色といい、素晴らしいです。うーん、見たかったなあ…(笑)
まずはS字峡を目指します
十字峡を過ぎてしばらくすると景色はこんな感じ。山の斜面に木々が増えてきて印象が少し変わってきます。
見上げてみるとこんな感じ。岩を隠す緑が増えて柔らかい雰囲気に。
そんな感じで少し周囲を眺めてたんですが、青空が見えてる中心の下辺り、人工物のようなものが見えます。目を凝らしてみると、
なんと建物が見えます!場所が場所だけにおそらく関西電力関係の施設なんでしょうが、これまた凄い所に建設したものです。
この辺りから谷は再び深くなり、道も高度を上げていきます。
水面は白くなってきて、流れが速くなってきました。
来ましたー!
これまたいかにも下ノ廊下!な場所にやってきました。ここまで十字峡から歩くこと40分ほど。
ここはルートが曲線を描いているので、手前側から歩いていく先の道が見えるスポットになっています。
下ノ廊下で画像検索するとよく出てくる場所の一つがここです。実際に断崖絶壁で高度感もある箇所ですが、なんといってもこの見た目が凄い!皆さんここで写真を撮るのがよく分かりました(笑)
道の端には丸太が設置してあるので歩いていて視覚的には多少安心感ありますが、おそらくこれはただ置いてあるだけ、な状態に近いと思います。転んだりして力が加わったらそのまま落ちていきそうでした。
足元は別山谷出合〜白竜峡にかけての区間より若干フラットですが、岩の上を歩くので滑りやすいです。雨の日は特に転落、滑落に注意です。
作廊谷合流点に到着
先ほどのポイントを過ぎて間もなく、作廊谷合流点を通過します。ここは地図を見てもどういうポイントなのか不明でした。
谷からはだいぶ高さがあります。この日の行程ではこの辺りが一番高度感ある場所な感じでした。
この辺りは足元の幅がかなり狭い箇所もありました。丸太の足場は滑りやすいので、引き続き注意が必要です。
少し幅がある所で振り返り。断崖絶壁を歩いてきてるのがよく判る場所です。
半月峡までやってきました。ここは山と高原地図でもポイントになっている場所ですが、道幅が狭くとても一息つけるような場所ではありません。写真だけ撮って移動します。
半月峡という名前なので、おそらく半円的な弧を描く流れがあるのかもと少し意識して下を見ながら歩きましたが、木々の間から時折下が見える程度でそれらしい箇所は見つけられなかったです。
視線を歩いて行く先に戻すと、何やら不思議なものが。
S字峡に到着です
S字峡は地図にポイントとして載っている訳ではないので、引き続き谷を観察しつつ歩いて行きます。すると何やら見えてきました。
S字峡らしき光景が見えてきました。蛇行した流れに水流が白くなって、確かにS字を描くように見えます。
それにしてもいい景色。水面の透き通ったブルーにこの流れが映えてます。下ノ廊下、旧日電歩道、水平歩道からなる今回のルートの中で一番綺麗な光景の一つでした。
この辺に間違いないはずと看板を探してみると、ありました。やはりここがS字峡のようです。仙人谷ダムまで2.3km、あとひと息!でも山道の2kmって結構遠いです(笑)
このS字峡ポイントもルート上に突然現れるだけなので、休憩できるようなスペースはありません。景色を目に焼きつけて、先へと進みます。
この記事は2016年10月に「Head for the mountains」に掲載したものを2019年1月にPORTALFIELDへ移設したものです。記事移設にあたり一部加筆修正を行っています。(PORTALFIELD高橋)