2000年代以降、「日本山岳耐久レース(通称:ハセツネ)」をはじめとしたトレイルランニングの競技会が盛んになって久しい昨今、トレイルランニングという分野はもはやアウトドア志向の方に認知・定着した感があります。
2012年からは、富士山の裾野を1週する前兆161kmの超エンデュランスレース「UTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)」が大規模に開催され、ハセツネと並んで国内競技会の代表的な位置づけとなりつつあります。
また、最もハードなものとしては、日本海富山湾から太平洋駿河湾までの全長約400kmを、日本の屋根ともいわれる北アルプス・中央アルプス・南アルプス主脈3000m級の稜線をトレースし、制限時間7日間で走破をめざす「TJAR(トランスジャパンアルプスレース)」といった超々ウルトラレースもあったりします。
上記のような代表的なハードレースから、各地域で行われる比較的小規模なトレイルレースまで、いまや大小さまざまなレースが存在し、トレイルランナー達は力量や好みに合わせて参加することができます。
もちろん、そういったレースに参加し、完走したり、上位入賞したりすることを目標に据えることは大きな楽しみでもありますが、
人との競争をあえて行うことなく、美味しい空気を吸いながら森の木々や素敵な景色に囲まれて、快適なトレイルを自由気ままに走ることも気持ちがよいものです。
一般的に登山というと、荷物や装備が重く、行動もゆっくりになるものですが、
トレイルランニングは、高機能で非常に軽量な装備に切り替えることによって軽快なスタイルが可能となり、マラソンやランニングが本来持つ肉体的充足感や達成感を、登山の魅力と同時に味わうこともできる、高次元な新しいジャンルなのです。
これまで、何時間、何日もかけて登ってきた山や縦走路も、トレイルランニングならその何倍もの速さで達成することができるのです。
何より、とても楽しいジャンルなのです!